2001015

世界のできごと・人民のたたかい
9/30〜10/9


許されぬ帝国主義のユーゴ干渉
 ユーゴスラビア連邦で十月七日、ミロシェビッチ大統領が退陣を発表、コシュトニツァ・セルビア民主党党首が新大統領に就任した。度重なる空爆や経済制裁で前政権打倒をめざしてきた米欧などはすぐさま「歓迎」を表明。制裁の一部解除や経済支援を確約するなど、今回の政変は帝国主義の干渉が第一の要因である。米欧はミロシェビッチ前大統領の「人道に対する罪」を口実に「引き渡し」を要求しているが、コシュトニツァ大統領はいまのところ応じる意思はないといわれる。

イスラエル、パレスチナ住民を虐殺
 イスラエルの右派リクード党首が、挑発的にエルサレムのイスラム教聖地に立ち入ったことをきっかけに、九月二十九日から、これに抗議するパレスチナ人民の闘いが続いている。米国などの仲介による再三の「衝突回避」合意にもかかわらず、戦火はレバノン南部にも拡大、戦車やヘリコプターを投入したイスラエル治安部隊の発砲などで、パレスチナ住民二千人以上が死傷した。アラブ諸国にも一挙に反イスラエルの行動が広がり、エジプト、ヨルダン、シリア、サウジアラビア、クウェートなどでデモや座り込みが行われている。この事態は世界的な原油高騰、景気にも深刻な影響を及ぼしつつある。

ロ印首脳会議、関係緊密化で合意
 インド訪問中のプーチン・ロシア大統領とバジパイ首相の会談が三日行われ、「戦略的パートナーシップ宣言」に調印した。両国は、首脳会談を毎年行うことや軍事協力、原子力・宇宙開発の協力などで合意した。ロ印関係は、ロシア経済の混乱などで、昨年の貿易額が九一年の三分の一以下になるなど疎遠になっていたが、関係改善をめざしたものといえる。

ASEANプラス3、IT推進で合意
 東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓三カ国による経済閣僚会議が七日、タイのチェンマイで行われ、共同声明を発表した。声明では、協力の優先分野として情報技術(IT)、中小企業、貿易・投資の三分野を決定、域内協力の効率化を決めた。域内IT化のための「e―ASIA」構想推進でも合意、投資や技術移転の促進策を協議することとなった。

欧州中銀、利上げへ
 欧州中央銀行は五日、政策金利を〇・二五%引き上げ、四・七五%とする決定を行った。ユーロ安や原油高騰によるインフレを防止することが狙いとされる。日米欧が行った協調介入にもかかわらず、ユーロ安は収まっていない。今回の利上げは、前回の利上げからわずか一カ月目のことであり、むしろ欧州の景気減速を早める可能性があり、ヨーロッパ経済の先行きは不透明である。


 イタリアのローマで九月三十日、来年度予算での最低年金や失業手当の増額を求める労働者などのデモが行われた。集会には十万人が参加、「経営者の税金を高く」「失業者に手当を」などと訴えた。また、北部のミラノでは六日、イタリア労働総同盟(CGIL)支部など一万五千人の労働者がデモ行進を行い、労働災害からの労働者保護を求めた。イタリアでは今年に入り、八月までに八百四十九人が労災で死亡しており、昨年比一八%も増加している。
 カリフォルニア州ロサンゼルス郡のサービス部門組合が二日、自治体当局との賃上げ交渉が決裂し、病院の看護婦や図書館員など九万人が無期限ストに突入した。また、ロサンゼルス市のバス・地下鉄労働者も、九月下旬からストライキを継続している。


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