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2017年9月25日号 1面

安倍政権の敵視政策は破綻 
即時・無条件の日朝正常化へ

「平壌共同宣言」を断固支持する

  朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の金国務委員長と韓国の文大統領による首脳会談が行われ、「平壌共同宣言」が発表された。
 「平壌共同宣言」は、朝鮮半島の平和を実現し民族の統一を実現する上で、「板門店宣言」に続く重要な一歩である。
 平坦な道ではないが、南北の平和と統一に向けた動きは加速するだろう。
 わが党は「平壌共同宣言」を断固として支持する。南北両首脳の努力と人民の闘いに敬意を表する。

「敵対解消」で大きな前進
 「平壌共同宣言」では、板門店宣言以降、南北の交流・協力、緊張緩和に成果があったと評価、民族自主の原則を再確認し、今後も平和と繁栄を発展させることが強調された。
 南北は、(1)敵対関係の解消と戦争防止策の徹底、(2)民族経済の均衡発展、(3)離散家族再会事業の強化、(4)多様な協力と交流の活性化、(5)朝鮮半島の非核化促進について合意した。
 敵対関係の解消と戦争防止策の徹底のため、「板門店宣言の軍事分野履行のための合意書」(軍事合意書)が締結された。
 合意書では、(1)
陸海空での敵対行為の中止、(2)非武装地帯の監視哨所を撤収、(3)板門店共同警備区域(JSA)の非武装化など、七分野で合意した。
 具体的には、南北が軍事境界線(MDL)からそれぞれ五キロずつの緩衝地帯を設定、砲兵射撃訓練や野外機動訓練を行わないことや、朝鮮半島の東西に緩衝水域を定めて射撃と訓練を中止することなどである。
 韓国政府は、軍事合意を「実質的な終戦宣言」と評価した。事実上、韓国側の積極的な譲歩が目立った。
 朝鮮戦争の休戦協定は米朝中の三軍が署名し、韓国軍は含まれない。それでも軍事合意書は、休戦協定の平和協定への転換に向けて南北が先行することを意味する。米国なども考慮せざるを得ない成果である。

「異例」づくしの南北融和
 朝鮮の非核化については、(1)朝鮮が東倉里エンジン試験場とミサイル発射台を廃棄する、(2)米国が相応の措置を取れば、(3)朝鮮が寧辺核施設の永久的廃棄のような追加措置を取る用意があるとされた。
 このほか、開城工団と金剛山観光の早期再開、南北の鉄道と道路を連結すること、離散家族の常設面会所の開所などが合意された。
 金委員長が、年内にソウルを訪問するよう調整することも発表された。文大統領は朝鮮で初めて演説しただけでなく、金委員長とともに白頭山に登った。
 南北首脳は、「異例」づくしの行動で融和融和の姿勢を示したのである。

 緊張の責任は米国にある
 
南北関係は目覚ましいが、米国の態度は引き続き警戒しなければならない。朝鮮半島の緊張の責任は、米国にあるからである。
 朝鮮半島でこんにちも戦争状態が続いているのは、米国が一九五三年の休戦協定締結後も朝鮮を敵視し続けているからである。
 朝鮮は一貫して、休戦協定を平和協定に転換することを求めてきた。
 九〇年代の「米朝核合意」など緊張が緩和したときもあったが、米国はその都度、口実を設けて合意を反故(ほご)にした。朝鮮が「核・ミサイル」で対抗したのは当然である。
 日本は、一貫して米国の先兵役を果たしてきた。
 韓国では、二〇〇〇年の初の南北首脳会談を機に統一を願う気運が高まった。
 トランプ米政権も武力攻撃を含む「あらゆる選択肢」を公言した。朝鮮半島情勢は極度に緊張した。
 これを打開に導いたのは、南北両首脳と人民の闘いである。
 この努力は、四月の歴史的な南北首脳会談として結実した。トランプ政権は朝鮮民族の意思に押され、中間選挙対策ももくろんで、六月には初の米朝首脳会談に応じざるを得なくなった。米国にとって「対中国」が第一義になったという事情もある。
 だがその後も、米国は朝鮮への追加制裁など、敵視を緩めていない。
 そして、今回の南北首脳会談である。
 米帝国主義がいかに干渉しようとも、民族・人民の闘いはそれをはねのけて前進できることが示された。

米国への警戒は怠れない
 米国に対して、いささかの幻想も持てない。
 米国は、朝鮮の一方的核放棄に固執(こしつ)している。
 ポンペオ米国務長官は「米国と国際原子力機関(IAEA)視察団の立ち会い」と、廃棄対象を「寧辺のすべての施設」とするよう要求した。南北の合意を受け、すぐさまハードルを引き上げた。
 また、在韓米軍当局は、軍事合意書について「韓国と徹底的に検討して議論される」と、その無効化のため韓国に圧力をかけることを示唆(しさ)した。
 朝鮮にとって当面して重要なのは、「米国側の相応の措置」である。金委員長は会見で「核兵器と核脅威がない平和な地域」を約束した。これは、朝鮮の核放棄だけでなく、在韓米軍の削減や撤退、制裁解除や敵視政策の中止を含むものと解すべきである。この立場は、道理がある。
 トランプ米大統領は、二回目の米朝首脳会談に意欲を見せているという。トランプ政権としては、選挙前に「成果」を印象づけたいだろう。当面、「朝鮮戦争の終結」や視察団の査察範囲を中心に、米朝の攻防が激化することになる。

破綻しつつある朝鮮敵視
 米韓関係は、いちだんと微妙になった。
 南北が合意した鉄道や道路の連結のためには、鉄鋼などの資材を朝鮮に送ることが不可欠となる。今回、文大統領には四大財閥など財界人が随行した。経済協力の気運も盛り上がってきた。事実上、国連による朝鮮制裁の空洞化となる。
 米国は「圧力を維持する」と息巻くが、すでに中国とロシアは事実上、朝鮮への制裁から離脱している(公式には否定)。
 米国は中国に「貿易戦争」を仕掛け、南シナ海や「人権」問題などで揺さぶりを強化している。米中関係は厳しさを増し、米朝関係もこれに規定される。
 米国の朝鮮敵視政策は、すでに破綻しつつある。
 これまで「延期」してきた米韓合同演習などは、ますます実施が困難となろう。だが、米国がすすんで引き下がることはない。
 米韓同盟が崩れれば、対朝鮮だけでなく、中国への備え、ひいてはアジアにおける米国のプレゼンスが大打撃を受けるからである。
 南北朝鮮、わが国を含むアジアから米軍を撤退に追い込み、米世界戦略を挫折させなければならない。

取り残される安倍外交
 米国に追随し、朝鮮敵視の先兵役を担ってきた安倍政権の外交は、ますます自縄自縛となった。
 自民党総裁に再任された安倍首相は、欺まん的に日朝首脳会談の開催を模索している。
 だが、安倍政権は米国の許す範囲内でしか対朝鮮外交を行えない。これでは、わが国はアジアで信頼を得ることはできない。
 国の進路をめぐり労働者階級が主導権を握らなければならない。安倍政権を暴露し、即時・無条件の日朝国交正常化の旗を掲げて闘いを前進させよう。(K)


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