2000705

日本のできごと
6/20〜6/29


総選挙、与党65議席減らす
 三年九カ月ぶりの総選挙が六月二十五日行われ、投票率は史上二位の低さの六二・四%で、四割近くの有権者が棄権し、現在の政治への不信を突きつけた。自公保の連立与党はすべて議席を減らし、合計六十五議席減となったが、絶対安定多数は確保した。野党は共産党以外はすべて議席増となった。「現実路線」を強める共産党は惨敗した。(関連記事)

またも国民負担で「そごう」救済
 そごうグループの救済をめぐり、金融再生委員会と預金保険機構は、新生銀行(旧日本長期信用銀行)が持つそごうグループ向け債権約二千億円を国(預金保険機構)が買い戻し、そごうの債権放棄要請に応じることを決めた。このうち国は、一千億円弱の債権を放棄する。すでに国民負担による引当金約一千億円があるため、これを取り崩して放棄に応じ、当面新たな国民負担は生じないという。しかし今後、そごうが破たんすると預金保険機構に残った債権に損失が発生する。次は、多くが経営危機にあるゼネコン救済かといわれている。国民の税金を使った、国による大企業救済に批判が高まっている。

経団連が増税要望
 経団連は二十四日までに、総選挙で各党が税制案を提起したことに対応し、税制改革の要望をまとめた。経団連は、安定成長を確保するため、国・地方の徹底した歳出削減と税源配分の見直しを柱とする財政構造改革や消費税に課税の軸足を移す直間比率の是正を進める必要性を強調している。「課税最低限の適正化」と称して引き下げを要望。不動産取得税の軽減、相続税の最高税率の引き下げなど、大企業と金持ち優遇で、大衆増税のもくろみは明らかである。

知事会が外形課税を要望
 全国知事会(会長・土屋埼玉県知事)は二十七日、法人事業税への外形標準課税の導入案をまとめた。全国一律の制度として、二〇〇一年度の創設を求めている。導入案は、すべての法人を対象に、利潤、給与など「事業活動価値」に応じて課税する。導入後四年間は経過措置を設け、最初、所得の基準を高くし、その後外形基準のみに切り換えるとしている。また中小企業には軽減措置をとるとしているが、中小には大変な負担になることは必至だ。

中小の倒産広がる
 都道府県などの信用保証協会の特別保証制度を利用した中小企業の倒産が急増している。同制度を利用した企業の倒産は、本年五月に三百五十三件、負債額でも千五百二十五億円といずれも最高になった。保証協会の肩代り弁済(代位弁済)も急増している。四|五月の代位弁済件数は一万三千六百十件で、前年同期比三八・八%の大幅増となった。ブロック別でも、九州がおよそ二倍となり、北海道・東北などで六割、関東でも五割増えている。信用保証制度は九八年十月以来、政府が三十兆円の保証枠を設け、現在二十一兆円が消化されている。

通信ネットが急拡大
 郵政省は二十日、「通信白書」を発表し、携帯電話などの移動型(モバイル)通信の利用者が約五千七百万人(九九年度)になったことを明らかにした。対人口の普及率は四一%で世界十四位。インターネット利用者は約二千七百万人(九九年度末)で、普及率は二〇%を超えた。その時点での普及率は米国の半分程度だが、五年後には利用者は七千六百七十万人、六〇%となり、米国に並ぶとみている。ただ大都市のネット普及が市町村地域よりも進んでいる実態を分析し、情報化が生む経済格差(デジタルデバイド)是正が急務と指摘している。


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