労働新聞 2007年4月25日号・1面〜2面

第78回メーデースローガン

安倍政権による対米追随の軍事大国化を
打ち破り、独立・自主、アジアの
共生の進路を切り開こう


「与野党逆転」で世の中は変わらない
強力な国民運動で政治の根本的転換を

●大幅賃上げ 断固たるストライキで要求を闘い取ろう
・パート、派遣、請負などすべての非正規労働者に大幅賃上げ、権利確立を
・タダ働き残業撲滅 労働時間大幅短縮
・資本のための「労働契約法」反対
・公務員制度改革反対 公務員労働者にスト権を

●中小企業家、自営業者、農民と連合し、労働者は国民的戦線の先頭に
・年金、生活保護など社会保障制度の解体反対 健康保険証取り上げ反対 消費税率引き上げ反対
・中小・下請けへの単価切り下げ反対 内需拡大でバランスのとれた国民経済実現
・経済連携協定(EPA)のための農民犠牲に反対 食料自給率の大幅引き上げを
・住民犠牲の地方分権「改革」反対 新型交付税、道州制導入反対

●安倍政権の亡国的な「主張する外交」と闘い、アジアの共生を
・即時無条件の日朝国交正常化 朝鮮制裁措置の即時全面撤廃 在日朝鮮・韓国人への政治弾圧反対 排外主義反対
・中国・朝鮮敵視、日米の軍事一体化強める米軍再編反対
・教科書改悪や靖国神社参拝など、侵略美化策動反対
・集団的自衛権の行使容認反対 自衛隊の海外派兵反対 日本の核武装反対
・国民投票法反対 憲法改悪反対
・日米安保条約破棄 国の完全独立を

・全世界の労働者階級、人民、弱小国家は連合し、米帝国主義を頂点とする帝国主義諸国と闘おう
・小沢民主党を信用するな
・労働者階級を裏切る修正主義共産党を打ち破れ
・先進的労働者は日本労働党に結集しよう
・万国のプロレタリア、被抑圧民族は団結せよ
・第78回メーデー万歳


第78回メーデーに際し、全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会

 労働者の皆さん! 第七十八回メーデーにあたり、日本労働党は、労働者階級の政党として熱烈な連帯のあいさつを送ります。
 安倍政権の登場で、わが国は重大局面に直面しました。わが党は労働者の皆さんに、自らの労働条件改善のために闘うだけでなく、安倍政権が突き進む「亡国の道」を阻止し、「独立・自主、アジアの共生」の国の進路を切り開くために、国民の先頭で敢然と立ち上がるよう呼びかけます。

世界を揺るがす反米・反帝国主義の闘い
 全世界の人民、弱小諸国は、米国を中心とする帝国主義諸国の支配と圧迫に抗し、自国の運命を自分たちの手に握るため、勢いよく前進しています。
 とりわけイラク人民は、不屈の闘いによって米国を決定的敗北に追い込みました。どうやって米軍を撤退させるか、ブッシュは頭を抱え込んでいます。反米国家イランは意気軒昂(けんこう)、イスラム・中東諸国全体に反米の気運が高まって、米国の世界戦略の柱・石油支配が大きく揺らいでいます。中南米でも、相次いで反米政権が成立し、連携を強めています。
 アジア、とくに朝鮮は一変しています。朝鮮は近代以後、たえず大国の争奪の戦場となり、日本帝国主義の植民地支配、朝鮮戦争、米帝国主義による南北分断と圧迫、まさに民族的苦難の歴史でした。しかしいま、朝鮮民主主義人民共和国は核兵器を持ったことによって、あなどられない地位を確立しました。朝鮮と韓国は同じ民族として共存しつつ反米を強めて、北東アジア情勢に登場しています。
 こうして米国内では、国民の不満が高まり、中間選挙で共和党、ブッシュ政権は大敗、世界支配の戦術調整を余儀なくされています。たとえ民主党政権になってもこのすう勢は変えられません。
 資本主義各国でも、労働者階級人民の闘いが前進しています。イラク戦争で米国に加担した西欧諸国の政権は、ほとんど倒されました。
 米国が衰退する中、帝国主義諸国間の対立と争いも激化しています。また、帝国主義から抑圧されている国でも、中国やロシアなどが大国化し、取り引きもしますが、米国などに対抗を強めています。
 世界は、米国を中心とする帝国主義諸国に不利で、全世界の労働者・人民、弱小諸国には有利に、劇的に変化しています。対米従属の下で世界に権益を追求する、わが国多国籍大企業とその手先、安倍政権には深刻な事態で、労働者階級にとってすばらしい情勢です。

