2000725

日本のできごと
7/10〜7/19


政府税調が大増税へ向け答申
 政府税制調査会は七月十四日、二十一世紀初めの税制のあり方について中期答申を森首相に提出した。答申は、少子高齢化や財政赤字などを理由に、所得税・消費税など諸税について、勤労国民に対して大増税する必要を示唆する提言となっており、断じて許されるものではない。(関連記事)

そごう、事実上倒産
千二百億円以上の公的資金投入へ
 そごうとグループ企業二十一社は十二日、東京地裁から民事再生法適用が認められたと発表した。グループの負債総額は約一兆八千七百億円でノンバンクを除くと過去最大。そごうグループは、新生銀行を通して預金保険機構にも債権放棄を要求したため、「税金による私企業救済だ」との国民の強い批判が集中し、債権放棄を柱とする再建を断念した。この裏では、森政権維持へ危機感を抱いた亀井自民党政調会長らがそごうに対し、方針転換へ強い圧力をかけていた。そごうの倒産、新生銀行の債務関係でそれでも千二百億円以上の公的資金投入が必要となった。そもそも新生銀行の支援に公的資金を投入し、一銀行を支援できる仕組みそのものが問題である。

海上自衛隊、多国間訓練に初参加へ
 海上自衛隊は十八日、今秋シンガポール沖で予定されている西太平洋潜水艦救難訓練に参加することを発表した。アジアでの多国間潜水艦救難訓練は初めてで、訓練には米国やシンガポールなどが参加する予定。海自はこれまで、「集団自衛権の行使」の懸念から、日米二国間の演習以外の多国間の訓練には一切参加してこなかった。海自は「潜水艦から乗組員を人道的に救助するためで、集団的自衛権の行使には当たらない」というが、日米安保のグローバル化として、自衛隊の海外派兵にいっそう踏み込むことになる。

米軍思いやり予算削減、わずか33億円
 日米両政府は十七日、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を削減することで大筋一致し、後の日米首脳会談で三十三億円削減で合意した。日米首脳会談で、こうした内容を盛り込んだ特別協定を今年度中に締結することを確認する。削減は、米軍人・軍属個人の光熱水費の一部などを米側の負担にすることによって行うが、二〇〇〇年度の思いやり予算総額は約二千七百五十億円で、今回の削減幅はわずか一・二%にすぎない。そもそもこうした思いやり予算自体廃止すべきであるが、日米間で昨年来、対立してきたこの問題が急きょ妥結した背景には、在沖米兵の相次ぐ犯罪、日本国民の米軍への不信増大などがあるとみられる。

倒産件数、上半期で戦後4位の多数に
 民間機関の調査によると、今年上半期の倒産件数は前年同期比三一・六%増の九千百六十件で、上半期としては戦後四位の高水準となったことが十三日までに明らかになった。負債総額も、大型倒産などで六兆八千五百七十五億円と、上半期としては戦後二番目の高さ。公共事業の息切れや信用保証協会の特別保証制度の効果が終わり、中小企業が特別保証の返済に行き詰まり、中小零細を中心に倒産が増加している。

共産党が6中総で「現実路線」踏襲
 日本共産党は十九日、第六回中央委員会総会を開き総選挙総括を行った。そこでは、消費税問題などの「政策論戦」「反共攻撃との闘い」「党の力量」の三点について、あいまいな中間的総括を提起した。かれらは「反共攻撃」を最大の敗因とし、現実路線の推進や民主党への無批判による有権者の支持減少については、全く無視するか、あいまいにしている。この路線では、かれらには選挙ですらあまり展望がなく、ましてや労働者の望む政治の根本的転換は到底できない。


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