2000705

世界のできごと・人民のたたかい
6/20〜6/29


米国務長官が急きょ中国、韓国訪問
 米国のオルブライト国務長官は、南北朝鮮首脳会談後の状況を探るため、六月二十二日から急きょ中国と韓国を訪問した。中国では江沢民・国家主席が「日米は北朝鮮の脅威を戦域ミサイル防衛(TMD)開発の口実にしてきたが、南北緊張緩和で根拠が弱まる」と述べ、台湾のTMD参加に強く反対した。韓国で同長官は在韓米軍の維持を訴え、「撤退や縮小を議論するのは時期尚早」とクギをさし、米国抜きで朝鮮半島の和平が進むことにあせり韓国をけん制した。しかし、南北赤十字会談が二十七日から始まるなど、緊張緩和に向けた動きは加速している。

朝鮮戦争ぼっ発50年の式典開催
 朝鮮戦争のぼっ発から五十年を迎えた二十五日、韓国では軍事パレードを中止し、記念式典を開いた。金大中大統領は「南北が和解と交流により平和統一に進むことが朝鮮戦争の犠牲者にこたえることだ」と述べた。在韓米軍については「国益のために継続して駐留を継続することを望む」としたものの、「再び同じ民族同士の戦争をしない」と決意を表明した。米国でも同日記念式典が行われたが、クリントン大統領は「朝鮮半島は依然として緊張状態にある。南北首脳会談に幻想をもつべきではない」と、朝鮮半島の緊張をあおる発言を繰り返した。

イラン・中国が人権外交を批判
 イランのハタミ大統領が二十二日、初めて中国を訪問した。江沢民主席との会談では、両国は米国を対象として「人権を利用した内政干渉に反対する」との共同声明を発表した。国家間の問題を経済制裁で解決することへの反対も訴え、米国のイラク制裁については「国際社会がイラク国民に人道主義的行動をとるべきだ」と呼びかけた。

途上国の結束はかるG15
 エジプトで開催されていたアジア、中東、アフリカ、中南米の発展途上国で構成する十五カ国グループの首脳会議が二十日に終了した。沖縄サミットの前に、途上国の国際経済、貿易上の立場を主張、加盟国の結束強化をはかった。エジプトのムバラク大統領は「世界経済の不均衡は拡大している」と指摘し、途上国が世界経済秩序の形成に積極的に加わるべきだと訴えた。


 七月から導入される医療分業に反対して、韓国の医師たちが二十日からストライキに突入した。このため全国の医療機関の九割がストップし、窮地に立った政府は是正措置をとることに追い込まれ、ストは二十六日に終結した。
 ソウルにある韓国最大級のホテル・ロッテで、九日から労組が臨時職員の待遇改善を求めてストを行った。警察の介入で二十九日、ろう城中の千人の組合員が不当にも排除されたが、闘いは三週間にも及んだ。 
 朝鮮戦争開戦五十周年目にあたる二十五日、韓国のソウルで市民たちが米軍基地反対集会を開いた。韓国では米軍による基地被害に批判が高まり、在韓米軍撤退を求める運動が盛り上がりをみせている。
 スイスのジュネーブで国連社会開発特別総会が二十六日から開会されたが、総会に先立つ二十五日、約四千人が「債務の帳消し」などを求めてデモ行進した。世界には一日一ドル以下で生活する最も貧しい人びとが約十二億人いるといわれている。


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