20010215

日本のできごと

2000.1.26〜2001.2.9


通常国会が開会、窮地に立つ森内閣
 第百五十一通常国会が、一月三十一日に開会した。森首相は、施政方針演説で今国会を「日本新生のための改革国会」と位置づけると述べ、有事法制の検討開始、教育基本法の見直しなどを表明した。また、今国会で審議される二〇〇一年度予算案は、一般会計総額が八十二兆円で、今年度当初予算に比べ二・七%減少し、六年ぶりの減額予算となっている。先が見えない不況の中、KSD事件、機密費疑惑などが焦点となり、森内閣の不支持率は七〇%を超えた。自公保連立政権は、いよいよ窮地に追い込まれている。

公定歩合0.15%引き下げへ
 日本銀行は二月九日、約五年五カ月ぶりに公定歩合を〇・一五%引き下げ、年〇・三五%にすることを決めた。また、短期市場金利が急上昇するような場合に、金融機関の申し出に応じて公定歩合で資金を貸す「ロンバート型貸し出し」を新たに導入することも決めた。六十四兆円にのぼる不良債権をかかえる銀行は、最近の株安で含み益が枯渇している。金融システム不安の再燃を防ぐための、銀行救済の側面が強い。

米原潜が衝突、高校生ら9人行方不明
 米国のハワイ・オアフ島沖で九日、米海軍の原子力潜水艦グリーンビルが急浮上し、愛媛県宇和島水産高校のマグロはえ縄実習船「えひめ丸」に衝突した。えひめ丸は数分後に沈没し、乗船していた高校生ら九人が行方不明となっている。衝突後、原潜は救援活動もせず傍観していたという。米側の過失は明らかであり、米軍の横暴に対する怒りの声が巻き起こっている。また、この知らせを受けた森首相は、その後二時間もゴルフを続けたという。米国には弱腰で、国民の生命保護を軽視する首相の姿勢に、国民の怒りが高まっている。

在沖縄米軍トップがまたも暴言
 在沖縄米軍トップのヘイルストン沖縄地域調整官が、稲嶺・沖縄県知事らを批判したメールを海兵隊指揮官らに送っていたことが六日、明らかになった。メールでは、海兵隊員による強制わいせつ事件に沖縄県議会が海兵隊削減などを求める抗議決議を採択したことに対して、「われわれに損害を与える決議が通過するのを何もせずに見ていた。彼らは頭の悪い弱虫だ」と、稲嶺知事らを口汚くののしった。沖縄県民の感情を逆なでする、植民地意識まるだしの米軍のごう慢な態度に、県民の怒りはいっそう高まっている。連合沖縄が、海兵隊削減を求める百万人署名運動を決定するなど、県民の反撃が始まっている。

自衛隊と警察の治安出動訓練実施へ
 防衛庁と国家公安委員会は二〇〇一年度に、自衛隊と警察官の共同訓練を実施する方針を決めたことが三日、明らかになった。テロ・ゲリラなどが起きた際に、自衛隊が警察と連携して治安出動し、「鎮圧」することを想定した新協定を締結したことを受けたものである。武器を使用した本格的な共同訓練は初めてのこと。国内の有事体制づくりを先取りする、危険な動きだ。

2000年失業率、最悪の状態が続く
 総務省が一月三十日に発表した二〇〇〇年の年平均完全失業率は四・七%となり、九九年と並んで最悪となった。失業者数は、過去最悪の三百二十万人にも達した。また、有効求人倍率は〇・五九倍と、依然として低い。年平均の就業者数は、前年より十六万人減って六千四百四十六万人と、三年連続で減少。しかも、失業期間は長期化しており、失業期間一年以上の失業者が、全体の四分の一にのぼっている。雇用情勢は、きわめて厳しい状況が続いている。

2000年、消費支出が8年連続減
 総務省が二月八日に発表した二〇〇〇年の家計調査報告によると、全世帯の一カ月平均の消費支出は三十一万七千百三十三円となり、名目で前年比一・八%減少した。前年比マイナスは八年連続で、調査をはじめた六三年以降、最長を記録した。とくに、生活必需品の切り詰めが目立ち、「食料」が実質一・七%、「被服および履き物」は六・八%の減少となった。国民いじめの政治が続く中で、個人消費はますます冷え込んでいる。GDPの六割を占める個人消費の回復こそが、景気回復の要だ。