20010725

世界のできごと・人民のたたかい

2000.7.10〜2001.7.19


中ロ、年ぶりの友好条約で米けん制
 江沢民・中国主席とプーチン大統領はモスクワで七月十六日、政治・経済・外交など広範囲な協力強化をうたった善隣友好協力条約に調印した。軍事面の共同対処には踏み込まなかったが、「いずれかの国に侵略の脅威が生じた場合は事前協議する」という条項が盛り込まれた。あわせて、米国のミサイル防衛(MD)構想に反対し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約順守を求める共同声明も発表した。中ロ間では、中ソ友好同盟相互援助条約が八〇年に失効以来、国家間の基本条約がない状態が続いていた。本条約はこの不正常な状態を二十数年ぶりに終了させるとともに、米ブッシュ政権の登場によって強まる「一極覇権」策動をけん制するもの。

アルゼンチン危機に、米大慌て
 国内総生産(GDP)の四割以上の政府債務を抱えるアルゼンチン経済の危機が、周辺国に影響を及ぼしている。同国では財政赤字が急拡大、五月までで五十億ドルにも及び、国際通貨基金(IMF)の認めた年間六十五億ドルを超える勢い。これにより、株価が急落、九七年のアジア通貨危機のような金融パニックを引き起こす可能性が高まっている。この影響で、隣国チリでも通貨ペソが下落、十二日には年初からの下げ幅が約一八%に達した。アルゼンチン政府は十一日、緊縮財政計画を発表したが、周辺国や米国は緊急会議を開くなど、混乱回避に必死。米国やIMFは、隣国ブラジルへの支援を強化することで、「防波堤」とする考え。中南米の経済混乱が拡大すれば、景気減速中の米国経済を直撃し、世界同時不況を深刻にする可能性もある。この緊縮財政政策に対しては、国内で早くも抗議のデモが始まるなど、反対の声が強い。

地球温暖化防止ボン会議で日本孤立
 ドイツのボンで行われた地球温暖化防止会議の閣僚級会議が十九日開かれた。京都議定書離脱を表明する米国に対し、米抜きの議定書発効をめざす欧州連合(EU)が対立した。米国は十八日、温暖化対策のための途上国支援を拒否することを表明、途上国の怒りをかっている。日本・カナダなどは十七日、温暖化ガス吸収源として森林の役割を広範囲に認める新提案を行ったが、この提案は議定書に抜け穴を認めるもの。米国のご機嫌をうかがう日本の態度に、「日本が独立しているかどうかが試されている」(イラン)など、途上国やEUは強く反発している。会場外でも連日、環境保護団体などの抗議行動が繰り広げられているが、怒りは米国と日本に向けられている。


 主要国首脳会議が開催されるイタリア・ジェノバで十九日、各国から駆けつけた一万人以上が、「反グローバル化」を掲げてデモを行った。
 韓国・ソウルの米大使館前で十三日、米国のミサイル防衛(MD)構想に反対し、市民が米大使館前で抗議行動を行った。
 ネパールの首都カトマンドゥで十二日、反国王・反政府を掲げたゼネストが闘われ、交通機関などがマヒ状態となった。
 英国北アイルランドのベルファストで十二日、独立を求めるカトリック系住民に対し、警官隊が一方的な規制を行ったことで衝突が発生、九八年の和平合意以降、最大規模の暴動となった。
 ブラジル東部のサルバドルでは、賃金倍増を求めて刑務所看守が四日からストを続けていたが、十二日には機動隊を含む警官労組がストに合流した。

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