2000715

世界のできごと・人民のたたかい
6/30〜7/9


中ロなど5カ国、米覇権に対抗
 中央アジアのタジキスタンで七月五日、同国や中国、ロシア、カザフスタン、キルギスとオブザーバーとしてウズベキスタンが参加し首脳会議を開催した。発表された「ドゥシャンベ宣言」は、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正は軍拡を助長するとし、米国の国家ミサイル防衛(NMD)構想反対をアピールした。さらに、多極世界の形成のために軍事、経済など多方面で協力をすすめるとしている。また、ロシアのプーチン大統領と中国の江沢民・国家主席は五日、会談しNMD構想阻止で一致した。石油、ガスなど天然資源の豊富な中央アジアは米国が影響力拡大を狙う地域であり、ロシアと中国が連携して対抗したといえる。

米国のNMD実験、またも失敗
 米国防総省は七日、国際的に批判されているNMDの三回目の迎撃実験を行ったが、失敗に終わった。NMD実験はこれまで三回行われたが二回失敗しており、秋までに配備を決定するとしたクリントン大統領の思惑は崩れかけている。一方、イタリアのアマート首相は六日、同国を訪問中の中国の朱鎔基首相と会談し「米国のNMDシステムに対し、(中国と)懸念を共有する」と述べるなど、米国との同盟国からも懸念の声が強まっている。

世銀、チベット口実に融資撤回
 世界銀行の理事会は七日、中国向け貧困対策融資を白紙撤回することを決定した。融資額は一億六千万ドルで、チベット関連は四千万ドル。貧困対策として、人口過密地域の農民約五万人をチベットへ移住させる計画への融資だった。これは米国と在米チベット人が反対していたもの。なお、今回の理事会では日本も反対にまわり、米国の干渉に同調した。

朝鮮、南北離散家族同時訪問へ
 朝鮮民主主義人民共和国で開いていた韓国と北朝鮮の赤十字会談は六月三十日、百人ずつの離散家族が八月十五日に平壌とソウルを訪問することとなった。また、長期非転向囚を九月初旬に送還することで合意した。韓国、北朝鮮は今回の会談の成功に続き、七月には経済協力問題を話し合う閣僚級の会談を予定するなど、統一へ向け緊張緩和と信頼醸成の努力が強まっている。


 米自治領プエルトリコ各地で米独立記念日の七月四日、八千人がビエケス島の米軍基地撤去を求めてデモ行進した。このデモは先週各地で行われた抗議行動の締めくくり。
 キューバのマンサニジョで一日、米国の対キューバ禁輸全面解除や不法出国を促す米国の移民政策に反対する集会が開かれ三十万人が参加した。カストロ国家評議会議長は「われわれの息の根をとめようとする政策は失敗する」「米国は敵対的な政策をやめよ」というメッセージを送った。
 韓国のソウルで三日、金融産業労組は金融持ち株会社導入による合併・統合などで合理化・首切りが行われることに抗議し、十一日に六万人以上がストライキに突入すると宣言した。
 フランス南部のミヨーで六月三十日、非政府組織(NGO)活動家など三万人以上が集まり、反グローバル化や世界貿易機関(WTO)反対などを訴えデモを繰り広げた。これは、マクドナルドの店舗を破壊した仏農業団体幹部らの裁判を支援するためのもので、さらに運動が発展する可能性を見せている。


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