20010825

世界のできごと・人民のたたかい

2000.7.30〜2001.8.19


米経済の後退、失業者が増大
 米国企業の七月の人員削減は前月比六五%増の二十万五千九百七十五人となり、九三年の調査開始以来初めて二十万人を突破した。特に、情報技術(IT)関連企業で人員削減が激しく、コンピュータ総合企業のヒューレット・パッカードは六千人の削減を発表した。また、米国経済のけん引役だった民間設備投資が十年ぶりに前年割れとなることも明らかになった。今年の設備投資は対前年比マイナス三・三%とが予測され、前年実績九・九%増から大きく後退する見通し。さらに八月十二日までに発表された、米主要企業五百社の営業利益は、これまで増益予想だったが、年間で九%の減益となる見通しとなった。こうした米国景気の急速な減速は世界経済に大きな影響を与えることになる。

アジアの輸出低迷
 米国景気の後退はアジア各国にも大きな影響を与えている。韓国産業資源省が八月一日までにまとめた七月の輸出は前年同月比で二〇%の大幅減となった。この減少幅は過去最大である。また、台湾では半導体などIT関連製品の対米輸出不振から、設備投資が大幅に減少し、四月?六月の実質域内総生産(GDP)伸び率は前年同月比マイナス二・三五%となり、二十六年ぶりのマイナス成長となった。米国向け輸出が大きな比重を占めるアジア諸国の経済も深刻な打撃を受けている。

米けん制のロ朝共同宣言
 モスクワを訪問中の朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記とロシアのプーチン大統領は四日、「ロ朝共同宣言」に署名した。宣言は、共同で電力事業を再建や貿易拡大のためシベリア鉄道と朝鮮縦断鉄道の連結など経済、エネルギー問題での協力を確認した。そして、北朝鮮のミサイル開発について「計画は平和的で、北朝鮮の主権を尊重するいかなる国にも脅威にならない」と明記。また、朝鮮の南北対話についても「外部の介入を受けない南北対話の継続」としている。今回の首脳会談は、ロシアは弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の重要性を強調し、ミサイル防衛構想を推進する米国をけん制し、北朝鮮は朝鮮半島での米国の干渉をけん制するものとなった。


 イタリアの郵便労働者は七月三十一日、郵政公社が発表した九千人の人員削減計画に反対し全国で二十四時間ストライキを闘った。ストはイタリア労働総同盟とイタリア労働組合連盟が呼びかけたもので、郵便労働者の七割が参加し、解雇と郵便局の一部閉鎖に反対した。
 メキシコシティーの独自動車会社フォルクスワーゲンのプエブラ工場で八月十八日、賃上げを求める労働者がストライキに突入した。
 メキシコシティーで八日、全国から結集した農民約三万人が農業再建を求めて集会やデモ行進を行った。メキシコ農業は米国からの輸入増大や価格低下で深刻な打撃を受けており、参加した農民は輸入規制と融資や価格保証を求めた。
 アルゼンチンの公務員労組は八日、給与カットなどを盛り込んだ政府の歳出削減計画に反対しストライキに突入した。政府は公務員給与や年金の一三%カットをもくろんでいる。
 パレスチナ自治地区のナブレスで一日、イスラエルの攻撃で八人が殺害されたことに数万人が抗議の行進を行い、イスラエルへの報復を訴えた。

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