自自公連立とどう闘うか

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自自公連立とどう闘うか

自民党のつっかい棒＝公明党の犯罪的役割を暴露して闘おう

　第百四十五通常国会は、自自公体制によって新ガイドライン法案など数々の悪法を成立させた。公明党は七月二十四日の党大会で、自民党との連立を決定し、すでに政権協議をはじめている。自自公連立政権とどう闘うかが問われている。闘う側の一部には、国会の過半数を大きく超える与党体制を前に、無力感がみられる。だが、自自公体制は決して磐石ではない。圧倒されないできちんと敵の側の状況を見抜けば、闘いの展望が見いだせる。

自民・小渕政権は、公明党のつっかい棒でようやく立っている

　自自公連立とどう闘うか。自民党は九三年以降、すでに国民の支持を失い、単独支配ができなくなっている。まずこのことを見抜く必要がある。

　自民党は、九三年の衆議院選挙で絶対得票率（有権者全体に占める得票率）を一〇ポイントも減らし、二四・三四％となり、議席は過半数を割った。そして九六年の衆議院選挙でも絶対得票率は二二・二五％。昨年夏の参議院選挙でも過半数を大きく割り込んだ。

　つまり自民党は国民の支持を失い、単独では政権を維持できなくなっているのである。

　にもかかわらず、自民党主導の政治が復活、現実に悪政が続き、小渕政権が安定しているかのような評価さえでてくるのはなぜか。

　それは、自民党が他の政党と連携することによって、政権基盤を整え、悪政を推進してきたからである。別の面から見れば、単独では政権を維持できなくなった自民党に、他の政党がつっかい棒を貸しているからにほかならない。今国会の経過を見れば分かるように自民党に公明党のつっかい棒がなければ、新ガイドライン関連法案をはじめ百三十八本もの法案があれほど簡単には通らなかったはずである。

　したがって、自自公体制と効果的に闘うとするなら、自民党のつっかい棒となった公明党を徹底して暴露し、信頼を失墜させることが重要になっている。

「合意形成型の政治」とは

　七月二十四日の公明党大会で、連立政権参加を決定するにあたって神崎代表は、次のような理由を述べている。

　第一に、今の日本政治には未曾有（みぞう）の難局を乗り越える政治的リーダーシップが必要だ。そのためには政治の安定が必要。

　第二に、国民はもはや自民党一党支配を望まず、多党制による「連立時代」に向かっている。この時代の政党の使命は、政争ではなく多様化した国民のニーズにこたえていく政策実現だ。

　自民党との連立に踏み込むのを正当化するための説明だが、自民党のつっかい棒としての役割を買って出ようとする正体を自己暴露している。

　「政治のリーダーシップ」は誰のリーダーシップなのか。九四年自社さ政権以降の経験が示しているように、連立政権で強まったのは自民党のリーダーシップである。公明党は自民党のリーダーシップを補完する役割を果たすに過ぎない。

　「政争に終始してはならない」というのは、自民党政治に対する国民の不満と闘争をやめろということだ。

　危機が深まるほど、各社会層の利害は対立する。財界の党・自民党への闘争は高まる。公明党の「合意形成型の政治」は、客観的には国民の闘争を押し止め、挫折に導く反動的役割である。

「政策実現の党」はペテン

　公明党は「政策実現の党」などいって、あたかも政権参加すれば公明党の政策が実現するかのような幻想を煽っている。たとえば、先の国会で七千億円の地域振興券だとか二千億円の少子化対策・駅前保育園などを実現したといっている。だがそれは、新ガイドライン関連法など財界のための重要法案を実現するのに「大きな功績」があったことに対する「小さな見返り」に過ぎない。

　リーダーシップが財界を代弁する自民党にある以上、「政策実現」といっても、ほんのささやかなおこぼれにありつけるに過ぎない。公明党に期待してきた中小商工業者などの要求は実現しないのははっきりしている。

　論より証拠、公明党は自らの基本政策として打ち出そうとしていた「福祉財源充実のための消費税率の引き上げ」「介護保険の完全税方式」を取り下げた。自民党が受け入れやすいように政策を引き下げたのである。公明党が「政策が実現できる」というのはまったくの幻想である。

連合の公明党推薦は敵を利する

　連合の鷲尾会長は四日、公明党の神崎代表と会談し、公明党が自民党との連立政権に入った後も政策協議、選挙協力を行うことで合意した。

　公明党のつっかい棒役によって、自自公連立が成立し、悪政が進められようとしている時、闘いの中心になるべき労働運動の連合が公明党と選挙協力を行うとは敵を利するものである。自民党のつっかい棒役である公明党を徹底的に暴露し、労働運動が公明党の支持基盤である中小商工業者と連携を進めてこそ、効果的に闘いを進めることができるのである。

　共産党は「自自公と国民の矛盾が大きいので、解散・総選挙で国民の信を問え」と要求していう。だが、選挙は民意を正確に正しく反映しない。また、選挙を待てるほど国民に余裕はない。共産党の方針では効果的に闘えない。

　自自公体制は強大に見えるが、闘いようはある。単独では政権を維持できない自民党のつっかい棒の公明党を徹底的に暴露し、信頼を失墜させれば展望が開けてくる。

　労働運動の役割はきわめて重要である。自自公政権の国民への攻撃に対し、ストライキを含む団結した闘いを発展させなければならない。公明党の支持基盤でもある中小商工業者を共同行動に引き入れて、自自公体制を打ち破る国民的な運動を発展させなければならない。

資料　自民党との連立の理由（大会公明党での神崎代表のあいさつから）

●第一の理由は、今の日本の政治には、難問山積のこの未曾有（みぞう）の難局を、国民と共に乗り越えるリーダーシップが今こそ必要だということであります。また、それを遂行（すいこう）するためには政治の安定が何よりも必要であります。

●第二の理由は、国内政治では、長年続いてきた自民党の一党支配体制が終えんし、本格的な「連立の時代」へと向かっていることであります。…この時代に政党が果たさなければならない使命は、多様化した国民のニーズに、的確にこたえていく政策の実現にあります。そのためには政党は政争に終始してはなりません。