20010115

世界のできごと・人民のたたかい

2000.12.10〜2001.1.9


泥沼の米大統領選、ブッシュが当選
 米大統領選挙は二〇〇〇年十二月十二日、連邦最高裁がフロリダ州での手集計を認めなかったことにより、ブッシュの当選が決まった。大統領選挙は、一カ月以上も結果が出ない異例の事態となり、米国流「民主主義」は、世界の物笑いの種になった。

米国、連続的に金利引き下げ
 米連邦準備理事会(FRB)は二〇〇一年一月三日、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の目標を〇・五%引き下げて年六・〇%に、さらに公定歩合を〇・二五%引き下げることを決めた。翌日にも、公定歩合を〇・二五%引き下げ、年五・五%とした。二日連続の利下げは極めて異例で、米国の利下げは、約二年二カ月ぶり。米国経済は、昨年秋以来、企業業績の下方修正、設備投資の伸び悩み、消費の冷え込みなどの減速傾向ははっきりしていた。FRBは、緊急利下げで過度の景気減速を阻止しようとする姿勢を示した。米国景気の減速で、世界経済もいよいよ曲がり角に。

中越が首脳会談、関係拡大へ
 訪中したベトナムのチャン・ドン・ルオン大統領と中国の江沢民国家主席は十二月二十五日、会談を行い、トンキン湾の領海画定協定などに調印し、「新世紀の全面的協力についての共同声明」を発表した。両国は九九年、陸上国境画定条約に調印しており、今回の協定をへて歴史的な国境問題を基本的に解決した。中越貿易はこのところ急拡大し、二〇〇〇年は九八年の貿易額の二倍以上になった。東南アジア市場進出の足がかりとしたい中国と、中国との経済関係強化をめざすベトナムとの経済関係は進んでいる。

ロシア・キューバ首脳会談で、米国をけん制
 十一年ぶりにロシア首脳としてキューバを訪問中のプーチン・ロシア大統領とカストロ・キューバ国家評議会議長は十二月十四日、会談を行った。両首脳は、両国の関係修復を打ち出し、共同宣言で、米国の対キューバ経済制裁を非難し、経済のグローバル化が途上国にもたらす悪影響にも警告を発した。ロシアは、米国ののど元にあるキューバとの共同宣言によって、米国の一極支配をけん制する姿勢を強く示した。

バルカン症候群の衝撃広がる
 バルカン半島に駐留したことのある兵士が相次いで白血病死し、大問題となっている「バルカン症候群」問題で、欧州連合(EU)は一月九日、原因と疑われている劣化ウラン弾についての調査を決めた。欧州では、イタリアはじめ六カ国で十六人が、相次いで白血病で死亡している。北大西洋条約機構(NATO)では、劣化ウラン弾使用の一時凍結を求めるイタリアと、拒否する米英が激しく対立。米国は、九四年からユーゴで劣化ウラン弾を三万一千発使用している。


 韓国最大で政府系の韓国通信は十二月十八日から、分割・民営化、人員削減反対で約四千人がストに突入した。また、大手銀行の国民、住宅両銀行の労組は十二月二十二日から、合併と人員削減に反対してストに入った。家族も含めて約一万六千人が銀行の関連施設にろう城したが、二十八日、機動隊に解散させられた。
 賃上げとパートの年金保障を求めて十二月五日から十八日まで、約六十万人がストを決行していたインドの郵便労働者は、一定の賃上げなどを獲得した。
 狂牛病不安による牛肉離れに対し、政府の補償を要求していたフランスの畜産業者らが一月八日、パリ周辺の道路を封鎖した。業者ら約千人と五百―六百台のトラックが終結し、パリに向かう高速道路の多くを封鎖した。