2000305

世界のできごと・人民のたたかい
2/20〜2/29


米比、4年ぶりに軍事演習
 米軍とフィリピン国軍による四年ぶりの大規模な合同軍事演習「バリカタン二〇〇〇」が二月二十二日から、フィリピンのルソン島を中心に始まった。米軍は沖縄など在日米軍約千五百人をはじめ約二千五百人を派遣、フィリピンからは約二千四百人が参加した。今回の演習は中国をにらんだものであり、アジア太平洋の緊張を高めるものである。なお、フィリンピンでは連日、各地で学生や市民団体が抗議デモを繰り返している。

中国、台湾白書を発表
 中国政府は二十一日、「一つの中国の原則と台湾問題」と題した白書を発表した。中国は従来、台湾で独立を意図した重大な動きや外国による台湾侵攻の場合には、武力行使も辞さないとしてきた。今回の白書では、統一交渉を無期限に拒む場合にも武力行使もありえるとした。これに対し、台湾当局は「武力どう喝」と批判している。またクリントン米大統領は、中国への恒久的最恵国待遇を供与することをエサに、台湾への武力行使を行わないよう要求した。台湾は中国の一部であり、統一方法は中国自身が決める問題であ。

米輸出優遇税、WTOが違反と認定
 世界貿易機構(WTO)は二十四日、米企業のタックスヘイブン(租税回避地)にある子会社を通じた輸出に対する優遇税制が自由貿易協定に違反するとの最終報告をまとめた。これは欧州連合(EU)と米国で争われていたもので、この制度を米国の主要企業が使っており、輸出控除は二千五百億ドルにものぼる。米国側は「米産業界にとって重要な制度であり、失望した」(サマーズ財務長官)というように、大きな打撃になる。EUは、米国が制度を見直さなかった場合には、米製品に高額関税化などの制裁措置を取るとしている。

北朝鮮海域での操業で、南北合意
 韓国の全国漁民総連合会と朝鮮民主主義人民共和国の民族経済協力連合会は二十六日、北朝鮮の日本海側水域での韓国漁船の操業を認めることで合意したと発表した。漁業分野での南北協力は初めてで、共同発表文は「合意は民族和解と団結を図り、祖国統一に寄与する」としている。南北の新しい協力として注目される。


 プエルトリコの首都サンファンで二十一日、八万人以上がビエケス島からの米軍基地の即時撤退を求めてデモ行進をした。これは米国が撤退の約束をほごにし、一月末に演習を再開したため。
 ベルギーの首都ブリュッセルで二十日、一万三千人がオーストリアの極右政党参加政権に反対しデモ行進した。これはウィーンでの行動に呼応したもので、デモ隊は「民主欧州はファシストに同意しない」と訴えた。
 ユーゴスラビア連邦コソボ自治州のコソブスカミトロビツァで二十五日、セルビア系住民数千人が北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安部隊に抗議して集会、デモを行った。アルバニア系住民によるセルビア人、ロマ人(ジプシー)への暴力とセルビア人への強制捜査などに不満を募らせたもの(写真)。
 パレスチナで二十六日、ジョスパン仏首相の訪問に学生など数百人が抗議行動を行い、投石によって首相は負傷した。首相は訪問中にイスラエルと闘う「ヒズボラ」をテロリストと呼び、仏国内でもイスラエル寄りと批判されていた。


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