20010615

世界のできごと・人民のたたかい

2000.5.30〜2001.6.9


ブッシュ、対北朝鮮強硬策を決定
 米ブッシュ政権は六月六日、新たな対朝鮮民主主義人民共和国政策を公表、これに基づき米朝対話を再開するという声明を発表した。声明は、九四年の米朝合意の枠組みを大きく超え、「核疑惑の完全解明」、通常兵力削減なども求め、北朝鮮締めつけ強化を狙うもの。米朝ですでに合意している軽水炉に代わり、火力発電所供与を条件に北朝鮮の譲歩を迫ると見られる。これまでの合意を平気で踏みにじるブッシュ政権のごう慢な態度に対し、北朝鮮が反発するのは当然であり、国際的な批判の高まりも避けられない。

米、続発する個人破産
 米国の一ー三月期の個人破産が三十五万六千八百件と、前年同月比一七%増になっていることが、一日までに明らかになった。通年では、過去最高の百四十万件を突破するとみられる。最大の原因は米国の景気減速による倒産やリストラによる失業で、支払い不能に陥るケースが増えているという。議会は自己破産申請の基準を厳しくする法案を検討しているが、これは、社会的弱者にいっそう苦難を強いることになるとの声が強い。空前の「好景気」をおう歌した米経済だが、そのツケが露呈してきている。

アイルランド国民投票、EU拡大否決
 アイルランドで八日、欧州連合(EU)拡大のための基本条約であるニース条約批准に対する国民投票が行われたが、五三・八%の反対で否決された。同条約の発効には、アイルランドを含む現在の加盟十二カ国すべての批准が必要なため、今後、ポーランドなどのEU加盟は遅れる見通しとなった。否決の背景には、創設される軍事機構である「緊急即応部隊」参加への世論の反発と、同国予算にEUが見直しを求めたことがあるとされる。欧州統合は、今後も曲折を余儀なくされるだろう。

英総選挙、労働党大勝だが課題山積
 七日に投票が行われた英下院総選挙で、与党労働党が過半数を大きく超え大勝した。だが、ブレア首相が公約に掲げた欧州通貨統合への参加には反対が根強く、来年秋の国民投票は予断を許さない。失業者対策などで「実績」をあげたとされるブレア政権だが、北部の旧産炭地は貧困にあえぎ、大企業のリストラ・撤退も相ついでいる。「大勝」とはうらはらに、課題山積の中でのスタートとなった。

マハティール、国際通貨を提唱
 来日中のマハティール・マレーシア首相は六月八日、「一国に帰属しない国際通貨」の創設を提唱した。首相は「世界の金融や商業を支配する国があってはならない」「グローバル化は行き過ぎている」と、米国などをけん制、「国際貿易は新国際通貨で決済すべき」と、ドル中心の経済を改めるべきとした。さらに、「資本移動で利益を得た企業に『世界税』を課すべき」とも述べた。また、首相は塩川財務相との会談では、「アジア通貨基金(AMF)創設に努力したい」と意欲を示した。


 大幅賃上げを求めて闘っていたドイツ・ルフトハンザ航空のパイロット労組は八日、二九%の賃上げで妥結した。同労組は、過去十年間に、会社再建を口実に約三〇%の賃下げを受け入れており、この回復を求め、三度に渡り二十四時間ストを闘ってきた。
 フランス全国で七日、労働総同盟(CGT)加盟の刑務所・拘置所職員が待遇改善を求めてストを行った。受刑者増にもかかわらず、職員が増やされていないことに抗議してのもの。
 ロシアのモスクワで六日、下院が核燃料廃棄物を外国から受け入れる法案を可決させたことに抗議し、環境保護団体などが国会前でデモを繰り広げた。

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