2000625

日本のできごと
6/10〜6/19


第42回衆院選が公示
 第四十二回衆議院議員選挙が六月十三日公示され、選挙戦がスタートした。立候補者は小選挙区と比例区をあわせ千四百四人となった。自公保の「政権の枠組み」が焦点などと宣伝とされているが、民主党が課税最低限引き下げによる大増税を提案するなど、野党の政策も連立与党と大差がない。

皇太后死亡で弔意強制
 皇太后が十六日死亡したこと受け、マスコミの過熱報道ぶりが目立ち、中央競馬などの「自粛」、学校など公的機関での弔旗・弔意の強制が行われた。このような皇室の政治利用は国旗国歌法と同様、支配層によるイデオロギー攻撃の一環である。また、共産党は国会での弔詞文決議に賛成するなど、またもや支配層に恭順の意を示した。

沖縄県、日米地位協定の見直し求める
 沖縄県は十四日、政府に日米地位協定の見直し案を提出した。米軍基地から発生した汚染は、米軍が原状回復責任をもつ、低空飛行を禁じた国内法を米軍機にも適応するなどの内容となっており、沖縄県民の願いが、一定程度反映したものといえる。しかし、稲嶺知事は普天間基地の名護移設を推進しており、基地の存在を前提とした「見直し」案は小手先の改善にすぎず、限界がある。

杉並区長、住民台帳に懸念表明
 東京都杉並区の山田区長は十四日、住民基本台帳システムについて「個人情報保護の上で危ぐがあり、きわめて慎重に対処すべき」と述べ、「ネットワークへの参加を見合わせることも検討中」と表明した。同システムは、全国の自治体をオンラインで結び、全国民に番号をつけて管理するもの。昨年六月に住民基本台帳法改正案が成立して以来、懸念を表明した首長は、山田区長が初めて。同システムは、国家が国民の個人情報を管理するという危険なものであり、見直すべきである。
 
介護保険の問題点鮮明に
 在宅介護サービス会社大手のコムスンが、社員の四割に当たる千六百人を解雇する予定であることが、十五日までに明らかになった。千二百八カ所あるサービス拠点も、四百七十七カ所を統廃合するという。同社は、家事援助など単価の低いサービスの割合が高いことや、顧客が少ない地域があることを理由としている。カネしだいで福祉を行おうという介護保険の問題点があらわとなったものであり、サービスをうち切られる利用者は犠牲にされる。労働者はすでに労働組合を結成し、経営責任の追及を開始している。
 
年金でまたも低所得者への負担増案
 厚生省は十一日までに、国民年金の保険料免除制度を全面的に見直す方針を固めた。国民年金保険料は現在、市町村民税課税最低限(おおむね年収百五十八万円程度)を下回る場合に免除されるが、市町村が独自に特例免除をもうけているのが通例。厚生省案は、二〇〇二年度からこれを全廃するというもので、現在免除を受けている百四十五万人の大半が、免除対象からはずれる見込み。低所得者への事実上の負担増案が、またもや打ち出された。

不安定労働者が4分の1に
 勤労者全体に占めるパート・派遣・契約社員など正社員以外の比率が全体の四分の一を超え、二六%となったことが、十三日までに明らかとなった(総務庁・二〇〇〇年二月地点)。正社員が九八年以降減少に転ずる中で、パートなどは一貫して増え続けている。とくに、卸売・小売業・飲食店では、パート・アルバイトが全体の四二%を占め、サービス業でも二一%となっている。大企業は正社員を解雇・削減する一方、安上がりで使い捨てが容易な不安定雇用者を増やしている。労働者の権利を擁護する闘いが、いっそう重要となっている。


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