2008年4月25日号 1面〜2面 

第79回メーデーに際し、
全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会

 労働者の皆さん! 第七十九回メーデーに際し、日本労働党は熱烈な連帯のあいさつをおくります。
 今年のメーデーは、昨年夏米国で起こった金融危機が、全世界を不況の瀬戸際に巻き込み、米国はじめ世界の大銀行家、多国籍企業家、億万長者どもが「戦後最悪の危機」と危機感にかられている、そうした歴史的情勢下で闘われます。
 危機は対米依存のわが国を襲い、国民諸階級の営業と暮らし、したがって資本家と労働者階級など諸階級の相互関係に深刻な影響を与え始めています。危機に直面したトヨタなど多国籍企業の資本家どもは、早くも〇八春闘で先手を打って労働者に犠牲転嫁してきました。
 労働者は生きていくために、いよいよ本気で闘う以外にありません。

 1
 世界はいま、帝国主義、支配者どもに不利に、労働者階級と人民に有利に、劇的に変化しています。
 米帝国主義は、イラクで引くに引けぬ窮地に陥り、全世界人民の闘いと弱小国家の抵抗で世界政治でのリーダーシップを失っています。
 イラン包囲網は、頼みとするサウジアラビアの支持さえ得られず、アフガニスタン、パキスタンでは頑強な抵抗に直面、北東アジアでは独立・自主の意思を鮮明にした朝鮮との妥協を余儀なくされています。
 また、独仏など欧州帝国主義は対抗力を強め、ロシア、中国も世界的影響力を強めるなど、世界は「多極化」し、米国の「超軍事力」はすっかり威力がなくなっています。
 とりわけ昨年夏以来の、米国を震源地として起こったサブプライムローン問題に端を発する金融危機、経済危機の深刻化は、米国の衰退ぶりを決定づけています。
 世界一の借金国でありながら、全世界の労働者をしぼりにしぼって稼いだ成果、「黒字」を使ってさらにしぼりあげ再投資する、米国にとって都合のよいドル還流システムが、いよいよやっていけなくなったのです。それは戦後、ドルを基軸通貨にして世界経済を支配してきた時代の終わりの始まりで、世界経済は重心の移動、新たな再編、劇的な変動期に入ったのです。
 米欧など帝国主義国の大銀行、多国籍企業は、底なしの危機に狼狽(ろうばい)しながらも、この危機を相互間に押し付け合い、とりわけ自国の労働者に犠牲を転嫁して生き延びようとしています。米国では大量の首切りが始まり、労働者は街頭に放り出されています。資本主義の危機は、労働者をかつてない苦難に直面させるにちがいありません。
 この危機を根本的に打開し、労働者を未曾有(みぞう)の苦難から解放する力は、帝国主義に反対する闘いの前進、とりわけわが国を含む先進国の労働者階級の目覚めと闘争、革命党の前進にかかっています。
 こんにちわれわれは、資本主義の結末をつけるような時代、大衆の貧困がなくなり、人間による人間の搾取がなくなる社会主義社会を幾百万の団結した労働者がつくり出すような時代に直面していることを自覚し、全世界の労働者階級と堅く団結し、歴史的任務を担う覚悟を決め、立ちあがらねばなりません。

