20010131

日本のできごと

2000.1.10〜2001.1.25


KSDで議員逮捕、額賀担当相辞任
 東京地検特捜部は一月十六日、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)に有利になるよう国会質問をし、KSDから見返りに二千万円を受け取っていた自民党の小山参議院議員を逮捕した。またKSD問題では、村上自民党参議院会長、額賀経済財政担当相などにも不法な資金が流れており、村上は会長を辞任し、額賀も森政権三人目の閣僚辞任に追い込まれた。一方、野党の民主党の菅幹事長らにもパーティー券代金が流れ、与野党を問わず中小企業団体にむらがる金権体質が再び鮮明になった。

外務省機密費事件で、森政権に打撃
 外務省は内閣官房報償費(官房機密費)を私的に流用したとして二十五日、元要人外国訪問支援室長を懲戒免職にし、告発した。今回の事件で明らかになった官房機密費は二〇〇〇年度で総額七十一億九千万円あり、しかも領収書も帳簿もないという。元官房長官は、与野党の国会対策委員長に千五百万円を渡したと明かしたように、政府の裏金として各党や議員への「国会対策費」として流用された可能性が高い。KSDに続き、政治と金のスキャンダルが相つぎ、森政権にとっては大きな打撃となった。

日仏、アジア通貨バスケットを提起
 神戸市で開かれていたアジア欧州会議(ASEM)の財務相会議は十四日、アジアの通貨安定策としてユーロや円などの変動要素も加味した管理変動相場を検討する、とした議長声明を採択しした。会議でアジア通貨危機を再現させないために日本とフランスが、ドルだけでなく円やユーロを含めた通貨バスケットという仮想通貨を設定し、それぞれ自国通貨を連動させる制度を提案した。これは過度のドル依存を改め、アジアが経済危機に陥らないよう独自の方向を模索するもの。

民主党大会、不協和音そのまま
 民主党は定期大会を二十日、東京で開催した。参議院選挙に向けた事実上の決起集会であり、大会では二千万票、二十五人以上の当選を目標にした。だが、改憲問題など党内の意見対立はそのままであり、質疑を求めた生方衆議院議員などの代議員に対しても発言を認めず、会場から「だから国民の支持が得られないんだ」とのヤジが飛ぶなどした。民主党は鳩山代表の改憲、集団的自衛権行使などの発言でも分かる通り、実態は財界のための党であることは明らかだ。

沖縄・県町議会などが米軍へ抗議
 沖縄の金武町議会は十二日、臨時議会を開き、米海兵隊員による女子高生への強制わいせつ事件について、「米軍と日米政府に対する抗議文」と強力な綱紀粛正と再発防止を求める意見書を採択した。県議会も抗議決議を採択し、米海兵隊の削減を求めた。また、平和運動センターや労働組合も相ついで抗議した。しかし、沖縄駐留米軍のゲーリー・アンダーソン元司令官は「事件はすべて米軍駐留に反対する日本の政治家らによって宣伝されている」などと暴言をはいており、断じて許されない。

ミツミ電機で24時間スト
 JAM・ミツミユニオンは十五日、山形県鶴岡工場閉鎖に抗議して全国九工場、二千八百五十人がストライキに突入した。電機部品メーカーのミツミ電機は連結決算で過去最高の黒字にもかかわらず、鶴岡工場を閉鎖するとし、労働組合は絶対に首切りは許せないとストに突入した。

九州のノリ養殖漁民、海上デモ
 佐賀、福岡、長崎、熊本の有明海沿岸のノリ養殖漁民約千二百人は十三日、ノリ不作は諌早湾干拓事業の影響として大規模な海上デモを行った。同地域は国産ノリの約四割を生産しているが、今年の出荷量が昨年同時期の約半分になるなど過去最悪の凶作になるとみられる。すでに漁民らは諌早湾干拓事業局への抗議を行い、さらに行動を強めている。