2000205

日本のできごと
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国会冒頭から与野党激突で緊迫
 通常国会が一月二十日、召集された。しかし、自自公三党が二十五日、衆院比例定数削減法案を審議する衆院特別委員会開会を強行したため、それ以後野党がいっさいの国会審議をボイコットする事態が続いている。与党は野党欠席のまま、さらに定数削減法案の衆院通過、小渕首相の施政方針演説、各党代表質問を強行している。与党が党利党略による衆院定数削減、また国会冒頭成立を強行しようとしたため、与野党が真っ向から対立することとなり、小渕政権は完全に窮地に追い込まれた。この緊迫した政局が、衆院解散・総選挙にまで至るかどうか注目されている。

小渕首相、施政方針演説で開き直り
 小渕首相は二十八日、今国会における施政方針演説を行った。首相は当面、景気回復が最優先で財政再建はその次という方針を明確にしたが、政府の債務残高は来年度末で国内総生産(GDP)の約一・三倍にも達し、すでに財政破たんは明白である。引き続き財政積極出動か、あるいは財政再建方針へ転換かをめぐって自民党内でも対立が激化しつつあるが、施政方針は、今後国民にぼう大な負担を押しつけるための開き直りであり、断じて許されない。また、外交でも引き続き日米関係を「基軸」とし、沖縄の普天間基地移設について地域振興策などによって受け入れさせようとする、露骨な対米追従の姿勢を示した。

衆参両院に憲法調査会を設置
 各党から委員を出して憲法を議論する「憲法調査会」が二十日、衆参両院に初めて設置された。調査会に議案提出権はないが、おおむね五年をメドに報告書をまとめる。当面、調査会では九条問題や天皇制、二院制などがテーマとなる見通しである。この調査会は「論憲」などと称し、いかなる報告を出したとしても、真の狙いは支配層の求める九条を中心とした憲法改悪をめざす世論づくりのためにほかならない。

介護保険、65歳未満減額なし
 厚生省はこのほど、介護保険制度で保険料を支払う四十〜六十四歳の負担軽減策として打ち出した特別対策費千二百六十億円の使途を決めた。主な使途は、市町村への保険料収納対策費と財政難の一部健康保険組合への財政支援である。両方とも医療保険の赤字の穴埋めに回ることになり、保険料の直接の軽減には使われない。昨年、自自公三党は、六十五歳以上の保険料半年間凍結に対応するものとして、六十五歳未満にも保険料軽減策を打ち出して、選挙目当てと非難された。しかし、実際には減額にすらならず、またもペテンであることが明らかとなった

99年の自己破産最悪に
 最近の最高裁のまとめによると、自己破産申し立て件数は昨年一〜十一月で十一万六百四十五件となり、十二月を待たずに過去最悪だった九八年の年間件数を約七千件上回った。自己破産は、バブル経済崩壊後の九一年に前年比二倍の二万三千件に急増し、九八年から十万件を突破した。自己破産は複数の金融機関から借金を重ねた多重債務者が多いが、最近はリストラや倒産で収入減となり、ローン返済に行き詰まる中高年が目立つという。国民生活が引き続き悪化している状況を反映している。

住民投票で吉野川堰「反対」が9割
 建設省の吉野川可動堰(ぜき)建設計画の是非を問う徳島市の住民投票が二十三日実施され、「建設反対」が十万二千七百五十九票で総投票者数の約九〇%を占めた。九八年に建設省の審議委員会が約一千億円の経費がかかる建設を妥当であるとの結論を出したが、水質や環境悪化をもたらすものとして住民は七年以上にわたって反対運動を続けてきた。投票率は約五五%で、住民はこの結果を受けて建設省に計画撤回を迫っている。


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