2000415

世界のできごと・人民のたたかい
3/30〜4/9


北朝鮮、フィリピンと国交樹立へ
 フィリピン外務省は四月六日、朝鮮民主主義人民共和国と六月をメドに国交を樹立する方針を明らかにした。現在、東南アジア諸国連合(ASEAN)で北朝鮮と国交がないのはフィリピンとミャンマーだけであり、フィリピンと国交を樹立すれば、北朝鮮とASEANの関係は強まる。また、北朝鮮の白南淳外相が五日、ドイツを訪問し、フォルマー外務次官と会談した。北朝鮮はドイツと国交がなく、東西ドイツ統一後初めての訪問となる。北朝鮮は現在、オーストラリア、日本とも国交正常化を交渉中であり、朝鮮半島の緊張緩和のためにも、朝鮮の外交攻勢はよりよい条件づくりとなっている。

米、台湾への武器売却継続
 キャンベル米国防副次官補は三月三十一日、「米国は台湾への武器供与を続ける」と述べた。台湾で陳「総統」が当選し、中国は米国による台湾への武器売却問題に警戒を強めていた。そうしたさ中、米国は台湾への武器売却を続けるなど中国統一に干渉する姿勢を強調し、台湾海峡の緊張を高めている。
初のEU・アフリカ首脳会談
 欧州連合(EU)とアフリカ各国首脳が一堂に会した初の首脳会談が三日、エジプトのカイロで開幕した。会議にはEU十五カ国とアフリカ統一機構(OAU)五十二カ国の首脳が参加した。採択された宣言でEUとアフリカ各国との相互協力を重視した「戦略的な関係を築くこと」を強調。アフリカ側が訴えていた農産物、繊維製品などの輸出促進は、EUが輸入を進めることなどを決定した。EUはアジアでのアジア欧州首脳会議(ASEM)に続き、アフリカとの関係を強化し、独自の外交戦略を強めようとしている。

タイガー・マネジメントが破たん
 米大手ヘッジファンドのタイガー・マネジメントは三十日、主力のジャガーなどすべてのファンドを清算したことを明らかにした。これはロシアへの投資や株式の運用にも失敗した結果によるもの。タイガーは最盛時には二百二十億ドルの運用資産をもち、ソロス氏率いるクォンタムファンドと並ぶ最有力ファンドだったが、こうしたファンドはいつかは破たんするバクチであり、こんにちの資本主義の一面を表している。


 英国のバーミンガムで四月一日、労働者約八万人はドイツ自動車会社BMWが傘下の英自動車会社ローバーを売却することに反対し集会を行った。売却されれば、バーミンガム地域で五万人規模の雇用喪失になるため、参加者はブレア首相に対処を求めた。
 韓国の現代、大宇、起亜、双竜の自動車メーカーの労組は六日、一斉にストライキに突入した。これは大宇の海外売却反対と大幅賃上げを要求したもの。大宇の売却で雇用が脅かされることと、業績急回復にもかかわらず十分な賃上げがないことに不満が高まっており、ストの長期化が予想される。
 ドイツの「春闘」は、金属労組(IGメタル)に続き、建設産業労組が三月三十日に二年間で三・六%の賃上げに合意した。これに先だって化学産業でも、二年間で四・二%の賃上げで合意している。
 インドネシアで一日、各地で労働者、学生が共同して石油燃料、公共交通、電話代などの引き上げに反対する行動を行った。ジャカルタでは約千人が、国会構内で集会を行い、暮らしを守る行動を前進させようと訴えた。


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