20010415

世界のできごと・人民のたたかい

2000.3.30〜2001.4.9


米中機衝突、日本は米偵察活動の拠点
 沖縄・嘉手納基地発の米海軍偵察機EP3は四月一日、中国沿岸で偵察活動中、中国軍用機一機と衝突し、中国・海南島に緊急着陸した。その後、米中の交渉の結果、米国側が謝罪し、乗員二十四人は帰国した。米軍のスパイ活動は日常的に行われており、中国沿海で、今年はすでに六十三回も確認されている。また、EP3が所属する艦隊用空中偵察第一中隊は青森・三沢基地と沖縄・嘉手納基地に駐留しており、わが国が米国の対中スパイ活動の拠点であることが明らかになった。

米就業が大幅減、経済に追い打ち
 米労働省が六日発表した三月の失業率は、前月比〇・一%上昇の四・三%となり、二十カ月ぶりの高水準。また、非農業部門の就業者数は八万六千人減少し、九年四カ月ぶりの大幅な減少となった。製造業を中心に人員削減の動きが広がっていることが要因にあげられている。また米企業の一〜三月期決算の発表がこれから本格化するが、悪化した決算内容を発表する企業が続出すると予想され、いっそうの雇用悪化は避けられず、減速局面が明らかになった米国経済にさらなる追い打ちをかけた格好となった。

ASEAN、円安傾向に懸念
 マレーシアのクアラルンプールで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)財務省会議は八日、「円安がASEANの持続的成長に悪影響」との共同声明を発表し、閉幕した。円安に連動しアジア各国通貨も軒並み下落し、輸出減などアジア経済の悪化を加速する恐れがあるため、わが国に対して為替安定に向けた努力を促した。また、通貨危機の再来を防ぐため、域内独自の金融・経済相互監視制度の創設を目指すこと、ASEANと日、中、韓の三カ国で緊急時に外資を融通しあう「通貨スワップ」の発動について、融資条件の緩和をわが国など三カ国に求めることなどを決めた。わが国は、対米追随から脱却し、アジアと共生する国の進路が求められている。

米の干渉、ユーゴ前大統領逮捕
 ユーゴスラビアのミロシェビッチ前大統領が一日、司法当局によって逮捕された。今回の逮捕の理由として「職権濫用と不正蓄財」があげられている。しかし、今回の逮捕に向け米国は、対ユーゴ経済援助の実施条件に三月三十一日までに前大統領を旧ユーゴ国際戦犯法廷への引き渡しを明示するなど露骨な干渉を行った。


 トルコのイスタンブールで三月三十一日、労働者が国際通貨基金(IMF)の対トルコ政策に反対するデモを行った。労働者は「IMFの目的はトルコを援助するのではなく、借金を全額回収することだ」と訴えている。トルコでは今年二月に変動相場制に移行した直後から、通貨リラの下落が止まらず、高インフレ状態が続いている。
 フランスのパリでは四月六日、英国資本の小売店マークス・アンド・スペンサーが打ち出した英国以外の全店舗の閉鎖に抗議する集会が行われた。フランスでは仏資本の食品大手のダノン社の工場閉鎖も計画されており閉鎖対象の工場では労働者が無期限ストに入っている。
 米軍基地のあるイタリア北部のアビノアで一日、平和団体などの数千人が基地に反対し平和行進を行った。同基地はユーゴ空爆で連日使用されたことで知られている。
 韓国の民主労総など労働団体は三月三十一日、ソウルで金大中大統領の退陣を求め、集会とデモを行った。集会では、政府の構造改革路線は労働者の生存権を奪うものなどと批判した。