2000415

日本のできごと
3/30〜4/9


自自公崩壊、急病で森内閣発足
 小渕首相の入院により四月五日、森内閣が発足した。閣僚は全員留任し、小渕政権を継承するものとしている。森首相は七日の所信表明演説で景気回復、情報技術(IT)革命による経済発展、教育改革などをあげた。しかし、政権は暫定色が濃く、すでに「六月総選挙」説が強まっている。これに先立つ一日、自自公の三党党首会談で、小沢自由党党首が三党合意の履行を迫って会談が決裂し、小渕は自由党との連立解消を表明、自自公連立は約半年で崩壊した。だが、自由党の過半数の議員は連立の維持を求め、保守党(扇千景党首)を結成した。保守党は参院で自民と統一会派をつくる予定で、さらに、与党三党は「統一構想づくり」にも着手する予定だ。政局は一気に流動化し、総選挙後の政党再編は避けがたいとみられる。

日朝国交正常化交渉始まる
 日本と朝鮮民主主義人民共和国の国交正常化交渉が五〜七日、平壌で約七年半ぶりに再開された。朝鮮は文書での過去の謝罪明記などを求め、日本側は「拉致(らち)」疑惑や「ミサイル」の開発問題を持ち出した。次回交渉は五月下旬に行われることとなり、議題ごとに分科会を設けることで合意されている。国交正常化の実現に向け、わが国による植民地支配などについての謝罪・補償は当然であり、国交正常化を実現するわが国政府の誠実な対応が求められている。

規制緩和で三百五十一項目の追加決定
 政府は三月三十一日、規制緩和三カ年計画(九八〜二〇〇〇年度)を再改定した。民間企業による保育所開設を認める、弁護士業務への他業者の参入、自動二輪車の高速道路の速度規制緩和などの内容となっている。酒販店の出店規制緩和を条件付きとする、病院経営への企業参入時期を明示しない、農業法人経営への企業出資比率を二五%に制限するなど、総選挙をにらんだまやかしの「業界対策」も行われている。

失業率が最悪の4・9%
 二月の完全失業率が三十一日、総務庁から発表され、前月を〇・二ポイント上回って過去最悪の四・九%となった。完全失業者は十四万人増加し、三百二十七万人となったが、とくに、男性は〇・三ポイント上昇し五・一%にも及んでいる。また、世帯主の失業者が百万人を超えるなど、雇用状況がますます深刻であることが明らかになった。牧野労相は失業率上昇について「企業が国際競争力をつけて利潤を確保するには、やむを得ない」などと語り、大企業のリストラを容認・奨励している。

介護保険制度、混乱の中スタート
 介護保険制度が四月一日スタートしたが、八日までに全国市町村に対して千五百五十七件の苦情が寄せられた。苦情内容は、これまで無料のものが有料になったなどの費用負担関係に関するものが最も多く、サービス不足関係、要介護度認定関係の順となっている。これらは国民の不満の一部にすぎず、介護現場での問題と不満はますます拡大するだろう。

「財政健全化債」、2・6倍に
 自治省は三月三十日、地方自治体が発行する九九年度分の「財政健全化債」について、総額二千七百二十六億円の起債を許可した。「財政健全化債」は、将来の行政改革を通じて合理化できる費用を、債券発行によって先取りするもの。大阪府、京都府など十一府県三市が発行し、起債総額は前年度の二・六倍にも及ぶ。「財政難」を口実に、住民サービス切り下げ、職員合理化などを前提として起債するもので、国による行革攻撃の手段となっている。


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