2000615

世界のできごと・人民のたたかい
5/30〜6/9


金正日総書記が訪中
 
朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記が五月二十九日から三十一日まで訪中したことが六月一日、明らかとなった。金総書記の訪中は十七年ぶり。江沢民・中国国家主席との首脳会談で、両国は今後の友好協力関係を確認しあった。また、九日にはプーチン・ロシア大統領が初めて訪朝予定であることをを発表。南北首脳会談を前に北朝鮮は外交攻勢をいっそう強めている。北朝鮮が中国、ロシアと結束を強めようとする積極外交の背景には、北朝鮮に関与しながら、包囲網を強化している米日韓をけん制する狙いがある。

米ロ首脳会談、START3進まず
 ロシアを訪問したクリントン米大統領は四日、プーチン大統領と初の公式会談を行った。米国は国家ミサイル防衛(NMD)計画推進のために、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正を求めているが、ロシア側は軍事的脅威が高まるとしてこれを拒否。今回の会談でも合意に至らなかったため、米ロ双方の戦略核弾頭をさらに減らす第三次戦略兵器削減条約(START3)も正式交渉の開始を宣言するに至らなかった。米国のNMD計画には欧州や中国なども不信を募らせている。

中南米諸国、ペルー内政干渉に反対
 カナダで開かれていた米州機構(OAS=米州の三十五カ国で構成)総会は五日、ペルー大統領選挙に関して「ペルーへ視察団を派遣する」という穏健な内容の決議を採択した。米国はペルーへの経済制裁を含む強硬策を働きかけてきたが、中南米諸国が内政干渉の排除で一致。中南米諸国の団結の前に、米国のペルーに対する内政干渉の画策は挫折した。

二〇〇〇年女性会議が開催
 国連特別総会「二〇〇〇年女性会議」が五日から九日までニューヨークの国連本部で開催された。九五年の北京女性会議で採択された行動綱領の実施状況を点検し、今度の課題などを盛り込んだ成果文書を作成した。会議では、女性への暴力問題も大きなテーマとなった。また、イラクやキューバから「経済制裁が女性と子供の人権を脅かしている」と米国の経済制裁への批判が出された。総会にあわせて世界各国から千二百団体を超えるNGOが結集。交流やロビー活動を展開し、女性の地位向上をアピールした。


 韓国の京畿道梅香里にある米空軍射爆場の閉鎖を求める住民ら数千人が六日、射爆場の近くで抗議デモを展開。同射爆場では五月、米軍機が投下した爆弾で住民が負傷する事故が起きている。韓国内では米軍基地に対する反発が強まっている。
 米国に拘束されているキューバ少年エリアン君の早期帰国を求めるデモがキューバのハバナで行われ、五十万人が参加した。女性や子供が大半のデモ隊は、米国を非難して米国利益代表部の前を行進した。
 カナダで開かれた米州機構(OAS)総会の会場付近で四日、「自由」経済に反対する市民団体などのメンバー三千人が、開会阻止のためにデモを行った。
 イタリアの教職員組合(COBAS)は三十日、政府の教育改革(能力テストで賃金に差をつける)の撤回、賃上げ、二十人学級の実現を求めて全国ストを実施した。首都ローマでは約五千人がデモ行進を行った。


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