2000805

世界のできごと・人民のたたかい
7/20〜7/29


ARFに北朝鮮が初参加
TMDで日米と中ロ朝が対立

 タイで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)は二十七日、議長声明を採択し閉幕した。今回のARFに朝鮮民主主義人民共和国が初めて参加し、声明でも朝鮮半島の永続的な平和、統一に向けた対話、交流の拡大を期待すると前向きの評価を打ち出した。また、米国、日本の外相は北朝鮮を口実に戦域ミサイル防衛(TMD)構想を支持したのに対し、中国の唐外相とロシアのイワノフ外相は、強い反対を表明し、カナダのアクスワージ外相も懸念を表明するなどTMDをめぐって対立が表面化した。

ASEAN、経済以外も協力へ
 タイで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は二十五日、共同声明を採択し閉幕した。声明は紛争や犯罪など域内の緊急問題に対処するため、前、現、次期議長国の外相による紛争調停組織「ASEANトロイカ」の新設を明記した。また、ASEANと日中韓の三カ国は二十六日、初めて「ASEAN+3」外相会議を開催し、同会議を定例化し、東アジア地域における経済協力を拡大することで合意した。ASEANは域内だけでなく、日中韓との提携により結束を強めている。

新鮮味ない沖縄サミット
 日米欧八カ国が沖縄で開いていた主要国首脳会談(沖縄サミット)は二十三日、宣言を採択して終了した。宣言では情報技術(IT)や生命科学などの有効活用のため、各国の競争を促すとし、人間の全遺伝子情報(ヒトゲノム)を医療などに応用する機能分析に協力することが盛られた。だが、日米と欧ロが対立する米国の国家ミサイル防衛(MND)構想や遺伝子組み換え食品問題などの対立点は論議を避け、最貧国の債務削減問題については進展がみられないなど、全体に新鮮味のないサミットとなった。

中東和平決裂で、クリントンに痛手
 米国のキャンプデービットで開かれていた中東和平首脳会談は二十五日、エルサレムの帰属問題などパレスチナとイスラエルの溝が埋まらず終了した。パレスチナ難民の帰還問題では歩み寄りがあったが、焦点のエルサレム問題では両者とも譲らなかった。エルサレムは、イスラム、ユダヤ、キリスト教の聖地であり、この帰属問題抜きに中東和平は解決しないことが鮮明になった。クリントン米大統領は次期大統領選挙をにらんで、十一日から会談を設置し、サミット欠席かともいわれるほど力を入れた。だが、交渉は物別れに終わり、クリントンにとっては大きな痛手となった。


 アルゼンチンで二十六日、数万人の労働者、失業者が雇用のための行進を開始した。これは政府に雇用創出の政策をとるように要求し、十七の都市をめぐって首都ブエノスアイレスをめざすもの。アルゼンチンでは失業率が一五・五%、貧困層が千三百万人におよんでいる。
 ペルーで二十五日、全国で二十万人がフジモリ大統領の就任に反対するデモを繰り広げた。就任式が行われた二十八日には、首都リマで数千人のデモ隊が抗議行動を繰り広げた。
 フランス東部のストラスブールで二十日、ビール工場の労働者約百人が工場閉鎖に抗議し、工場を占拠し、さらに工場前でビールをまき散らした。交渉を続けた労働者は二十六日、工場閉鎖に伴う転勤先の確保と特別手当などをかち取った。


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