20010905

日本のできごと

2000.8.20〜2001.8.29


失業率、最悪の5%に突入
 総務省が八月二十八日発表した七月の完全失業率は、五三年以来初めて五%を上回った(グラフ)。失業者数は三百三十万人で、前年同月より二十三万人増加、就業者数は四カ月連続で減少している。こうした中、東芝は二〇〇三年度末までに、十八万八千人いるグループ従業員の一〇%、うち国内で約一万七千人を削減する大リストラを発表した。日立製作所も、海外を中心に二万人前後の労働者を削減する方針を決めた。政府は雇用対策として「五年間で五百三十万人の雇用創出」を掲げているが、小泉首相は「ある程度失業者が増えるのはやむを得ない」と公言している。失業者を生み出す「改革」政治との対決が求められている。

完全失業率の推移

国民にツケおしつける特殊法人改革
 小泉首相は二十八日、扇国土交通相に対し、特殊法人の道路関係四公団(日本道路、首都高速道路、阪神高速道路、本州四国連絡橋公団)と都市基盤整備公団、住宅金融公庫など六つの特殊法人の見直し案策定を指示した。扇国交相は四公団を統合した上で民営化する考えを示しており、今後の対立も予想される。また同日、石原行革担当相の私的諮問機関である「行革断行評議会」は、住宅金融公庫の廃止案を発表した。小泉政権は特殊法人改革を「改革」の突破口にしようとしているが、一部公団の廃止・民営化によって、地方や国民生活に負担増が押しつけられようとしている。

補正予算、政府・自民党内からも異論
 政府は二十七日、二〇〇一年度補正予算を編成、九月下旬召集の臨時国会で成立させる方針を決めた。新規の国債発行額を年間三十兆円以下に抑えるとの目標を今年度にも適用、歳出規模は二兆―三兆円程度で調整する方針。また、「臨時国会を雇用対策国会に」(小泉首相)する方針。不況の深刻化による雇用情勢悪化が「改革」の障害になりかねないとの危機感がにじみ出ているが、政府・自民党内では「五兆円規模の補正予算を」(平沼経済産業相)「国債発行の上限にこだわるべきではない」(麻生政調会長)と、「三十兆円枠」に対する反対論が根強い。特に、亀井前政調会長は「少々負債が増えても日本経済を活性化すべきだ」と、与党内の対立が深まっている。

全国基地県が地位協定見直しを要請
 米軍基地を抱える全国十四都道県の知事が参加する渉外関係主要都道県知事連絡協議会(会長・岡崎神奈川県知事)は二十二日、定期総会で日米地位協定の見直しなど六つの要望を中心とした合計百二十項目の「基地対策に関する要望書」を国に提出した。今年六月の沖縄での女性暴行事件を念頭に、犯罪を犯した米兵の身柄即時引き渡しを要請している。また、「米軍機の民間空港の使用禁止」「飛行訓練の制限」なども求めている。

ガイドライン具体化の米艦入港
 米海軍横須賀基地を母港にする第七艦隊所属の艦船五隻が二十八日、いっせいに清水、名古屋、和歌山、姫路の四つの民間港に入港した。今回のいっせい入港は、民間港の軍事利用や、自治体・民間協力を規定した新ガイドラインの具体化を図るものであり、断じて許されない。   (関連記事5面)

労組の大会で民主党批判相つぐ
 自治労の榎本委員長は二十八日、旭川市で開いた定期大会で、「(参院選で)民主党は小泉内閣への対抗軸が終始、揺れ続けてきた」と、民主党を批判した。また、JAMの服部会長も熱海市での定期大会で「民主党は人心を動かす政策がなかった」と発言した。全国一般の田島委員長も、山形県での大会で「改革に対抗軸を打ち出すことができなかった」と批判。参院選を通じて、小泉改革の補完勢力である民主党に対し、労組からいっせいに批判が噴出、民主党との矛盾を深めている。

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