20010805

世界のできごと・人民のたたかい

2000.7.20〜2001.7.29


ジェノバ・サミット、日米欧が対立
 イタリアのジェノバで開かれていた主要国首脳会議(サミット)は七月二十二日、首脳宣言を採択し閉幕した。経済声明では、世界同時不況の懸念が強まる中、欧州が米国の景気減速を批判するなど、日米欧が互いに責任を押しつけあい、何ら有効な対策を打ち出せなかった。地球温暖化防止の京都議定書の批准についても米欧が鋭く対立し、「意見の不一致」を明記せざるをえなかった。また、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約、包括的核実験禁止条約(CTBT)批准問題は強硬な米国の姿勢を反映して議論すらされなかった。今回のサミットは、こうした主要議題で米欧、主要国の対立を際立たせた。また、日本の小泉首相は京都議定書問題などで終始米国に追随した。

ASEAN、自主的な枠組みへ前進
 ベトナムのハノイで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は二十四日、ASEAN諸国の協力や相互援助を強調した宣言を発表した。宣言では、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの四カ国の経済発展を重点的に援助することを確認した。また、ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議も開かれ、各国はARFの機能を信頼醸成から予防外交に強化することで合意、理念・原則などをまとめた議長声明を採択した。米国は各国の内政問題に軍事力行使を含め介入する意思を示したが、声明では、内政不干渉の原則、武力の不行使を明記した。ASEANの一連の会議は、経済や安全保障について、アジアで自主的な枠組みをいっそう強化しようという努力が示されたものとなった。

米国務長官アジア歴訪
 アジア歴訪中のパウエル米国務長官は二十七日、韓国を訪問し金大中大統領と会談した。金大統領は「米国は北朝鮮との対話に積極的に出てほしい」と要請したが、パウエルは米朝交渉の早期再開に否定的な姿勢を示した。また、二十八日には中国の北京で江沢民主席と会談、経済、軍事など包括的な二国間対話の再開で合意した。今年二月の米中軍用機衝突事件以降、冷却化していた両国関係の調整を図ったもの。だが、パウエルは台湾への武器供与を継続すると述べ、依然として中国の内政問題に干渉する姿勢を明らかにした。

インドネシアで政権交代
 インドネシアで二十三日、メガワティ副大統領が第五代大統領に就任した。ワヒド前大統領に対しては、不正資金疑惑や独断的な政権運営などに批判が高まり、国民協議会で罷免された。新政権は経済再建など多くの問題を抱えており、政権基盤は安定していない。


 イタリアでのジェノバ・サミットに抗議して二十一日、市内でデモが行われた。デモには欧州各地から集まった学生や労働団体など十万人が加わり、経済のグローバル化に反対した。前日、行動に参加した青年が警察に射殺されたことにも抗議した。
 米国ワシントンの国務省前で二十三日、旧日本軍によって慰安婦にされた中国、フィリピン、朝鮮などの女性が集会を開いた。女性たちは日本政府を相手に損害賠償を求めているが、米政府は地裁に提訴棄却を求めた。集会は、米政府に抗議して開かれたもの。
 米領プエルトリコのビエケス島で二十九日、米海軍演習の是非を問う住民投票が行われ、「即時、永久的な演習中止と演習場の浄化、返還」が六八%を占めた。演習中止を求める圧倒的多数の島民の意思が、明らかになった。

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