20010615

世界のできごと・人民のたたかい

2000.6.10〜2001.6.19


欧州、米ミサイル構想支持せず
 ブッシュ米大統領は六月十二日から就任後初の欧州歴訪を行い、北大西洋条約機構(NATO)首脳会談、欧州連合(EU)首脳会談、米ロ首脳会談に相ついで出席した。米国が推進するミサイル防衛(BM)構想と弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約改定については、欧州諸国は慎重な姿勢であり、独仏ロは受け入れられない態度を鮮明にしている。また、EU首脳会議では地球温暖化防止対策・京都議定書問題でEUと米国の交渉が決裂した。EUは米国抜きで京都議定書の発効を目指すため、日本、カナダ、オーストラリアに特使を派遣し、同調を求めることを決めた。米国の欧州における発言力の低下を印象づけた歴訪となった。

中・ロ・中央アジア、協力機構創設
 中国・上海で十五日、国境を接する中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの中央アジア三国で構成する首脳会議「上海5(ファイブ)」が開かれた。会議ではウズベキスタンの新規加盟を承認し、参加国は六カ国となった。同時に従来の定期会議を地域機構に格上げし、常設機関「上海協力機構」の創設を正式に決定した。湖の地域の安全保障や治安、経済など幅広い分野での協力をはかる機構となる。

中ロ首脳、米ミサイル構想に反対
 中国の江沢民国家主席は十四日、「上海5」に出席するため上海を訪問しているロシア・プーチン大統領と会談し、米ブッシュ政権が推進しているBM構想に反対することで一致した。プーチン大統領はABM制限条約を守る原則的な立場を改めて表明。両首脳はこの問題で密接に協議することを確認しあった。

世界の軍事費97兆円、米国が37%
 ストックホルム国際平和研究所は十三日、二〇〇〇年の安保情勢をまとめた二〇〇一年版の年次報告書を発表した。世界の軍事費は七千九百八十億ドル(約九十七兆三千五百億円)に達し、冷戦後の最低を記録した九八年から五%増加した。軍事費は同年の世界の国内総生産(GDP)の二・五%、人口一人当たり約百三十ドルに相当する。米国は全軍事費の三七%を占めており、引き続き世界最大の軍事国家であることがわかる。


 韓国民主労総加盟の百二十余りの労組(五万人)が十二日、雇用の安定と整理解雇の撤回などを求め全国ストに入り、ソウルで約一万人の集会を開催した。大韓航空とアシアナ航空の労働組合は十二、十三日、賃上げやパイロットの採用をめぐりストに突入。ソウル大学病院、梨花女子大医療院など八つの病院も十三日からストに入った。労組側は政府・財界との対決姿勢を強めている。
 EU首脳会議が開かれたスウェーデンのイエーテポリで、十四日から反資本主義や反EUを訴えるデモが行われた。参加者は二万人になり、ドイツ、デンマークなどからも参加した。翌十五日には会議に抗議行動を行ったデモ隊に警察が不当にも襲いかかり、警官の発砲で二人が負傷する事態となった。
 スペインで十日、ブッシュ米大統領の訪問に抗議して首都マドリードで三千人が集会とデモを開催した。同国の労組や平和団体など二十組織が呼びかけたもので、米国のBM構想や地球温暖化問題での対応を批判している。
 ドイツ南部バイエルン州の小売業労働者(十一万六千人)の統一サービス労組が十一日、賃上げを要求し、約百の職場でストに突入した。

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