20010715

世界のできごと・人民のたたかい

2000.6.30〜2001.7.9


サミット財務相会議、責任押しつけ合い
 ローマで開かれた主要国首脳会議(ジェノバサミット)の財務省会合は七月七日、世界同時不況と株価下落の防止のため、各国が協調して経済安定に取り組むことを確認した。日米欧の株価が下落するなかで開かれた会合だっただけに各国の危機感は深刻で、表面上は協調をうたいながらも、「日欧も世界経済のけん引役を」(オニール米財務長官)、「世界経済減速の主因は米経済の鈍化」(ファビウス仏財務相)と、日米欧が責任を押しつけあう様相を見せた。わが国に対しては「不良債権の早急な処理と構造改革の推進」を求め、わが国の塩川財務相も「日本経済をマイナス成長にさせない」との「国際公約」をした。「世界同時不況」の恐れの前に各国が生き残りをかけて結局、今回の会議は内部対立を露呈し、何ら決定的な対策を打ち出せず終わった。

CTBT批准放棄か、独善強める米国
 米ブッシュ政権が核実験全面禁止条約(CTBT)の批准放棄と死文化を検討していることが七月七日、報道された。当面、核実験の凍結は継続するが、必要と判断した場合は、条約に拘束されることなく、核実験を再開する意向も明らかにしている。ブッシュ政権は、ミサイル迎撃実験を一年ぶりに再開することも発表している。こうした一連の動きや、地球温暖化防止の京都議定書からの離脱、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約破棄への動きなど、軍事・政治超大国の力を背景に自国の利益のみを追求するブッシュ政権の独善的な姿勢は世界各国との摩擦をいっそう激化させるだろう。

仏ロ両大統領、対米けん制で一致
 ロシア訪問中のフランスのシラク大統領は二日、プーチン大統領と会談し、国際的安全保障で両国の共同歩調を強めていく共同声明を発表した。声明では「新たな軍拡競争への道を開くような拘束力の弱い安保システムに転換することがないよう努力しなければならない」と表明、米国の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の破棄、修正に応じるべきでないとの認識で一致した。仏ロ両首脳が米国をけん制した格好となった。


 イタリア最大の労組であるイタリア労働総同盟(CGIL)所属の金属機械労働者三十万人以上が六日、全国で賃上げを要求してデモ行進とストライキを行った。七日には、ローマで開かれたG8財務相会談を狙い、国内空港の管制塔やパイロットの労組がストに突入、約二百便が欠航した。
 オーストリアのウィーンで五日、同国最大労組のオーストリア労組連盟が呼びかけた集会に全国各地から、約五万人の労働者が集まった。昨年二月に発足した保守・極右政権による社会保障制度改悪に抗議して行われたもの。一日には同国北部のザルツブルク市で開催された「世界経済フォーラム」に抗議して約千人が「反グローバリズム」を訴えて抗議デモを行い警官隊と衝突した。
 韓国で七月三日、生コン輸送労働者などを組織する全国建設輸送労働組合が、経営者の不当解雇と暴力団を使った労組活動破壊に抗議し、ソウルの政府庁舎前で抗議行動を行った。労組側は五月二十五日から、ソウル中心部に生コン輸送車を集結させ、ストに突入している。また、民主労総は五日、ソウルでゼネスト勝利決起大会を開き一万人以上の労働者が参加した。民主労総は金大中政権による弾圧中止と整理解雇中心の構造調整に反対している。

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