2000925

日本のできごと
9/10〜9/19


日米安保協、有事へ協議機関新設へ
 日米政府は九月十一日、ニューヨークで外交、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2+2)を開いた。そして、日本有事などに対処するため、ガイドラインに基づく実務レベルの新たな協議機関を設置することや戦域ミサイル防衛(TMD)構想の共同研究の継続などで合意した。朝鮮半島で緊張緩和が進む中、日本は米戦略に沿って中国をにらんで軍事協力を進めることを確認したが、これはアジアの安定を脅かし、アジアと敵対するものである。

日共7中総、いっそうの堕落を表明
 共産党は第七回中央委員会総会を十九日から開催し、規約前文から「社会主義革命」「階級闘争」を削除し、党を労働者階級の「前衛政党」から「国民の政党」に変更することなどを打ち出した。さらに有事に自衛隊を活用するのは当然ともしている。二十一回大会で、保守との連合政権づくりを打ち出した共産党は、規約変更などによって、支配層、中間層へのいっそうの迎合を示した。
 
年金・医療でさらなる負担を策動
 首相の諮問機関である「社会保障構造のあり方について考える有識者会議」が十一月末にまとめる最終報告書の原案が十三日、明らかになった。原案では、高齢者を「一律に弱者ととらえ、支援の対象と見る考え方を転換すべき」とし、「応分な負担」を求めるとしている。具体的には、年金の控除の見直しによる課税や医療費の自己負担率を引き上げるというもの。介護保険導入に続き、さらなる犠牲の押しつけを策動するもので許されない。

地方自治体で独自課税ラッシュ
 政府が十三日に開催した全国都道府県知事会議で、外形標準課税の早期導入や国から地方への源泉移譲を求める声が噴出した。理由として、「都道府県の法人事業税が減少した」ためと主張している。だが、自治体財政の赤字は、大規模開発など大企業のために財政をつぎ込んだ結果である。すでに東京都、大阪府などは独自の課税を打ち出しているが、全国でもパチンコ税(横浜市)、レジ袋税(東京都杉並区)など独自課税が続出している。自治体の独自課税は当然の権利とはいえ、大企業のためにつぎ込んだための赤字のツケを中小商工業者や労働者などへ押しつける増税は許されない。

大企業、利益3・6倍に拡大へ
 全国上場企業(金融を除く千六百二十九社)の二〇〇一年三月期連結決算の見通しが十日、明らかになった。それによると、全産業では最終利益が前期比の三・六倍となり、製造業では五・一倍になる見通し。大企業は徹底したリストラによって労働者と中小企業に犠牲を押しつけ、ボロもうけしている。

勤労者所得の二極分化進む
 総務庁がまとめたサラリーマン世帯の家計調査によると、所得水準が二極化していることが十五日までに明らかになった。七月の高所得層(年収おおむね八百万円以上)の世帯主の収入は前年同月比一・三%増加し、四カ月連続で増加した。これに対し、低所得層(年収おおむね六百四十万円以下)の世帯主収入は、前年同月比マイナス一・六%となり、昨年十二月から連続八カ月で前年割れが続いている。労働者の中で賃金格差が拡大していることを示している。

JAが危機突破で全国集会
 JA全中(全国農業共同組合中央会)と全国農政協(全国農業者農政運動組織協議会)は十二日、東京で二千人の代表が参加して農産物価格安定などを求める「農業政策確立・危機突破全国要請集会」を開いた。コメは自由化などで毎年価格が下がりながら、なおかつ減反に協力させられている。また、野菜・果樹、畜産などは、輸入増加によって価格が暴落するなどしており、集会では、政府に補償を含む米価安定、経営安定策を求めた。


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