2000805

日本のできごと
7/20〜7/29


森首相所信表明、国民生活危機にふれず
 森首相は臨時国会冒頭の七月二十八日、所信表明演説を行った。首相は沖縄サミットの「成果」、景気回復、日朝国交正常化問題などにふれたが、深刻な国民生活危機や沖縄米軍基地問題の打開などについては、きわめて事務的な表明にとどめ、国民無視の姿勢を明らかにした。また、「教育基本法を抜本的に見直す必要がある」と初めて言及。戦前の教育勅語への反省の上に立った戦後教育を「見直す」ことを表明したもの。

森首相、日米首脳会談で米国に追随
 森首相とクリントン大統領による日米首脳会談が二十二日、名護市内で行われた。首相は対北朝鮮政策で米国と「共同歩調」をとることを約束、南北朝鮮の緊張緩和にもかかわらず、わが国は米国に外交をしばられる。また、普天間代替基地の移設問題では、「日米特別行動委員会(SACO)最終報告の具体化に向けた努力を継続する」と、県内移設推進を約束した。さらに、日米規制緩和協議の一年間延長、NTT接続料引き下げなど、米国の要求を受け入れるものとなった。

クリントン、沖縄の基地永久化を言明
 米クリントン大統領は二十一日、沖縄県糸満市の「平和の礎(いしじ)」で演説した。クリントンは「日米同盟を持続するために沖縄は不可欠な役割を担っている」などと、東アジア戦略に基づいて在沖米軍基地を維持することを明言した。相つぐ米軍犯罪に抜本的対策も打ち出さず、口先で沖縄県民を懐柔しようとするポーズは断じて許されない。

日朝、初の外相会談
 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に参加するため、タイのバンコクを訪問中の河野外相と朝鮮民主主義人民共和国の白南淳外相は二十六日、初の会談を行った。両外相は八月二十一日から国交正常化交渉を再開することや、過去の清算と善隣友好関係樹立などで合意、四項目の共同発表文書に署名した。九月に北朝鮮にコメ支援を行うことも検討されている。侵略・植民地化という過去への謝罪と補償なども含め、わが国政府の早急な国交正常化努力が求められる。

欺まん的な民主党の「特約」批判
 民主党の菅政調会長は二十一日、新生銀行(旧長銀)が預金保険機構に第一ホテルなどの債権買い取りを請求する意向であることに対し、瑕疵(かし)担保特約の改定を要求した。同特約は、貸出債権の価値が三年以内に二割以上目減りすれば、預金保険機構に買い戻しを請求できるというもの。しかし、金融機関に国民の血税を投入して救済するシステムは、もともと民主党が政府に「丸のみ」させて成立したものである。仕組み自身には何ら手をつけようとせず小手先の手直しで政府批判の姿勢をとることは、欺まん的である。

民主党全国会議で執行部批判続出
 民主党は二十九日、東京で全国幹事長会議を開き、総選挙総括を行った。鳩山代表は、選挙期間中に自民党・加藤元幹事長との連携を示唆(しさ)したことなどを陳謝した。地方代表からは、課税最低限引き下げや公共事業見直しなどを盛り込んだ選挙公約について「有権者に理解を得にくい」「地方の意見が反映されなかった」などの批判が続出した。民主党は、来年の参院選では都市部で複数議席の獲得をめざすというが、党内では総選挙総括をめぐって鳩山執行部への批判が噴出している。

社民党大会、安保見直しの声強く
 社民党は二十九日、東京で大会を開いた。大会では、総選挙総括や来年の参議院選挙方針などが討議された。討議では、村山政権下で行った「安保堅持」「自衛隊容認」など基本政策の変更に対し、地方代議員から批判が続出した。

嘉手納基地包囲に2万7千人が参加
 「基地はいらない人間の鎖県民大行動実行委員会」が主催した嘉手納基地包囲行動が二十日、二万七千百人の参加で成功した。この闘いの成功は、普天間代替基地の県内移設に反撃する闘いの重要な一歩となった。


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