20011025

世界のできごと・人民のたたかい

2000.10.10〜2001.10.19


米国のアフガン侵攻に批判高まる
 米軍は十月十九日、アフガニスタンで地上作戦を開始、民間人の死傷者が出、難民が急増している。パウエル米国務長官は、十六日からパキスタンとインドを訪問、アフガンの新政権について協議するなど内政干渉を強めている。しかし、ロシア、中国、イラン、インドなどはアフガンに親米政権が誕生することに警戒感を強めている。イスラム諸国会議機構(OIC)外相会議は十日、米英軍の空爆に懸念を表明。インドネシアのメガワティ大統領も十四日、「人びとや他国を攻撃することは容認できない」と述べた。欧州連合(EU)議長国ベルギーの外相は十五日、ブレア英首相を批判し、「米国への連帯には限りがある」と述べた。英米軍によるアフガン侵攻への批判が国際的に高まりをみせている。

米中、対立残し「反テロ」で一致
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するために中国を訪問したブッシュ米大統領は十九日、江沢民・中国国家主席と会談した。両国はテロ根絶で連携することや、経済面の交流を加速させることで一致した。これまでブッシュは中国を「戦略的競争相手」と位置づけて強硬姿勢をとり、両国は対立を深めていた。しかし今回、中国も反テロ包囲網の強化をもくろむブッシュと思惑が一致。台湾問題やミサイル防衛問題など大きな対立点を残したままの、とりあえずの関係修復をはかった。

炭疸菌事件で米国がパニック
 米国では炭疸(たんそ)菌事件が相ついでいるが、十九日までに発症者が七人となった。米議会は十八日、議会関係者からも菌が検出されたため、前例のない下院の五日間閉鎖を決定した。政府機関も細菌テロとして厳戒態勢をしくなど、九月の同時テロに続き、政治の中心がマヒ状態になっている。米国民はパニック状態で、政治的、社会的混乱が続いている。

パレスチナで衝突が激化
 ブレア英首相は十五日、アラファト・パレスチナ自治政府議長と会談、「イスラエルの平和と安全を保障するパレスチナ国家の創設をめざす」と語った。米英はイスラム諸国を分断して「反テロ包囲網」を形成するため、パレスチナ問題解決のポーズをとったが、中東和平はもはや米英にはコントロールできない段階にきている。パレスチナ解放人民戦線(PFLP)は十七日、八月に議長を暗殺された報復として、イスラエルの最右派の閣僚を暗殺、イスラエルとパレスチナの衝突はますます激化している。


 イスラム教の金曜礼拝が行われた十二日、反米闘争が各地で行われた。
 パキスタンのペシャワールでは約一万人が米国への聖戦を叫んで気勢を上げた。マレーシアのクアラルンプールでは全マレーシア・イスラム党の呼びかけで、約三千人が米国大使館前で戦争に抗議するデモを展開した。イランでは全国規模のデモが行われ、テヘランでは数千人が参加し、ザヘダンではパキスタン領事館が襲撃された。バングラデシュでも大規模なデモが行われた。ケニアの首都ナイロビで、約八千人のイスラム教徒がデモを行った。
 インドネシアのマカッサルの日本領事館前では、アフガン空爆を支持する日本政府への抗議が続いていたが、十一日には、学生など四百人が参加した。ジャカルタでは米国、英国大使館前での抗議デモが行われ、十九日には約一万人のイスラム教徒が参加した。
 フランスのパリで四千人(十一日)、英国のロンドンで数千人(十三日)、イタリアで二十五万人(十三、十四日)のデモが行われ、十四日にはフランス全土で行動が繰り広げられた。インドでは十四日、七万人が集会を行い、デモを展開した。

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