20010905

世界のできごと・人民のたたかい

2000.8.20〜2001.8.29


米景気が減速、7度目の利下げ
 米連邦準備理事会(FRB)は八月二十一日、短期金利の誘導目標を〇・二五%引き下げて三・五%とした。利下げは今年に入ってから七回目だが、景気浮揚につながっておらず、四―六月期の実質国内総生産(GDP)の成長率が年率〇・二%まで低下。IT関連企業の低迷は深刻で、米ゲートウェイのアジア撤退や人員削減が相ついでいる。自動車業界も減産を拡大し、フォード・モーターとゼネラル・モーターズが二十七日から、合わせて一万三千二百人の一時帰休を実施。景気減速がさらに鮮明になっている

米軍が南シナ海で大規模な演習
 米海軍と空軍が十七日、台湾近海で二隻の空母指揮下の機動部隊を中心に軍事演習をしたことが二十日に明らかとなった。艦艇十四隻、航空機百五十機、兵員一万五千人を動員した大規模なもの。中国軍は福建省で実弾軍事演習を実施中であり、米国は中国をけん制し台湾防衛の意思を改めて示した。台湾海峡付近にたびたび艦隊を派遣し軍事的緊張をあおる米軍は、アジアの平和を脅かす危険な存在である。

NATO軍がマケドニアに派兵
 北大西洋条約機構(NATO)は二十二日、バルカン半島で民族衝突が続くマケドニアへ四千五百人の兵力を派遣することを決めた。九月上旬から三十日間、アルバニア系武装集団から兵器を回収する。ドイツ、イギリス、フランスなどが派兵。だが、ボスニアでもコソボでもNATOが介入したが民族対立は鎮まらず、部隊撤収のめどさえたっていない。マケドニアでも駐留がなし崩し的に長期化する可能性も大きく、大国の軍事介入による和平は行き詰まりをみせている。

IMFがアルゼンチンに80億ドル
 国際通貨基金(IMF)は二十一日、アルゼンチンに八十億ドルの追加融資を決めた。多額の対外・国内債務をかかえたアルゼンチンは、デフレ下で債務不履行寸前となっている。アルゼンチンは二〇〇〇年からIMFの要求にそって緊縮政策プログラムを導入したが、景気が低迷し財政収支はますます悪化。緊縮財政の下で公務員の給料・年金カットや高齢者の医療費削減などに激しい抗議行動が続き、二十二日には労働者ら数万人が大統領府前を埋め尽くした。アルゼンチン経済危機は中南米から米国に波及する可能性が高く、世界恐慌の引き金の一つともいわれているが、IMFは有効な対策を打てない状況に追い込まれている。