 2
 〇八春闘は、連合大手組合が早々と旗を降ろしましたが、中小・地場産業などまだ闘いの最中です。本来、今春闘は企業側に不利で、闘おうとする労働者側にとっては、大幅賃上げのチャンスでした。
 春闘に先立って、御手洗・日本経団連会長、福田首相らが「賃上げ容認」を発言していましたが、これは決して彼らが労働者の味方になったわけでなく、財界、支配層にとっての危機感からでした。参議院選結果にも反映していたように、グローバル経済、改革政治の下で、国民は二極化し、貧困が広がって、国民各層の忍耐はぎりぎりに来ています。トヨタなど多国籍化した巨大企業は笑いが止まらないほどにもうけながら、その下請け中小企業や、「内需型」大企業さえ厳しく、「安定した成長」のために、内需拡大、そのための賃上げは支配層にとっても必要になっていました。だから、労働者側にはチャンスでした。
 しかし、自動車総連、電機連合など大手組合、連合指導部は、経営側が提示した昨年並みの千円をいとも簡単にのみ、そのチャンスをつぶしたのです。それは二重に犯罪的な役割といわなければなりません。なぜなら、トヨタをはじめとする多国籍企業の経営側は労働者への「支払い能力」があるにもかかわらず、経済危機に対処する必要さから先取り的に労働者に犠牲転嫁してきたのに対して、唯々諾々(いいだくだく)と「協調」し、闘いのチャンスをつぶし、労働者の願いを裏切ったからです。
 この大手組合の「協調」は、米国発の経済危機の大波がいよいよ本格的に対米依存のわが国を襲い、深刻な影響を及ぼして、産業間、企業間の危機の押し付け合いが激化、そのきり抜けのために、一斉に労働者への攻撃が始まろうとしている矢先だけに、許し難いものです。
 この「協調」は、中小企業や非正規労働者への裏切りであるだけでなく、大手企業の労働者さえも決して救えません。それは、トヨタなど米国で利益の大半を稼いできた日本企業にとって、それに代わる市場などどこにもないことを考えるだけで十分です。経営側がこの危機を乗り切るには、企業内の労働者と下請中小企業に犠牲を転嫁し、徹底してしぼりあげる以外にないからです。トヨタのお膝元でさえ、工場閉鎖や首切りが起こり得ます。
 ここ数年来、外需で大手企業が繁栄をおう歌した時期にさえ、正社員は長時間労働でこき使われ、中小企業の労働者の賃金は徹底的に抑えられ、パートや派遣など安上がりで不安定な職業にしかつけない労働者が増やされてきました。
 これから始まる犠牲転嫁は、この間進んできた労働者の劣悪化した労働条件の上にいちだんと重い重石を乗せようとするものです。
 もはやガマンも限界! 労働者にとって闘う以外に生きる道がない事態が余儀なくされています。われわれの先輩がそうしたように、また全世界の労働者が示したように、そして今春闘でもストライキで闘った私鉄や全港湾などの仲間が示したように、団結して闘ってこそ資本家どもの攻撃を打ち破ることができます。
 「企業と労働者の利害は同じ」などとウソの説教で労働者の団結した闘いを妨害する日和見主義組合幹部を押しのけ、自分たちの力で展望を切り開きましょう!

 3
 米国発の危機が日本を襲う中、戦後六十三年間、支配層、自民党が進めてきた対米従属の政治が、こんにちほど国民各層の利害と対立していることが浮き彫りになっているときはありません。
 なによりも、米国を震源地とする金融危機が、対米従属政治のツケとして他国以上にわが国経済に深刻な打撃をもたらし、国民各層に未曾有の苦難をもたらし始めています。
 こんにちの労働者への攻撃はもちろん、中小業者の困難の根源もまた、対米依存の多国籍企業の経営、対米従属政治にあります。米国一辺倒ではなく、もう少しアジアや中東などと友好的な政治をやっていれば、繁栄の展望を見つけることができたはずです。
 農民は、対米従属の政治ゆえに、牛肉、オレンジ、そしてコメの輸入自由化をのまされ、農業で食っていけず、田んぼを荒れ放題にせざるを得なくなりました。世界の食糧危機が迫り、独立国として国民の食料を確保できなくしたのは、農民を犠牲にした対米従属の政治の責任ではありませんか。
 その上に、沖縄での米兵による中学生性暴力事件はじめ各地で相次ぐ米兵による殺人、事故。日米安保条約と米軍基地、米軍再編強化など軍事面での対米従属政治は、まさに「安全保障」とは裏腹に、日本人の生命と安全、国にとっての平和を脅かす最大の根源になっています。
 沖縄県民の「米軍基地を押しつけるな」「ガマンも限界にきた」という怒りは、対米従属政治に対する国民全体の積年の恨みを代弁するものと言うべきではないでしょうか。
 わが党は、労働者の皆さんが、こうした噴出する国民各層の怒りを総結集し、限界を露呈している自民党政治を打ち破り、新たな日本の進路ーー独立・自主、アジアと共生して繁栄する政治を実現する闘いの先頭に立たれるよう訴えます。
 こんにちの情勢下では、多国籍企業の中にさえ米国一辺倒の政治への不安や疑問が出てきており、支配層内部の矛盾を利用して広範な戦線を形成して闘うことが重要です。そしてそうすることで、労働者階級は自らの経済的要求と闘争を有利に展開することが可能となります。

