2001105

世界のできごと・人民のたたかい
10/20〜10/29


金総書記と米国務長官とが会談
 朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記と訪朝したオルブライト米国務長官との会談が十月二十三〜二十四日、行われた。米国高官の北朝鮮訪問は初めてで、先の米朝共同コミュニケに続く画期的なもの。両首脳は、核・ミサイル問題などで会談を行ったが、ミサイル問題は十一月初旬に行われる米朝協議の場に持ち越しとなった。オルブライトは、クリントン米大統領の訪朝について「結果を報告した上で判断を仰ぐ」と述べ、明言を避けた。米朝関係には大きな変化があったが、南北朝鮮の対話が進む中、米国は朝鮮問題での主導権の確保を狙っている。

ASEM、南北朝鮮の対話を歓迎
 第三回アジア欧州会議(ASEM)が二十日、韓国のソウルで開幕した。参加国は、南北朝鮮の対話を歓迎、北朝鮮との関係改善をめざすことをうたった「ソウル宣言」を採択した。さっそく、英・独・スペインなどが北朝鮮との国交を樹立する方針であると表明した。また、各国は情報技術(IT)やバイオテクノロジーなどの先端技術分野での協力でも合意した。アジア諸国が経済危機からの回復をみせ始める中、欧州連合(EU)はアジアへの投資拡大などに意欲的とされる。

アラブ首脳会議、イスラエルを非難
 エジプトのカイロで四年半ぶりに開かれていた緊急アラブ首脳会議は二十二日、共同声明を発表して閉幕した。声明では、パレスチナ自治区での争乱の責任がイスラエルにあると強く非難。制裁措置などは見送られたものの、同国との新たな関係の樹立停止、衝突の責任者処罰のための国際法廷設置要求などが盛り込まれた。従来から親米路線をとってきたサウジアラビアがイスラエルとの外交・経済断絶や制裁を主張するなど、各国で広がる人民の怒りを背景に、アラブ諸国もイスラエル・米国を一斉に非難した。

キューバ、ベネズエラが関係強化
 キューバのカストロ議長は二十七日、訪問中のベネズエラで演説し、米国による経済制裁全面解除のため、両国が共闘することを訴えた。またカストロ議長とチャベス・ベネズエラ大統領は、石油取引などで協力を進めることで合意している。米国では二十八日、キューバに対する農産品と医薬品の禁輸を解除する法案が成立・発効したが、キューバは制裁の全面解除を求めている。


 韓国の大韓航空操縦士労組は二十二日、労働時間短縮と手当の大幅引き上げを要求しストライキに突入した。韓国での操縦士のストは史上初。これにより、運行予定の九〇%以上の便が運休となった。翌二十三日、労働者は手当の八七・五%増をかち取り、決着した。また、ソウルで二十日、民主労総組合員など三万人が開催中のASEM会議に向けて集会を開き、米国の「一国覇権」や戦域ミサイル防衛(TMD)構想、経済のグローバリズムなどに反対する宣言を採択した。
 フィリピンのマニラで二十五日、収賄疑惑が浮上しているエストラダ大統領の辞任を求め、一万人が集会を開いた。アロヨ副大統領も別に辞任要求集会を開くなど、エストラダ政権への反発は支配層内部にも広がっている。
 ドイツのデュッセルドルフで二十八日、極右の暴力行為に反対する二万五千人のデモと集会が行われ、極右政党への国庫助成金支出に反対する宣言などが採択された。また、同様にカッセルでも八千人の集会が開かれた。


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