2000425

世界のできごと・人民のたたかい
4/10〜4/19


NY株が急落、一時世界に波及
 ニューヨーク株式市場で十四日、ダウ工業株三十種平均が前日比六百十七ドル七十八セント安となり、過去最大の下げ幅を記録した。その影響を受けて十七日、日本をはじめアジア、ヨーロッパの主な株式相場も急落。米国株高に依存する世界資本主義のもろさが浮き彫りになった。直後に開かれた七カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)は、影響を恐れて株式急落を議題に取り上げず、相互の危機押しつけに終始した。特に日本は、ゼロ金利、内需拡大を迫られ孤立した。

南北朝鮮が6月に初の首脳会談
 朝鮮民主主義人民共和国と韓国は四月十日、金正日労働党総書記と金大中大統領が六月に平壌で首脳会談を行うと発表した。四八年の南北分断以来、初の首脳会談となる。北朝鮮はイタリアとの国交樹立、フィリピン、オーストラリア、日本などとの国交交渉、東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)への参加表明など、「多角的外交」を積極的に展開。一方韓国も、北朝鮮を国際社会の枠内に取り込もうとする米国の東アジア戦略にそって、政府レベルの対北朝鮮支援の用意があることを表明するなどの動きをみせていた。朝鮮半島情勢が大きく動きはじめている。

中国主席が中東訪問
 中国の江沢民主席は十二日からイスラエル、パレスチナ、トルコ、ギリシャ、南アフリカを公式訪問している。イスラエルを訪問した江主席は十三日、バラク首相と会談。バラク首相は、米国が売却中止を求めている早期警戒管制レーダー「ファルコン」を予定通り中国に売却する考えを示した。江主席は十五日、アラファト・パレスチナ自治政府議長と会談。アラファト議長の「中東和平に役割を果たしてほしい」との要請に、「できることは何でもやる」と応えた。米国の中東和平策が行き詰まる中で、中国は中東での影響力拡大に意欲をみせている。

ロシアがSTART2を批准
 ロシア下院は十四日、上院は十九日に戦略核弾頭の総数を二〇〇七年までに三千〜三千五百発に制限する第二次戦略兵器削減条約(START2)を批准した。ロシアは批准によって西側との関係改善、投資拡大を狙う。プーチン次期大統領は「米国が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約に抵触するようなら、われわれは両国間のすべての核軍縮条約から脱退する」と米国をけん制した。米ロ外交の焦点はABM問題がからむSTART3交渉に移るが、米ロがぼう大な核兵器を独占する現実はなんら変わらない。


 米国のワシントンで十六、十七日、労働組合、環境・人権団体、学生が主要国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)など一連の国際会議にあわせて、国際通貨基金(IMF)・世界銀行に抗議する大規模な抗議デモを展開した。十六日には世界銀行本部周辺に六千人が結集。「IMF・世界銀行が発展途上国の経済を悪化させ、環境を破壊している」と訴えて「人間の鎖」で建物を包囲した。
 インドネシアの公立学校の教員は、大幅な賃金引き上げを求めて、十日からジャカルタなど十数カ所で行動を起こした。ボゴールでは七千人の教員が街頭デモ。政府が誠実に応じないなら五月二日の「教育の日」に全国統一ストを決行する構えだ。
 ペルーでは、九日に投票された大統領選の不正に抗議する声が高まり、フジモリ大統領への抗議行動が十一日からリマ、クスコ、アレキパなど八都市で展開された。大統領選挙は先住民系の経済学者のトレド氏とフジモリ大統領の決選投票となった。


Copyright(C) The Workers' Press 1996-2000