20011015

日本のできごと

2000.9.30〜2001.10.9


小泉政権、早々とアフガン攻撃を支持
 米英両国による十月八日のアフガニスタン空爆に対し、小泉首相はいち早く無条件の支持と協力を言明、米国に忠誠を誓った。そして、全閣僚をメンバーに「緊急テロ対策本部」を設置し、「テロ対策特別措置法案」の早期成立を決めた。同法案について政府・与党は土日審議も視野に入れ、二十日から北京で開かれるアジア太平洋首脳会議(APEC)前に成立を目指す方針。「旗を見せろ」と米国から恫喝(どうかつ)まがいの圧力を受け、すでに六日に「難民支援」を名目に航空自衛隊輸送機六機をパキスタンに派遣するなど、ひたすら従属する姿勢である。こうしたわが国の姿勢に対し、アジア諸国から懸念や反発が示され、インドネシアの日本総領事館前では、九日以降、連日のように学生が抗議を行っている。米国にひたすら従う小泉政権の参戦策動と、闘わなければならない。

テロ問題で小泉政権に協力する民主党
 民主党の鳩山代表は七日、米英両軍のアフガニスタン爆撃について「軍事行動を行うことを理解する」と、米国への忠誠を表明した。また、「政権を担う政党として反対できない」と、テロ関連法案についてもAPEC前の衆院通過を認める発言を幹部が繰り返しており、政府・与党の目指す早期成立に呼応しようとしている。また、上田清司衆院議員ら約四十人の保守系の議員らがテロ関連法案成立賛成の立場で勉強会を発足させるなどの動きも出ている。こうした民主党の役割は犯罪的であり、とりわけ労働組合は民主党への幻想をぬぐいさるべきである。

小泉首相訪中、アジアの警告に直面
 小泉首相は八日、中国を訪問し江沢民主席と会談した。江主席はわが国の米軍支援策について「アジアの人びとには警戒心がある」と述べ、わが国の性急な米軍支援策決定にクギをさした。また小泉首相の靖国神社参拝問題でも「戦犯がまつられた靖国神社に日本の指導者が参拝すれば、問題」と強調、小泉首相の靖国参拝を批判した。小泉政権は今回の訪中で、今年八月の小泉首相の靖国参拝や教科書問題でわき起こったアジアからの対日批判をやわらげ、同時に自衛隊の米軍支援についても理解を得る狙いだった。しかし逆に、中国をはじめとするアジア各国のわが国に対する厳しい姿勢が浮き彫りとなった。

特殊法人改革も小規模に
 石原行革担当相は五日、特殊法人改革推進本部(本部長・小泉首相)に特殊法人の組織見直し案を提出した。結局、日本政策投資銀行など五十四法人は見直しを先送りにし、首相が指示した廃止・民営化を打ち出したのは道路四公団など三十四法人にとどまった。また、小泉政権の「公約」であった「国債発行三十兆円枠」についても、首相自身が米国への戦争支援などを理由としてその困難さを強調、事実上、ホゴにすることを示唆している。いわゆる政権内の「抵抗勢力」の反撃も受け、いよいよ「小泉改革」は破たんの道へ踏み出した。

狂牛病問題、農家の被害が深刻に
 農水省は狂牛病問題で四日、狂牛病の感染ルートとされている肉骨粉の流通、販売を一時的に停止した。また三十月齢以上の牛の全頭検査を決め、検査体制が整う十月中旬まで三十月齢以上の牛の出荷を抑制する措置をとった。この措置によって、と畜が停止する市場が多く出ている。畜産農家はこの間、牛の飼料代のコストがかさむ一方で牛肉価格が下落、すでに自殺者が出るなど、大きな打撃を受けている。また、販売店、飲食業者も危機に立たされている。そもそも、政府が狂牛病の原因とされている肉骨粉の輸入を野放しにしてきたことが原因であることは明らかである。畜産・酪農農家など、被害を受けている人びとへの万全の補償、支援が求められている。

連合大会、笹森体制に
 連合の第七回定期大会が四、五日、東京で開催された。大会では「二十一世紀連合ビジョン」と報告書「新しいワークルールの実現をめざして」を決定、新役員に笹森清会長(電力総連)、草野忠義事務局長(自動車総連)を選出した。連合の「参加型」路線が厳しく問われる中での大会であったが、労働者が納得できる方針は示されなかった。

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