20010305

世界のできごと・人民のたたかい

2000.2.19〜2001.2.27


米貿易赤字、過去最悪
 米商務省が二月二十一日発表した二〇〇〇年貿易統計で、貿易赤字が前年比三九・五%増の三千六百九十六億八千九百万ドルと昨年(約二千六百四十九億ドル)を大幅に上回り、三年連続で過去最悪を更新した。国別では、対中赤字が同二二・〇%増の八百三十八億一千万ドルを記録、年間ベースでは初めてわが国を抜いて最大の貿易赤字国となった。対日赤字は同一〇・八%増の八百十三億二千二百万ドルに拡大、二年連続で史上最高を更新した。石油価格の上昇により輸入の伸びが輸出を上回った。米ブッシュ政権がこれまで以上にわが国と中国に対する市場開放要求などを声高に突きつけてくることが予想される。

「大欧州」目指し、ニース条約調印
 欧州連合(EU)十五カ国は二十六日、EUの東方拡大に備えたニース条約に調印した。加盟国が急増しても意思決定が滞らないよう、EUの運営ルールを改めた同条約の発効により、二〇〇二年末までに各国が批准を終え、二〇〇四年初頭から中東欧各国の加盟が始める。「ローマ帝国以来の大欧州」(プロディ欧州委員長)を目指したこの動きは、米国の一極支配にも影響を与えそうだ。

露大統領訪韓、共同声明で米にクギ
 訪韓中のロシアのプーチン大統領は二十七日、金大中大統領と会談し、朝鮮半島の緊張緩和に向けた共同声明を発表した。声明では南北当事者による緊張緩和が必要だとし、いわゆる北朝鮮の「ミサイル開発」について「関係各国の対話の継続」による解決が望ましいと、米ブッシュ政権の強硬姿勢にクギを指した。予想される北ソウルでの南北首脳会談を控え、両国の間で、対北朝鮮政策での協調を打ち出した。

米のイラク封じ込め策は破たん
 米国務省は二十七日、イラクに対する経済制裁について医療、日用品など民生品の貿易制限を緩める方針を明らかにした。「大量兵器や軍需物資などへの監視は強化する」というものの、先の米英によるイラク空爆に対してはアラブ諸国はもとより欧米各国からも批判が出ており、米ブッシュ政権のイラク封じ込め政策は早くも破たんした形になった。


 英国の自動車会社ボクスホールの労働者九千人は二十三日、親会社ゼネラルモーターズのリストラ計画の撤回を求めて二つの工場でストライキに突入した。会社側は別工場で従業員と生産を増やしており、労組はリストラの根拠はなくなったと主張している。
 韓国では、わが国の「新しい教科書をつくる会」が歴史をわい曲しようと策動していることに抗議が相ついでいる。二十三日には、元従軍慰安婦らが日本大使館前で抗議し、二十八日にはソウルで五千人が集会を開き、「軍国主義の侵略を正当化するもの」と非難した。
 メキシコチアパス州で二十五日、反政府闘争を続けているサパティスタ民族解放軍(EZLN)が同州中心都市サンクリストバル・デラスカサスから首都メキシコ市へ国会に先住民の権利尊重を明記する憲法改正案を可決するよう要求する十五日間の「和平行進」に出発した。
 昨年秋以来の狂牛病危機で大きな打撃を受けているフランスベルギーを中心とする農民約五百人が二十六日、ベルギーのブリュッセルで開かれたEU農相理事会に向けて、農業予算の拡充による損失補償増大を要求し、両国国境やブリュッセル市内、周辺の道路をトラクターで封鎖した。