20010925

世界のできごと・人民のたたかい

2000.9.10〜2001.9.19


テロ事件で米国の威信失墜
 ハイジャックされた民間航空機が九月十一日、ニューヨークの世界貿易センタービルとワシントンの国防総省に激突。米国は金融・国防の中枢を破壊され、威信は地に落ちた。事件後、世界の主要市場で株価が急落。日米欧は世界経済への影響を恐れ協調利下げを行ったが、十七日に再開したニューヨーク株式市場は、九〇〇〇ドルの大台をを割り込み、世界的規模での景気悪化に拍車をかけた。そして、米政府は犯人をウサマ・ビンラディン氏と決めつけ、アフガニスタン周辺に空母四隻と戦闘機三百機を派遣し、戦闘態勢を固めている。北大西洋条約機構(NATO)は十二日、集団的自衛権発動を決定た。これに対し、アフガンは徹底抗戦を決め、イラクのフセイン大統領は十二日、同時テロは「自らがまいた悪の種」と米国を批判した。

WTOが米国貿易政策を強く批判
 世界貿易機関(WTO)は十七日、米国の貿易政策に関する二年ぶりの審査報告書を公表した。米国が鉄鋼製品の輸入をめぐって反ダンピング(不当廉売)措置や緊急輸入制限(セーフガード)措置などの国内保護政策を乱発していることに強い懸念を表明。農業補助金に関しても、「九七年以降三倍に増え、農家の実質所得の半分を超す約三百億ドルに達している。世界市場に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と批判した。米国は他国に市場開放を要求しながら、自国では保護政策をとっており、その身勝手さは各国の反発を招いている。

南北閣僚級会談を再開
 中断していた南北朝鮮閣僚級会談の第五回会議がソウルで再開し、十八日には五項目の「共同報道文」が発表された。会談では南北共同宣言の履行を再確認し、南北関係の持続的な発展と平和保障のために積極的に努力することが合意された。半年間中断していた離散家族、経済、スポーツなどの交流がいっせいに再開される。焦点となった朝鮮民主主義人民共和国に対する電力支援、食料支援問題では共和国が柔軟に対応し、合意書の発表にいたった。南北朝鮮の平和統一のための努力が、ねばり強く続けられている。

中国各地で柳条湖事件70周年集会
 日本軍の中国侵略の発端となった柳条湖事件から七十周年を迎えた十八日、中国外務省は「侵略を通じて他国の人民を支配しようとする行為はすべて失敗に終わる」との談話を発表し、日本政府に過去の歴史に対する正確な認識を求めた。十八日には中国各地で七十周年を記念する集会が行われた。北京郊外の中国人民抗日戦争記念館では約千人、瀋陽市でも約二千人が参加した。集会では「日本の少数の右翼分子が教科書や靖国神社参拝の問題で歴史をわい曲し、侵略戦争を美化している」と、批判が相ついだ。


 パキスタンのカラチで十八日、米国がアフガニスタンを武力攻撃しようとしていることを批判して、学生五千人が反米デモを行った。デモは連日行われ、パキスタン政府が米国に協力を約束したことについても、強い怒りと抗議の声が広がっている。
 米国・アトランタ市で十五日、武力行使に反対する集会が開かれた。約百人の市民たちは「米国の戦争マシンを止めろ」「ノーモア・ウオー」のプラカードをかかげデモ行進を行った。ニューヨーク市内で十八日、市民団体による反戦集会が開かれた。集会には市民百五十人が参加し、「戦争になれば民間人も標的にされてしまう」として、攻撃を行わないように訴えた。
 ニュージーランドの学生たちは十八日、「復しゅうではなく平和を」などの寄せ書きを行い、米国がアフガニスタンへの攻撃を行わないように訴えた。

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