2009年4月25日号 2面・社説 

第80回メーデーに際し、
全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会

 労働者の皆さん!
 第八十回メーデーに際し、日本労働党は熱烈な連帯のあいさつをおくります。
 新たな世界恐慌の嵐が吹き荒れる中、わが国労働者階級が国民諸階層の苦難を打開し、労働者階級の根本的解放を闘い取るため、勇躍立ち上がるよう呼びかけます。

断末魔の米帝国主義の世界支配
 二〇〇七年夏以来の米国発の金融危機、その世界恐慌への発展に直面した各国政府は、こんにち、各国の巨大銀行と多国籍大企業に例のない規模で国家財政(血税)を投入し、危機から逃れようとしています。四月はじめに開催された第二回金融サミット(G20)は、世界中で五百兆円という膨大な財政投入を確認しました。にもかかわらず、世界的な大不況は、その底さえ見えません。
 しかも、このただ中でさえ米欧日などの世界の大資本家たちは、政府の支援下であくなき利潤追求を続け、国際的独占体間、さらに各国間の争奪は激化しています。
 一方で、全世界の労働者・人民には、首切り、賃下げ、失業、貧困と飢餓、耐え難い苦難が押し付けられています。
 欧州で労働者のゼネスト、暴動が頻発するなど、各国では階級闘争が激化し、米国を頂点とする帝国主義に対する、全世界の弱小諸国、その他の国々の抵抗と闘争も発展しています。
 世界恐慌はまた、米国と基軸通貨ドルへの信認を決定的に揺さぶっています。戦後世界の頂点に立ってきた米帝国主義は、経済でも政治、軍事でも没落を早めています。それは、基軸通貨国の特権にあぐらをかき、ドルをばら撒いて借金まみれになりながら過剰消費を続け、世界中を収奪、支配してきた米帝国主義と、それを中心とした帝国主義諸国の世界支配の体制が、末期を迎えていることを示すものです。
 G20首脳会議でも中国、インドなど新興国の発言力は高まり、米欧間の矛盾も激化しています。
 米国一極支配はすでに終わり、経済も政治も重心が移動しつつあり、世界は再編成へと急速に進んでいます。
 中国も含め世界の各国はドルへの不信を高めており、いまや「基軸通貨ドルを支える」と公言するのは、時代錯誤の日本政府、麻生政権だけとなっています。対米従属でドルに縛られたわが国の危機はとりわけ深刻と言わねばなりません。
 さらに、今回の「百年に一度」といわれる世界恐慌は、世界資本主義の本質的危機の深さも示しました。「過剰生産」の世界でカネ持ちどもはその資金を生産に投資せず、カネがカネを生む金融投機に走って巨大なバブルをつくりあげ、それが破裂して世界を破局の淵へと追いやったのです。これこそ危機の本質で、すでに資本主義はその膨大な資本、巨大な生産力を制御できず、自ら押しつぶされようとしているのです。一方で、世界では何十億もの人びとが飢え、貧困に苦しんでいます。
 諸悪の根源たる資本主義制度の廃絶、社会主義だけが真の解決の道です。
 わが国労働者階級は、対米従属で一握りの多国籍大企業に奉仕するこの国の政治を転換させ、わが手に政権を握るべく、歴史的闘いを開始しなければなりません。

大企業支援、国民犠牲の麻生政権
 わが国、麻生政権もすでに三次にわたる経済対策で大企業と大銀行に最大限の支援を与えています。大企業は「内部留保」をため込みながら、経営の責任で払うべき人件費さえも「雇用調整助成金」という名で国民の税金からかすめ取っています。大銀行には巨額の資金支援が続けられ、日銀は異例にも大企業への直接の資金支援に乗り出しました。さらにいま国会に上程された〇九年度補正予算案では、自動車や電機大企業のために補助金をつけ、直接に「需要」すら作り出そうとしています。研究開発への支援もいちだんと手厚く準備されています。
 企業に必要なすべて、資本も資金も、賃金も技術も、需要すらも国家が直接支援する。しかも麻生首相は経済回復後の消費税増税を明言し、負担はあげて労働者国民に押し付けられます。
 この政府、国家との断固たる闘争なしに、労働者の真の勝利がないことは明白です。

春闘での一部連合幹部の裏切り打ち破ろう
 〇九春闘は、こうした歴史的な状況下で闘われています。労働者が隊伍を固めて大幅賃上げを要求して闘うのは当然で、わが党は皆さんの闘いを断固支持します。
 しかし、大きな影響を持つ自動車、電機を中心とする製造業大手の労働組合は、月例賃金も一時金も軒並み抑え込まれ、さらに定期昇給の凍結、賃金カットに踏み込まれ、工場閉鎖、配置転換、希望退職の強要、「ワークシェアリング」など、雇用の危機も押し付けられています。多数の派遣労働者を見殺しにした上でこの有りさまです。この総括をいい加減にしてはなりません。
 今春闘に臨み、日本経団連の経営労働政策委員会は「労使一体で難局を乗り切り、新たな挑戦を」と、労資協調幹部に石油ショックなどを乗り切った経験を露骨に語り「協力」を求めました。
 今回の危機に直面して経営側は、まず派遣切りで人員を削減し、急速な生産調整を行い、劇的な在庫減らしに成功しました。一九九〇年代以降の労働者派遣制度改悪の時も今回も、連合の一部労組幹部、裏切り者どもは積極的に協力し、企業側に貢献しました。さらに大企業は、工場閉鎖、不採算部門の売却、戦略事業への集中などをこの半年間に進め、国際競争で優位に立つための手立てを積極的に打ちました。こうして財務体質を改善した多国籍大企業は、この危機を米欧企業を打ち破るための「チャンス」とまで豪語するほどとなったのです。
 労使協調の一部組合幹部は、経営側の「労使一丸となって難局打開」の方針に積極的に呼応し、労働者を屈服させ、大企業を支えたといわれても当然です。こうした裏切り者どもを一掃しなくては、労働者の生活を守ることさえ不可能です。

