2000725

世界のできごと・人民のたたかい
7/10〜7/19


ロシア大統領、中国・北朝鮮訪問
 ロシアのプーチン大統領は先進国首脳会議(沖縄サミット)を前にして、七月十八日に中国、十九日に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問した。中国では「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限問題にかんする共同声明」を発表し、米国の国家ミサイル防衛(NMD)計画に両国が断固反対することをうたった。また、同時に発表した「北京宣言」ではロシアが台湾問題での原則的立場を表明し、「外部の勢力が台湾問題の解決に干渉することを許さない」ことを確認。続いて北朝鮮を初訪問した大統領は、金正日労働党総書記と会談し、NMD計画反対で一致した。ロシアは中国・北朝鮮との連携を強めながら、NMD反対の対米包囲網づくりを進めている。

米越が通商協定に調印
 ベトナムと米国は十三日、ワシントンで通商協定に調印した。五年前の国交樹立に続き、経済分野でも関係を正常化。米国は一年ごとの更新を条件に最恵国待遇(MFN)を供与した。米国の関税は大幅に下がり、ベトナムを対米輸出拠点としている外国企業の投資が増えることも予想される。一方、ベトナムでは工業製品や農産物の市場開放を進めることになり、国内市場が国際競争にさらされることとなる。一方、ベトナムでは、枯葉剤などの戦争被害が続いており、米国の責任ある対応を求める声も強い。

北朝鮮とフィリピンが国交樹立
 朝鮮民主主義人民共和国とフィリピンは十二日、国交を樹立した。今年に入って北朝鮮が国交を正常化したのはイタリア、オーストラリアに続いて三カ国目。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟十カ国のうちミャンマーを除く九カ国と国交を樹立した。北朝鮮はニュージーランドとの国交協議も進めている。北朝鮮の積極外交によってアジア諸国との関係は大きく改善されており、今月二十七日からタイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムにも参加する。米国はこれまで「北朝鮮の脅威」を口実に戦域ミサイル防衛(TMD)計画などをすすめてきたが、不利な状況に追い込まれている。

「アフリカ連合」創設で合意
 アフリカのトーゴで開かれていたアフリカ統一機構(OAU)の首脳会議は十二日、「アフリカ連合」構想に向けた文書を承認した。欧州連合(EU)をモデルにし、将来の通貨統合も視野に入れた構想だが、今回の会議では具体的な時期や手順が合意できず、実現には時間がかかる見込みだ。発展途上国は先進国から借りた債務の返済に苦しんでおり、結束することによって先進国に対する発言力も強めようとしている。


 韓国のソウルの米大使館前で十一日、相つぐ米軍基地被害に怒った市民たちが在韓米軍の撤退と梅香里の米軍射爆場の閉鎖を求めて集会を開いた。
 韓国の環境団体・緑色連合は十四日、龍山基地前で緊急抗議集会を行った。これはソウル市内にある在韓米軍基地が発がん性のあるホルムアルデヒドなどの劇物を川に垂れ流していることに抗議し、責任者の処罰と米軍に厳しい環境基準の順守を義務づけるために米軍地位協定の改定を求めたもの。
 米国のワシントン・米連邦議会の前で十八日、平和団体ピース・アクションはNMDに反対する集会を開き、民主党議員なども参加した。集会参加者は同計画を直ちに中止するように求めた。


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