20011025

日本のできごと

2000.10.10〜2001.10.19


テロ関連法案、衆院通過
 テロ対策特別措置法案などテロ関連三法案が十月十八日、衆院を通過した。民主党は「国会による事前承認」などささいな点を理由にテロ対策特措法案には反対したが、ほかの二法には賛成した。事実上、米軍支援と自衛隊派兵の悪法に賛成する態度をとったことになる。この問題で、小泉首相は民主党取り込みを狙い、鳩山代表と会談したが、、公明党など与党内部の反発で会談は破たんした。改革問題も含め、政界再編の火種はくすぶっている。

日韓首脳会談、おざなり外交に反発
 小泉首相は十五日、韓国を訪問し、金大中大統領と会談した。会談は、歴史わい曲の教科書問題や靖国神社参拝問題、「テロ問題」などを議題に行われた。小泉は過去の植民地支配への「反省とおわび」に触れたが、国会訪問が野党の反対で中止になるなど、関係改善に結びつくにはほど遠い結果となった。先の中国訪問に続いて、教科書問題などで対立が激化した両国関係を修復しようとした小泉だが、「(おわびは)日和見的に弁明する日本の本音を再確認させた」(朝鮮日報)など、内外の反応は冷ややか。アジアと共生する内外政策の実現が、切実に求められている。

戦争のお先棒かつぐアフガン復興会議
 政府は十一日、米英によるアフガニスタンのタリバン政権転覆を見越し、国連の「アフガン復興会議」を主催する方針を決めた。九四年のカンボジア復興会議をまねたもので、わが国支配層の狙いは、「中立」を装って米国の意を受けた「復興」を主導、国際政治上の発言権を増そうというもの。だが、いまだタリバン政権は健在であり、「ポスト・タリバン」を主導することは、米英の侵略のお先棒をかつぎ、中東・アジア・イスラムを敵に回すことになる。日本の進路を誤らせる「復興会議」主催を許してはならない。

共産党、国連による武力行使を主張
 共産党は十一日、「対テロ」での国連決議に基づく武力行使を提唱する各国首脳あての「書簡」を発表した。「書簡」は国連決議による経済制裁を積極的に主張するなど、米ブッシュ政権の報復戦争に追随した内容。また共産党は、十八日の衆院におけるテロ対策関連三法案採択の際、その一つである海上保安庁法改正案に賛成した。同案は、「不審船」などへの直接的な武力攻撃を可能にする危険なものである。政権入りを視野に米国と支配層に追随する共産党の堕落した本性が、またもあらわとなった。

えひめ丸引き上げ、怒り新たに
 ハワイ沖で二月、米原潜が衝突・沈没した実習船えひめ丸の引き上げが、十六日から行われた。瀬川弘孝通信長(当時)など、十九日までに四人の遺体が発見された。「八カ月たった現在も、米軍を憎む気持ちは消えない」と、遺族・行方不明者の家族は怒りと悲しみを新たにしている。また、事故後救助活動を行わなかった横暴な米軍はもちろんのこと、家族の悲しみをよそに、米国への断固とした態度をとれなかった小泉政権に対しても、怒りの声がわき起こっている。

不況型の企業倒産、過去最高に
 二〇〇一年度上半期の企業倒産状況が十五日、明らかになった。倒産件数は前年度下半期から二・二%増え九千六百六十五件と、上期としては戦後三番目の水準となった。倒産件数が九千件を超えるのは、三半期連続。うち、販売不振など、不況型倒産の占める割合は七六・五%で、過去最高となった。今年度経済成長率の見通しもマイナス一%に下方修正されるなど、経済危機はさらに深刻さを増している。

日産、労働者犠牲で過去最高益
 日産は十八日、二〇〇一年九月期の連結営業利益が前年同期比で三九%増の千八百七十一億円となると発表した。同社は、二期連続で過去最高利益を更新したこととなる。次期中期経営改革「プラン一八〇」では、国内販売網のリストラと中国進出も計画されている。日産は、村山工場閉鎖など労働者に膨大な犠牲を押しつけることで「V字回復」した。国内空洞化などで企業の社会的責任を放棄し、さらなる労働者・下請け犠牲によるボロもうけは、許されない。

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