国民諸階層と連携し国の進路の転換を
 苦難は労働者だけではありません。麻生政権は、徹頭徹尾一握りの金融資本、自動車・電機など多国籍大企業を救済、支援していますが、中小企業は大企業の圧迫と銀行の貸し渋り、貸しはがしで瀬戸際に追い込まれ、倒産が急増しています。構造改革政治でさんざん痛めつけられてきた中小の小売店や運輸業者、農家など、零細な自営業者はこの危機の中でいちだんと深刻な事態に直面し、次々と廃業を余儀なくされています。こうして労働者階級だけでなく、都市と農村の中間層・自営業者、中小企業経営者の中に、多国籍企業の走狗(そうく)、対米従属の自公政治への不満、怒りが渦巻いています。米軍再編と多国籍大企業の国際的発言権強化のための海外派兵と軍事大国化路線への批判も国民各層の中に広がっています。
 大企業経営者や保守政治家の中にさえも、この危機対処で米国依存、ドル依存の限界を経験・痛感させられて、対米従属政権へのさまざまな批判が強まっています。一握りの多国籍大企業に奉仕する対米従属の政治を打ち破る好機到来です。保守層や支配層の一部を含む広範な勢力が連合すれば、対米追随の政治を打ち破ることはまったく可能です。
 めざすべきは国の進路の根本的な転換で、経済では、国民生活を豊かにする内需拡大はもちろん、ドルに揺さぶられない通貨体制、アジア諸国と共生する平等、互恵の経済関係を打ち立ててこそ国民が苦難から脱却し、繁栄が可能となります。政治としては対米従属からの脱却、独立自主で、アジア近隣諸国との平和共存です。
 労働者階級は国の進路を転換する闘いの先頭に立とう!
革命党、日本労働党への結集を
 戦後六十年以上続いた対米従属政治を打ち破るためには、強力な政権が必要です。それは社会の多数派、最大勢力である労働者が確固として闘って初めて可能です。国の進路を転換する大事業は第一義的に労働者階級の任務です。
 そのために労働者階級は急いで自ら政党を組織し、強化する必要があります。
 民主党は「支配層のための安定的な権力構造」の構築を歴史的任務とする小沢ら保守勢力の主導下で、「政権交代」の幻想をあおり、労働者の闘いを選挙に流し込み、その発展をねじ曲げようとしています。連合指導部はそれを支えています。
 日本共産党は、政権獲得などまったく展望ない今から「政権に参画したとしても、大企業との関係では共存していく。健全に発展させる」と、大企業・帝国主義に恭順を誓っています。
 こういう日和見主義を打ち破らなければ、労働者階級が好機を生かすことはできません。
 そのために「左派」党派、活動家は団結し、労働者階級の前進のために共同して奮闘しようではありませんか。
 何よりも実践的戦略をもち、階級的利害に敏感な、強力な革命政党なしに、労働者階級が政権を握り、苦難を打開することはできません。日本労働党はそうした革命政党をめざして闘っています。
 わが党に結集し、ともに偉大な労働者解放の歴史的事業を担われんことを心から呼びかけます。

 第八十回メーデー万歳!
 万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!


第80回メーデー万歳
大企業救済・国民犠牲の麻生政権打倒! 民主党の「政権交代」は欺まん
苦難の根源、対米従属政治を打破し、アジアとともに繁栄する政治を


資本主義の危機は好機! 労働党に結集し闘おう

80回メーデースローガン

●経済危機は多国籍企業・大銀行の責任だ 断固たるストライキで要求を勝ち取ろう
・首切り反対 リストラ・工場閉鎖反対 配置転換の強制反対
・定昇見直し、賃金・ボーナスカット反対、残業なしで生活できる大幅賃上げを
・非正規労働者に生活できる賃金と権利を保証せよ
・労働者派遣法の抜本改正・廃止を
・公務員制度「改革」反対 スト権を取り返そう
・男女均等待遇の実現 女性差別反対
・団結の基礎・労働組合をすべての職場に
・失業者に職をよこせ


●政府は大企業救済策をやめ、国民諸階層の生活と営業を支援せよ
・大企業への救済策反対 大企業にこそ増税を
・社会保障の切り捨て反対 大幅充実を
・消費税増税などあらゆる大衆増税反対
・大企業による中小企業への圧迫反対 大銀行による「貸し渋り」反対
・国の独立の基礎、食糧自給の確立を
・地方切り捨て反対 住民に犠牲押しつける自治体行政と闘おう 道州制反対


●対米従属政治の転換へ、労働者は最先頭で闘おう
・米軍基地の全面撤去 米軍再編・グアム移転協定反対 沖縄県民と連帯して闘おう
・米国債購入反対 末期のドル体制を助けるな
・即時無条件の日朝国交正常化
・朝鮮・中国への内政干渉反対 正しい歴史認識でアジアの共生を
・ソマリア沖派兵と海外派兵恒久法反対 憲法改悪反対
・日米安保条約破棄 国の完全独立を


・全世界の労働者階級、人民、中小国家は連合し、米国を先頭とする帝国主義と闘おう
・民主党を信用するな 連合中央の民主党支持押しつけ反対 保守二大政党制を挫折させよ
・米帝国主義を美化し、「議会の道」を説く共産党を打ち破れ
・先進的労働者は日本労働党に結集しよう
・万国のプロレタリア、被抑圧民族は団結せよ
・第八十回メーデー万歳

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