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2022年2月2日

衆議院での「人権状況」決議について

日本労働党中央委員会総政治部責任者・大嶋和広

一、衆議院本会議は二月一日、「深刻な人権状況への懸念」を示し「説明責任」を求め、日本政府に「包括的施策」を求める決議を自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、共産党などの賛成多数で可決した。

一、新疆ウイグル自治区、チベット、南モンゴル(内モンゴル自治区)、香港を名指しし「深刻な人権状況への懸念」などとした決議は、北京冬季五輪を前に、中国への敵視と包囲をあおるものである。「中国」を名指しせず、「非難」の文言も盛り込まれていないといえ、日中両国関係を悪化させるためだけのものである。
 本当に人権状況を改善したいのであれば、ハイレベルの外交で「説明」を求め、問題があれば「解決」を求めればよい。それが社会の常識である。

一、本年は一九七二年の日中国交回復から五十年にあたる。この間両国は、若干の波風はあったが平和で安定した関係を築き、今や経済だけでなく、観光・文化などの人的交流、自治体間交流でも切っても切れない深い関係にある。隣国との平和で友好的な関係なしに、大激動の世界で生きていけるはずもない。
 しかるに、与野党一体となった中国敵視の「大合唱」は、アジアと共生すべきわが国の平和と経済を損なうものである。

一、隣国・中国への外交政策で与党に追随する野党は、どうして政府・与党に政治的対抗軸を立てられるのか。
 与党以上の対中強硬論を唱える共産党は今回も決議原案を「批判」、中国を名指しで「非難」する決議を求めた。この党の態度は、きわめて犯罪的である。

一、わが党は、中国に内政干渉し、日中関係をいちだんと悪化させるだけの本決議の全面的撤回を要求する。参議院での同様の決議採択を許してはならない。
 広範な政治家、労働組合、知識人、企業家、青年など諸階層の人びとと連携し、岸田政権の「中国敵視政策」をやめさせるために闘う。


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