2000305

日本のできごと
2/20〜2/29


越智金融相辞任で金融行政の正体暴露
 越智金融再生委員長は二月十九日、信金・信組への金融検査についてふれ、「検査の仕方がきつかったら、最大限考慮する」などと、金融機関の検査に手心を加えるかのような発言を行った。これに対して、野党はじめ与党内部からも非難が集まり、二十五日、越智は同委員長を辞職することを余儀なくされた。小渕政権での閣僚の辞任は三人目で、内閣は打撃を受けた。七十兆円もの血税で大銀行を「救済」する、金融再生行政の実態が暴露されたものといえる。

日債銀、3兆円の血税使い譲渡
 金融再生委員会は二十四日、経営破たんによって一時国有化されている日本債券銀行を、ソフトバンク、オリックス、東京海上火災保険などの企業連合に譲渡する方向で交渉することを発表した。日債銀の債務処理には、国民の税金約三兆二千億円があらたに投入され、「身ぎれいな」状態で譲渡されることとなる。さらに政府は、優先株取得などで二千四百億円の資本投入も実施する。際限のない国民負担の銀行救済策に、国民の怒りはさらに広がるだろう。

日米外相、思いやり予算などで協議
 訪米中の河野外相とオルブライト米国務長官は二十日会談し、国務長官は在日米軍経費の日本側負担(思いやり予算)の水準維持を要請した。米国はわが国に基地を押しつけた上、騒音などなどさまざまな基地被害をもたらしている。それに加えて国民の税金を使う「思いやり予算」など、とんでもないことである。

日朝議連が発足
 百六十九人の国会議員による日朝友好議員連盟が二十三日発足し、会長に村山富市元首相を選出した。また三月二日、野中広務前官房長官を幹事長に選出した。昨年十二月の超党派議員団の参加者十五人が発起人となったもので、日朝両国の国交正常化交渉の前進などを目的とするもの。すみやかな戦争・戦後補償と国交正常化を実現し、両国の友好関係を樹立する国民運動の発展に貢献する役割が求められている。

自民、党利党略の公選法改正案合意
 自民党の選挙制度調査会は二十二日、連立与党で合意されている現行の小選挙区比例代表並立制の「是正策」に加え、独自案を盛り込んだ改正案を了承した。自自公合意の「是正策」は、(1)小選挙区補欠選挙を年二回に集約、(2)供託金を没収された重複立候補者の比例区での復活当選禁止、(3)選挙期間中の書籍などの宣伝禁止。自民案は、これに連座制の緩和、比例代表選出議員の党籍移動禁止の二項目を加えたもので、いずれも多数党に有利な「改正案」である。参議院でも、定数の五%程度の削減がもくろまれており、党利党略の選挙制度改革は許されない。

中電、芦浜原発を断念
 北川・三重県知事は二十二日、南島町、紀勢町の両町に予定されている芦浜原子力発電所の建設計画を白紙撤回することを求めた。これを受けて中部電力は同日、同計画を断念することを表明した。建設予定地では、漁民を中心とした三十七年間にわたる反対運動が闘われてきた。建設計画撤回は、粘り強い運動のもたらした重要な成果である。

日鋼室蘭、ストライキで闘う
 日本製鋼所室蘭労組(西村稔組合長、千八百六十九人)が二十八日、ストライキに突入した。これは、六月中旬までに関連を含めた二百三十人の首切りを行うことに加え、二〇〇〇年度から賃金・一時金を一五%カットするという攻撃に反対して闘われたもの。会社側は「経営不振」を口実に、九八〜九九年にも五百人の大リストラを行っている。同労組のストは十六年ぶりのこと。 


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