20010705

世界のできごと・人民のたたかい

2000.6.20〜2001.6.29


米、6回目の利下げ、景気回復遠のく
 米国の景気回復は、当初予測された今年後半期にも望めなくなりつつある。とくに企業部門は低調で、五月の鉱工業生産は八カ月連続で減少、設備稼働率は十七年九カ月ぶりに七七・四%という低水準にとどまっている。主要五百社の企業収益は、四?六月期に前年同期比一七・二%減、七?九月期も五・五%減となる見込みだ。これに対処しようと、米連邦準備理事会(FRB)は六月二十七日、フェデラルファンド(FF・短期金利目標)を〇・二五%引き下げ、年三・七五%とした。利下げは今年六回目だが、米経済は度重なる利下げをせざるを得ない状況に追い込まれている。

プーチンがABM問題で米に対抗
 ロシアのプーチン大統領は二十三日、米国がミサイル防衛(MD)構想を推進し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を脱退した場合は対抗措置をとると表明した。プーチンは「ABM制限条約が破棄されれば、関連する戦略兵器削減条約(START)の効力も失われる」と述べ、多弾頭核ミサイルを配備する権利を留保した。米国のMD構想は、またしても世界を際限なき核軍拡競争へと導こうとしている。

米、ミサイル中心に軍事予算増額
 米国防総省は二十七日、十月からの二〇〇二会計年度国防予算の修正案を議会に提出した。今年度に比べ三百二十六億ドル増額され、総額は三千二百八十九億ドル(約四十兆八千億円)。ブッシュ政権の当初予算案と比較しても、百八十四億ドル上積みされている。とくに、MD関連予算が二十三億ドル増額され、七十億ドルを占める。国際的孤立もまったく眼中にない米国の態度は、世界からさらなる反発を受けるだろう。

京都議定書、米抜きをカナダも支持
 欧州連合(EU)とカナダは二十一日、地球温暖化防止京都議定書の批准に向け協調することで合意した。これで、日本またはオーストラリアが批准に応ずれば、温暖化ガス排出量の割合で過半数を超え、議定書発効の条件が満たされることとなる。「米国寄り」と思われたカナダが議定書支持にまわったことで、議定書離脱を表明する米国の孤立は深まった。締結時の議長国でありながら、米国に従属して批准をためらうわが国の態度もまた、問われている。


 スペインのバルセロナで二十四日、世界銀行の年次開発経済ヨーロッパ会議に抗議し、グローバル化に反対する八千人がデモを行った。このため、翌日からの会議は中止に追い込まれた。
 ユーゴスラビアのベオグラードで二十九日、ミロシェビッチ前大統領の国連戦犯法廷への引き渡しに抗議して、一万人が連邦ビル前で抗議行動を行った。経済援助をちらつかせた欧米の内政干渉に対して、首相が辞意を表明するなど、引き渡しを認めた政府内部でも批判が起こっている。
 日本の歴史教科書の記述修正を求めて、韓国の元従軍慰安婦が二十七日、ソウルの日本大使館前で座り込み、抗議した。
 朝鮮民主主義人民共和国の平壌で二十四日、二十万人の反米集会とデモが行われた。二十五日の朝鮮戦争ぼっ発五十一周年を記念してのもので、米ブッシュ政権の成立もにらんで、十年ぶりの開催となった。

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