7/30～8/19

2000825

世界のできごと・人民のたたかい
7/30～8/19

南北朝鮮閣僚級会談、６項目で合意
　韓国のソウルで行われていた南北朝鮮閣僚級会談が七月三十一日に終了した。発表された報道文では①閉鎖状態にある板門店の連絡事務所を八月十五日から再開する、②京義線鉄道の復旧協議を始める、③朝鮮総聯の同胞の韓国訪問に協力するなど六項目の合意が明記された。双方の努力によって、六月の南北首脳会談を踏まえた南北の具体的協議が一歩進んだ。

南北朝鮮離散家族が相互訪問
　六月の南北首脳会談で合意された離散家族の相互訪問が、日本の植民地支配からの解放記念日である十五日に実施された。百人ずつの離散家族は平壌とソウルで肉親との五十年ぶりの再会を果たした。朝鮮戦争などで生き別れになった人びとは、第三世代まで含めると一千万人といわれる。相互訪問は十五年ぶりで、緊張緩和を象徴する相互訪問となった。今後も再会事業を拡大していく方針。金大中・韓国大統領は同日、解放五十五周年の記念式典で、北朝鮮を敵視した国家保安法を改正する方針を明らかにした。

在韓米軍、梅香里射撃場閉鎖へ
　韓国では相つぐ米軍事故で反米運動が高まり、韓国の国会は七月三十一日、在韓米軍地位協定（ＳＯＦＡ）の不平等な内容の全面的な改定を米韓両国政府に求める決議を採択した。こうした中で両国は三日、ＳＯＦＡを改正することで合意。米兵の犯罪者引き渡しは裁判で刑が確定した後だったものが、起訴時点に前倒しされることになった。また、在韓米軍は十八日、梅香里の米軍射撃場を閉鎖し、その移転計画は撤回すると発表した。反米感情のいっそうの高まりを恐れた米国は、大幅な譲歩に追い込まれた。

ベネズエラ大統領、イラク訪問
　石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）諸国を歴訪中のベネズエラのチャベス大統領は十日、イラクを訪問しフセイン大統領と会談した。外国の元首がフセイン大統領と会談したのは九一年の湾岸戦争以来初めて。二十五年ぶりにベネズエラで開かれるＯＰＥＣ首脳会議に向けて、原油価格を維持するためにＯＰＥＣの結束強化などを話し合った。米国はベネズエラ大統領のイラク訪問を批判したが、チャベス大統領は「ＯＰＥＣ内部のことに対する干渉は受け入れられない」と反発した。イラクを国際社会で孤立させようとする米国の包囲策の破たんは明らか。

中国で抗日戦勝利周年の式典
　中国では抗日戦争勝利五十五周年を祝う行事が全国で行われた。十五日には北京で抗日戦争をテーマにした彫刻や塑像三十八体を展示した「彫塑園」が開園し、市民ら約四千人が集まった。主要マスコミも抗日戦争を特集。日本の閣僚や石原東京都知事の靖国参拝の動きなどを掲載し、日本の軍国主義復活に警戒心を示した。

米国、12回目の臨界前核実験
　米国は十九日、ネバダ州の地下実験場で臨界前核実験を実施した。通算で十二回目の実験となる。「核爆発を伴わないから包括的核実験禁止条約（ＣＴＢＴ）には違反しない」と勝手な理屈をつけているが、核兵器開発のための実験であり、他国の核開発はきびしく監視し、自らは臨界前実験を繰り返す米国への批判は高まっている。米国のサンフランシスコでも市民らの抗議行動が行われた。

世界各国で「ノーモア、ヒロシマ」
　広島原爆投下五十五年目の六日、各国で「ノーモア、ヒロシマ・ナガサキ」の集会やデモが行われた。
　イタリアでは五日、アビアノ米空軍基地前で原爆犠牲者を追悼し、同基地での核兵器貯蔵に抗議して徹夜で座り込みを行った。
　英国では核兵器工場前で反核集会が開かれ二百人が参加。
　ドイツのドルトムント市では核兵器廃絶の願いをこめた「ヒロシマ広場」の除幕式が行われた。
　オーストラリアのメルボルンでは「ヒロシマ・デー」の行動が行われた。核兵器積載可能艦船や原子力潜水艦の寄港に反対して、約七百人の若者たちが市内をデモ行進した。
　米国の航空最大手のユナイテッド航空の約一万人のパイロットは、五月から所定時間外の搭乗を拒否している。労組「航空パイロット協会」と親会社の労働協約改定交渉の賃金問題などで決裂したため。三カ月におよぶ闘争で四千八百便を超える定期便が運休となっているが、勝利するまで闘う構えだ。
　ドイツのデュッセルドルフで八月五日、極右のテロ事件に反対するデモが行われ、数千人が参加した。失業率の高い旧東独部では移民を排斥する極右の活動が活発になっている。参加者は移民を狙ったテロ事件の続発に抗議した。
　また、ベルリンの公共交通料金が一日から値上げされることに対して、ドイツ総同盟や失業者団体など二十二団体が七月三十一日、市庁舎前で集会を開いた。約千人の労働者や失業者が抗議の声をあげた。
　チリ最高裁判所は八月八日、軍政下でのピノチェト元大統領の人権弾圧事件をめぐり、同元大統領の不逮捕特権をはく奪する評決結果を公表した。憲法広場前にはピノチェトの弾圧で犠牲となった人びとの家族など千人以上が集まり、勝利を祝った。
　中米のエクアドルで二日、労組や農業団体、先住民団体でつくる「社会運動コーディネーター」が、同国で四月から実施されている通貨の米ドルへの切り替えに反対し、国民投票を実施するよう求める百万人の署名を選挙管理局に提出した。ノボア政権はドル化を強行し、国際通貨基金（ＩＭＦ）融資条件を満たすために国営企業の大規模な民営化を進めており、国民の不満が高まっている。
　トルコの工業都市イズミルの自治体労働者は十五日、賃上げを求めてストに突入した。イスタンブールでも自治体労働者が一日当たりの賃金を千五百三十五万トルコリラ（二千七百円）に引き上げるように求めるなど、都市を中心に闘いが広がっている。

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世界のできごと・人民のたたかい 7/30～8/19

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