2000325

世界のできごと・人民のたたかい
3/10〜3/19


台湾「総統」選挙で国民党敗北
 台湾「総統」選挙が三月十八日行われ、野党・民主進歩党の陳水扁が当選し、蒋介石以来約五十年続いた国民党支配が終わった。今後の中国統一へ向けた動きが注目されている。一方、今回の選挙直前に米国は台湾海峡に米空母などを派遣して中国へ圧力をかけた。おれは中国の内政への明らかな介入であり、緊張を高めるものでしかない。

コーエン米国防長官がアジア歴訪
 コーエン米国防長官は十二日から、香港、ベトナム、韓国、日本を訪問した。ベトナムを米国防長官が訪問するのはベトナム戦争以来初めてである。長官は、ファン・バン・カイ首相、カイ国防相などと会談し、ベトナム戦争当時の行方不明米兵の遺骨回収での協力を確認した。今回のアジア歴訪は、台湾「総統」選挙時に合わせたものであり、中国をけん制したものとみられる。なお、長官は香港で「ベトナム戦争について謝罪するつもりはない」と語るなど、帝国主義の本性をさらけだした。
インド、独自の核政策を堅持
 インドのバジパイ首相は十九日、「圧力のもとでは、安全保障に関する何事も決定しない。インドと米国は対等であるべきだ」と述べた。これは、クリントン米大統領が同日、インドを訪問することに対して、包括的核実験禁止条約(CTBT)への署名に対し、圧力に屈しない意思を表明したものである。首脳会談でもインドのCTBT署名の確認はできず、インドの独自外交が示された。

中ロ、エネルギーで連携
 中国とロシアは三月十九日から、シベリアから北京へ石油を供給するためのパイプライン建設の交渉を開始した。ロシアからは燃料エネルギー相などが参加している。ロシアは石油、天然ガスの輸出を通じて、対外的な影響力を拡大する狙い。一方、中国は石油調達を中東、南米での自主開発油田、カザフスタンからのパイプラインと今回のパイプラインなど、多様化した。今回のパイプライン建設は、米国のエネルギー戦略に対抗し、中国とロシアが連携することを鮮明にした。


 フランスの教職員労組は十六日、八十万人が参加したストを行った。また、生徒や親も加わって各地で二十万人のデモも行われた。これは、週三十五時間制導入後も、教員を増員しない政府に抗議したもの。
 フランス大蔵省労組は十日、ソテール蔵相との会談で、労組側の要求である人員削減引き延ばしをかち取った。労組は、改革にともなう人員削減に一月末から抗議ストを拡大してきたことでの勝利。
 ボーイングの航空宇宙部門労働者一万三千人が加盟する労組は十七日、今後三年間の労働協約に暫定合意したと発表した。合意では毎年四・五〜八%の賃上げを獲得、労組は一月九日からストライキを闘い抜き、勝利した。
 ドイツのベルリンで十一日、教師、父母、生徒四万人が教員を削減している州政府に抗議デモを行った。キリスト教民主同盟と社民党による連立政府が、財政緊縮政策によって約千人の教師を削減していた。
 韓国のソウルで在韓米軍犯罪根絶運動本部は十七日、コーエン米国防長官の訪問に合わせ三百人が集会を開いた。これは、朝鮮戦争当時、米軍による民間人虐殺への謝罪と、米軍犯罪者に対し判決確定後でなければ身柄引き渡しを求められない米軍地位協定の改定を求めたもの。


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