 ところが皆さん、連合が支持し、「政権交代」を唱える民主党は、国民大多数の願いである対米従属の政治の転換について、どんな態度をとっているでしょうか。自民党との「対決」などと息巻いていますが、もっとも肝心なこの点で、自民党と同じ「日米同盟」の立場ではないですか。沖縄の性暴力事件問題では、「地位協定の改定」を唱えましたが、「日米が対等の立場に立てるよう地位協定の改定を」(鳩山幹事長)というもので、沖縄県民の基地撤去の願いとは正反対の立場です。
 昨年の「大連立」騒動で、民主党が労働者の味方ではなく、財界が画策する二大政党制の一方の装置という正体を見せましたが、「政権交代」などというスローガンにだまされずこの党と闘い、二大政党制を挫折させるよう訴えます。
 もう一つ、労働者の味方面する共産党にだまされないよう訴えます。
 共産党は、政治を変えなければ浮かばれないという意識を持つようになった労働者に対して、「選挙で」と言って、労働者がストライキで頑強に闘うこと、強力な国民運動の力で政治を変える道を妨害してきました。しかし、戦後何十年も選挙をやってきた結果はどうでしょうか。政治は何一つ変わらなかったばかりか、二大政党制のための小選挙区制導入で、共産党はごく少数の政党になったではありませんか。
 選挙で世の中は変わらない。これは、労働者がいまこそ戦後政治の経験から引き出すべき教訓です。
 わが党は、こうした経験を持ち、こんにち、どの階級よりも苦難を一身に受けている労働者の皆さんに、資本家に対する怒りを基礎にした自らの団結した力、対米従属、多国籍企業のための政治に対する怒りに直接依拠した強力な国民運動の力と統一戦線の力こそが政治を変える真に確かな道だと訴えます。

 4
 労働者の皆さん!
 さし迫る資本主義の破局に備えるためには、わが国の対米従属、多国籍企業のための政治を根本的に転換するためには、急いで自らを革命政党に組織する必要があります。政治思想上確固とし、労働者大衆と結びついた革命政党なしに、悪政を覆し、天下を握ることはできません。
 日本労働党は、そのような労働者階級の革命政党をめざしています。
 真剣に現状打開を望む先進的労働者の皆さん!
 わが党に結集し、ともに偉大な労働者解放の歴史的事業を担われんことを心から呼びかけます。
 第七十九回メーデー万歳! 万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!


第79回メーデースローガン

多国籍大企業の手先・福田自公政権打倒!
いまこそ対米従属から脱却し、独立・自主、国民生活繁栄の日本を

迫る世界資本主義の破局!労働者階級は自らの政党を強化し備えよう

●大幅賃上げの実現! 断固たるストライキで要求を勝ち取ろう
・すべての非正規労働者に生活できる賃金と権利を保証せよ
・タダ働き残業をなくせ 労働時間の大幅短縮
・労働者を犠牲にするリストラ・工場閉鎖反対
・公務員制度「改革」反対 スト権を取り返そう
・男女均等待遇の実現 女性差別反対
・団結の基礎・労働組合をすべての職場に
・失業者に職を保障せよ

●国民各層と連合し、労働者は国民運動の先頭に!
・公共料金・諸物価の値上げ反対
・後期高齢者医療制度の即時廃止 社会保障制度の解体反対
・大衆増税反対 大企業にこそ増税を
・国の独立の基礎、食糧自給の確立 農民と連帯して闘おう
・「分権」を口実とする地方切り捨て反対 道州制反対

●労働者階級は国の独立の旗を高々と掲げて闘おう
・米軍再編反対 米軍基地の全面撤去を
・即時無条件の日朝国交正常化
・朝鮮・中国への内政干渉反対 アジアの共生を
・海外派兵恒久法反対 憲法改悪反対
・日米安保条約破棄 国の完全独立を 沖縄県民と連帯して闘おう!

・全世界の労働者階級、人民、中小国家は連合し、米国を先頭とする帝国主義と闘おう
・民主党を信用するな! 連合中央の民主党支持押しつけ反対 二大政党制を打ち破れ
・労働者階級を裏切る修正主義共産党を打ち破れ
・先進的労働者は日本労働党に結集しよう
・万国のプロレタリア、被抑圧民族は団結せよ
・第79回メーデー万歳。


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