20010325

世界のできごと・人民のたたかい

2000.3.10〜2001.3.19


米国バブル、ついに崩壊
 ハイテク株の比重が高い米店頭株式市場のナスダック総合指数が二年三カ月ぶりに十四日、二〇〇〇の大台を割り込み、ダウ工業株も昨年十月以来の一万ドル割れとなった。これを受けて欧州市場でも、ドイツの株価指数は五日続落、英国、フランスでも大幅に株価指数が下落した。アジア市場でも韓国の総合株価指数が前日比で二〇ポイント近く下げるなどの影響が出た。また昨年末からの三カ月半で米企業の時価総額が上位二十社で五千億ドル強(約六十兆円)消滅している。連邦準備理事会(FRB)は二十日、今年三度目の利下げとなる〇・五%の追加利下げを行い低迷する株価の下支えにしたい考えだが、企業の相つぐリストラ案の発表や個人消費の低迷、石油輸出国機構(OPEC)が石油減産の方針を明らかにするなど、先行きは暗い。米バブルの崩壊は、世界経済に深刻な影響を及ぼしつつある。

イラン・ロシア両首脳、米国をけん制
 ロシアを訪問したイランのハタミ大統領は十二日、プーチン大統領と会談、両国関係の基本条約に調印、カスピ海油田開発や原子力支援などで意見交換を行った。またこれまで米国が反対しているイランへの武器輸出再開について「イランは国際的な慣行の枠組みを超えた武器輸入は求めていない」(プーチン)として通常兵器に限り契約を結ぶ方針を確認した。米国から「テロ支援国」と非難されているイランと米国の一極支配に反対するロシアの意向が一致した形となった。

家畜伝染病、全欧州に
 英国で家畜の伝染病である口蹄疫(こうていえき)が確認されて二十日で一カ月が経過した。これまで全英各地で約三百例が報告され、十三日にはフランスでも確認され、欧州全体への拡大懸念が現実のものとなった。EU(欧州連合)産の食肉を禁輸した国は約九十カ国にのぼり、英国だけで最大百万頭の家畜の処分が検討され、被害総額は九十億ポンド(約一兆六千二百億円)に達すと試算されている。欧州の畜産農民の損害は甚大で、政府に対して経済支援などを求めている。劇的に流行した要因に、EUの市場統合など安全を度外視してグローバル化した食肉流通システムの問題点が指摘されている。

マケドニア、軍事紛争激化
 マケドニア政府は十八日、アルバニア系武装勢力「民族解放軍」(NLA)との戦闘が続くテトボに夜間外出禁止令を出した。その後、NLAに対して投降か撤退しない場合、総攻撃をかけるとの最後通告を行ったが、NLA側はこの最後通告を拒否、事態はエスカレートしている。EU各国も調停にのり出しているが、九五年のユーゴ空爆など欧米各国の干渉が、ユーゴ情勢を混迷させた大きな要因である。


  メキシコで先住民の権利拡大などを訴えて国内各地を行進していたサパティスタ国民解放軍(EZLN)は十一日、十五日間の行進を終えて、最終目的地のメキシコ市に到着し、数万人規模の集会を開いた。マルコス司令官は「金銭で着飾る恥辱をこの国から排除しよう」と富裕層を厳しく批判し、先住民の伝統的価値を認めるよう訴えた。
 北朝鮮の朝鮮職業総同盟と韓国の韓国労総、民主労総は十一日、わが国の「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史教科書問題で「不法な韓日併合を正当な併合、侵略的な太平洋戦争を『植民地解放戦争』にねじ曲げて描写した」と批判する声明を発表した。