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2019年9月25日号 3面・要請

要請/県民大多数の声に
謙虚に耳を傾け、石木ダム建設を
見なおすべき時である

 2019年9月18日
日本労働党長崎県
委委員長 藤井準二

長崎県知事・中村法道様

 マスコミの世論調査で、幾度も明らかに示されて来たように、長崎県民の大多数は、進行中の川棚町・石木ダム建設事業について多くの疑問をもっており、また現地を中心に粘り強く、県内外でも広く反対の声が上っている。民意は民主主義の根源的基礎であり、どのような県政も、民意を離れては、存立し得ない。
 明日、九月十九日の経過をもって、ダム建設予定地などで生活し、暮らす住民十三世帯などが所有する約十二万平方メートルの土地について、法的所有権が国に移る。さらに、十一月十八日以降には「行政代執行」が法律上は可能となる。石木ダム建設問題は大きな一つの節目を迎えている。
 ダム建設による利水、治水の合理性についても、また県収用委員会の採決についても、「まず建設ありき」であるとの批判、異論が各界・識者より出され続けてきたことは、周知のことである。
 これらに対して、事業主である県が、丁寧に、かつ納得のいくような説明ができたことは、控えめに見てもただの一度もないのが現実である。
 こうした経過の中で、もし県が強制的に住民を排除する行政代執行に踏み込むことになればどうなるか。
 事態はいちだんと深刻な状況に発展することは明らかである。憲法に保障されている人権、生活権の破壊であり、民主主義の根幹を損なう行為となろう。
 こんにち、県政が緊急に対処すべき重大課題は山積している。
 県民多数が反対する石木ダム建設ではなく、とどまるところを知らず進む人口の社会的流失対策、疲弊している地域経済の立て直し、県基幹産業である農林水産業の抜本的対策など、全力を投じて、かつ戦略的に取り組まなければならない喫緊の課題がある。まさに、明日の長崎を切り拓くために、文字通り一刻の猶予も許されない段階である。
 県政についてかかる大局的観点に立ち、中村県知事は、勇意をもって、石木ダム建設事業を中止すべき時である。
 われわれは、県政の発展、県民の民主主義のために、強制代執行に反対し、石木ダム建設事業の見直しを要請する。


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