ホーム労働新聞最新号党の主張(社説など)/党の姿サイトマップ

2018年12月15日号 1面

フランス/
労働者の闘いが政権追い詰める 
背景に改革政治への怒りと不満

革命政党の建設が急務

   世界資本主義の危機が深まるなか、フランス労働者・人民の闘いが大きく前進している。
 労働者・年金生活者を中心とする「黄色いベスト運動」が、十一月中旬からパリをはじめとする全土でデモ行進や道路封鎖を続けている。十二月一日には、フランス全土で十三万五千人以上が参加、パリなどで警官隊と激しく衝突した。
 運動は燃料税の大幅引き上げを契機に始まり、マクロン政権による緊縮財政政策をはじめとする改革政治全体に対する闘いへと力強く発展している。しかも、国民の七〜八割が運動への支持を表明するなど、広範な支持を得ている。
 この断固たる闘いは、最低賃金引き上げなど、マクロン政権から一定の譲歩を勝ち取った。

世界の危機の反映
 闘いの背景には、世界資本主義の危機、末期症状がある。
 リーマン・ショック後の世界経済の危機はいちだんと深まっている。経済の低成長は慢性化し、そのわずかな成長さえ、各国政府が膨大な国家予算を投入、金利引き下げなどの金融政策を行った上での「辛うじて」のものである。結果、世界は、国家・企業・家計の債務はかつてないほどに膨れあがる「借金経済」と化している。
 かつてない速度で進む技術革新も、企業・国家間の争奪を激化させている。
 「米国第一」を掲げたトランプ政権による中国への全面的な攻勢も、世界経済をさらに不安定化させ、危機を加速させている。
 再度の金融危機、破局が迫っている。
 全世界の帝国主義者、支配層は、労働者をはじめ人民を犠牲にして危機を打開しようとしている。増税などの犠牲転嫁、さらに治安弾圧が強まっている。
 人民の政治への怒りと不満は高まり、各国での階級矛盾が激化している。内戦・暴動、政変が続き、難民が激増している。

実力闘争に発展
 リーマン・ショック後、ソブリン(国家債務)危機が発生した欧州では、議会制度の枠内ではあれ、各国で政権交代が続いた。
 人民に犠牲を押し付けた既存の議会政党は信頼を失い、「左」右のいわゆる「ポピュリズム勢力」が台頭している。これらの勢力は、イタリアでは連立政権を担うまでになった。
 「ポピュリズム勢力」の伸張は、労働者・人民の怒りと不満が背景であり、既存政党がそれに応えなかったからである。
 現在、フランスで起きている事態も、基本的にこれらと同様である。
 昨年春、新政党「共和国前進」を率いて登場したマクロン政権は、多国籍大企業のための規制緩和、企業減税と大衆増税、労働法制改悪、教育制度改悪などを矢継ぎ早に進めた。人民の生活はさらに悪化し、政権への不満が高まっていた。
 今回、労働者・人民の闘いは議会内にとどまらず、実力で闘われている。また運動は「燃料税増税への反対」にとどまらず、「新たな政権」をめざすものへと発展しつつある。
 欧州の階級情勢は、議会内で「ポピュリズム勢力」が台頭した時期とは異なる、新しい局面に入りつつある。

労働運動の前進と革命党の必要性
 だが、この闘いで、労働運動が当初から指導権を発揮したわけではない。
 マクロン政権は、燃料税増税の延期や最低賃金引き上げなどの譲歩を行う一方で「非常事態宣言」を行うことで、人民への弾圧を強化する意思を示している。「アメとムチ」であり、運動を分断することで、政府転覆に結びつく傾向を摘み取ろうと画策している。
 これは一九六八年の「五月危機」に直面したド・ゴール政権が、賃上げなどを行う一方で「総選挙」を呼びかけ、政権の延命を図ったことと共通する。
 フランス労働者の闘いは、これからが正念場である。資本主義が末期症状を呈するなか、労働運動が前進することが肝心である。
 さらに、労働運動がマルクス・レーニン主義の革命政党を育て、鍛えることが決定的に重要である。
 「五月危機」において、修正主義・フランス共産党は「暴力」に反対し、総選挙に応じて闘いを「議会内」にとどめ、政権の延命に手を貸した。 
 ソブリン危機に陥ったギリシャでも、労働者は二十数回のゼネストで緊縮政策に抵抗したが、急進左派連合(SYRIZA)政権の裏切りを許してしまった。
 フランスの事態は「明日の日本」である。わが国労働者階級は、革命政党を育てる歴史的任務に決起しなければならない。 (O)


Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2018