2001115

日本のできごと
10/30〜11/9


日朝国交交渉、「過去の清算」を協議
 日本と朝鮮民主主義人民共和国の第十一回国交正常化交渉が十月三十〜三十一日、北京で開かれた。交渉は四月に七年半ぶりに再開して以来三回目。今回は、植民地支配への謝罪や補償など「過去の清算」をめぐって本格的な実務協議が行われたもよう。日本は「植民地支配が違法行為であったと認めることになる補償には応じられない」との立場にこだわり、六五年の「日韓方式」を踏襲することをもくろんでいる。森政権は、朝鮮半島の大きな変化に立ち遅れることなく、誠実な謝罪と補償にもとづき、ただちに国交樹立をすべきである。

連立への不満噴き出す公明党大会
 公明党は十一月四日、連立後初の党大会を開いた。大会では自公保連立維持を確認したものの、地方代議員からは「自民党の弁護役に終始している」「自公保政権の支持率はきわめて悪く、参院選の過半数維持はむずかしいのではないか」との批判が相ついだ。また、執行部の答弁に会場からヤジと怒声がとびかい、連立への不満が強いことを示した大会となった。

ハタミ・イラン大統領来日
 イランのハタミ大統領が十月三十一日に来日した。イラン首脳の来日は四十二年ぶり。首脳会談で森首相はイランとの関係強化を資源外交の重要な課題と位置づける方針を伝えた。また、イラン南西部の最大といわれるアザガデン油田の開発・操業をめぐる優先交渉権を日本企業グループに与えることで実質合意し、新規円借款も再開する方向となった。日本は米国に対する配慮からイランと距離をおいてきたが、EUとイランの関係改善などを背景に、エネルギー確保の観点から関係強化を図ったもの。

教科書「申請本」、歴史事実をわい曲
 新学習指導要領の実施にともない二〇〇二年度から使用される中学の歴史教科書の検定「申請本」の内容が十一月六日、明らかになった。これまでの七社に加えて「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社)が提出。八社のうち六社が「侵略」の記述を「南進」「進出」に書き換えるなど、歴史事実をわい曲し旧日本軍の侵略行為を削除した内容となっている。「三光作戦」の記述は五社から一社に、従軍慰安婦や沖縄戦の記述も大幅に削られている。来日した韓国・李外交通商相は六日、日本の歴史教科書問題について「一部に日韓の歴史をわい曲した記述があると伝わっており憂慮している」と指摘した。国民のねばり強い運動でかちとった正確な教科書記述を後退させてはならない。

日産自動車、2500億円の黒字へ
 日産自動車は十月三十日、二〇〇一年三月期の最終損益が二千五百億円の黒字(前期は六千六百四十四億円の赤字)になる見通しを発表した。営業利益は前年同期の二・三倍の千三百六十六億円。ゴーン最高経営責任者は武蔵村山工場など三工場の閉鎖、部品供給メーカーの二割削減、下請けのコストダウンを実行。大幅な黒字は労働者や下請け企業に犠牲を押し付けたことによって生み出されたものだ。三菱自動車を傘下におさめたダイムラークライスラーも、同じようなリストラを進める構えで、日本の自動車産業は外資に食い物にされようとしている。

KSD前理事長逮捕、政界にもカネ
 労働省所管の財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」の前理事長・古関忠男が十一月八日、業務上横領容疑で逮捕された。KSDが全国の中小企業から集める保険掛け金は年間二百四十億円にのぼる。前理事長は政界に太いパイプをもち、傘下の任意団体を利用して巨額資金を自民党や有力政治家に提供していたといわれている。政局を揺るがす火種にもなりかねない事件だ。


Copyright(C) The Workers' Press 1996-2000