2000605

日本のできごと
5/20〜5/29


森内閣、はや「末期症状」
 「神の国」発言以来、森内閣への支持率が急降下している。内閣支持率は一九%に過ぎず、四月の四一%から半減。不支持率は逆に、二六%から六二%に倍増している(朝日)。とくに、無党派層では八%に過ぎない。また、これと前後する調査でも、一二・五%(産経)、二〇%(毎日)、二七・九%(読売)と、支持率は軒並み低くなっている。マスコミなどは「神の国」発言の影響としているが、背景には、深刻な経済・雇用情勢と国民に不信感がある。近づく総選挙では、自公保三党での過半数割れもささやかれており、自民党内ですら「森隠し」が進んでいる。森政権は成立二カ月目で早くも「末期症状」を呈している。(関連記事)

台湾「総統」就任式に与野党議員参加
 陳水扁・台湾新「総統」就任式が五月二十日、台北で行われた。これに対し、村上・自民党参院議員会長ら与党議員をはじめ、石原東京都知事、民主党の「日台友好議員懇談会」(足立参院議員ら)などが大挙して参加した。事実上「一つの中国、一つの台湾」を主張する新「総統」の就任式への参加は、結果的に中国の分裂に手を貸す行為である。また、米国の東アジア戦略に加担してアジアの緊張をあおり、わが国の進路を誤らせるものである。とくに、野党づらした民主党の参加は、その反動的な本質を再び自己暴露したものである。

大企業、リストラで利益大幅増
 全国上場企業千二百九十七社(金融業除く)の二〇〇一年三月期の決算見通しが二十六日、明らかになった。それによると、電機・通信など情報技術(IT)関連産業を中心に、最終利益は前期の二・九倍に達した。売上高も増加に転じており、これは消費税引き上げ前の九七年三月期以来のこと。マスコミは「本格的な回復軌道に乗ろうとしている」(日経)などとしているが、「回復」は労働者への首切りや賃下げ、不採算部門の切り捨てなど、大規模なリストラの結果である。「業績回復」は、深刻な雇用状況と表裏一体であり、国民の真の豊かさには結びついていない。

労働承継法案などが成立
 会社分割など、大企業の再編を容易にする商法改正案と、その際の労働者の権利について定めた労働契約承継法案が二十四日、参院で可決・成立した。これにより、企業は不採算部門の切り捨てが容易になるが、労働者との事前協議は株主総会のわずか二週間前までに行えばよく、切り離される部門の労働者の転籍には、本人の同意が必要ない。また、転籍のルールは政令で定められるとしており、企業分割を口実とした労働者への首切り・合理化に歯止めがかかるものではない。連立与党に加え、民主党も同案に賛成、労働者の権利破壊に手を貸した。

大型店出店に44%の市が独自規制へ
 六月から大店立地法が施行されるのに伴い、人口二十万人以上の全国主要市の四四%で、自治体独自の規制案が決定・検討されていることが、二十九日までに明らかになった。同法では、店舗面積一千平方メートル以上の出店について、自治体による環境面などでの規制が可能となっている。東京都渋谷区の条例では、午後十一時以降も営業する三百平方メートル以上一千平方メートル未満の小売店などに、半径百メートル以内の住民への説明会開催を義務づけ、区も住民からの意見聴取し、改善策を勧告できる。大型店の野放し出店を規制し、地域経済・住民生活を守るため、住民、商店街が一体となった独自の条例を定めることが求められている。

米軍の無法ぶりに県民の怒り高まる
 米軍キャンプ・シュワブ所属の海兵隊が二十三日、民間地である東村のサトウキビ畑でライフル射撃訓練を行い、軍用車両によって畑が荒らされるなどの被害が起きた。これに対し、東村議会は二十五日、抗議決議と意見書を全会一致で可決した。また、在沖米空軍は二十四日、嘉手納弾薬庫地区内に放射能の危険がある劣化ウラン弾が保管されていることを明らかにした。この直後、米軍が使用した劣化ウラン弾薬きょうが、鉄くず業者に売却され野ざらしにされていたことが判明した。米軍が県民の命を危険にさらし、わが物顔に振るまっている現実が、またもあらわとなった。


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