安倍政権登場、戦後史の重大局面に
 安倍政権は、このように米国がいっそう衰退し困難が増大した下で、かつ、小泉政権の内政・外交が完全に行き詰まった下で登場しました。しかも安倍は、戦犯岸信介の孫、復讐(ふくしゅう)心に満ちて「拉致問題と朝鮮敵視」を政治資産に、排外主義を結集して首相に成り上がりました。安倍政権はこうしたことに特徴づけられています。
 その階級的性格は、小泉前政権と同様に「多国籍大企業のための政治」です。トヨタ自動車は、この一年間の営業利益二兆二千五百億円で前年よりも二割増! 七年連続で過去最高を更新。海外展開し、生産と資本の集中を進め、下請け企業と労働者を徹底的に搾りあげた結果です。何よりも、小泉・安倍政権が以前の政権とは違って、多国籍大企業だけを集中的に支援する政治を進めた結果です。
 その安倍政権の中心的課題は、国際政治での発言権拡大を狙う「主張する外交」です。もう一つは、「財政再建」を中心とする国民犠牲の「改革」です。
 とくに、軍事力強化と海外派兵・戦争のできる法的準備、憲法改悪をめざしています。安倍は朝鮮敵視の瀬戸際政策、ミサイル防衛計画前倒し、米軍再編と日米軍事一体化推進、オーストラリアやインドとの中国包囲網・安全保障協力強化など矢継ぎ早です。集団的自衛権行使容認を指示し、核武装問題も登場させています。いま、国民投票法案をしゃにむに押し通そうとしています。
 これは、衰退する米国の世界戦略を支えながら、世界に広がった多国籍大企業の権益を確保しようとするものです。
 まさに、戦後史を画する重大局面です。

「国の進路の課題」を高々と掲げて闘おう
 わが党は労働者の皆さんに、自らの労働条件改善のために闘うだけでなく、安倍政権の亡国の道を阻止し、国の進路を切り開くために、国民の先頭に立って敢然と立ち上がるよう呼びかけます。すべての野党、政治家は、安倍政権の時代錯誤の暴挙に警鐘乱打し、いかに闘うべきか労働者階級と人民に方向を示し、ともに連合して闘うべきです。
 ところが野党各党は、もっとも肝心なときに無力です。
 小沢民主党や連合指導部は、安倍政権に対抗して、「格差是正」を主張しています。もちろん「格差是正」は重要です。しかし、国の運命が問われる時に、何一つ明確な「対抗軸」を示せないでは闘えず、目前の選挙ですら安倍に打ち勝てるはずがありません。先の沖縄の選挙では、普天間基地撤去を最優先課題に掲げた伊波・宜野湾市長は圧勝しましたが、小沢がテコ入れした参議院補選は基地問題を争点化せず、結果は惜敗でした。
 小沢民主党のこの方向は、労働者階級の関心を、もっぱら目前の狭い経済的利害だけに向けさせ、直面する重大な政治的任務から目を遠ざけようとする犯罪的態度といわなければなりません。それは、小沢民主党が財界から政治献金を受け、国の基本政策では自民党と違わない、財界が願う「二大政党のもう一つの装置」にほかならないことを暴露しています。
 共産党も、無力さをさらし、安倍政権の亡国の道に手を貸しています。安倍の対中国「関係修復」を絶賛し、朝鮮「制裁」を叫んで排外主義をあおりました。「改憲反対」とはいっても、これでは、排外主義をあおる危険な安倍政権とはとても闘えません。
 わが党は、労働者階級が「独立・自主、アジアの共生」の旗を高く掲げて闘いに立ち上がるよう訴えます。労働運動はこの旗を掲げてこそ、安倍政権と争って、国民の多くを引きつけることが可能となり、大きな役割を果たすことができます。
 当面の具体的課題として、「日朝国交即時実現」の一大国民運動を提唱し、ともに闘うよう訴えます。

政治の根本的転換をめざして闘おう
 わが党は、この重大な時局で、労働者の皆さんに、政治の根本的転換のためには労働者にもっともふさわしい闘争方法、ストライキと強力な国民運動で断固として闘うことを呼びかけます。
 民主党と連合指導部は、「与野党逆転」で政治転換と呼びかけています。しかし、一連の選挙結果を見ても、民主党の勝利が保障されているわけではありません。共産党の「確かな野党」論は問題外です。政権展望ナシ、永遠に「野党で」ということでしょう。ふがいない民主党に憤る国民の支持をかすめ取る魂胆ですが、政党としては破産証明です。
 戦後六十一年間、何度も選挙が繰り返され、労働者はそのたびに動員され「政権交代」の幻想をまき散らされましたが、結果は明らかです。もはや労働者は、この見通しのない「選挙・議会での政権交代」の道とは、きっぱりと手を切るべきです。
 「与野党逆転」しても、良いことがほとんどないだけでなく、むしろ危険です。九三年の細川連立政権、続く村山連立政権での経験を振り返って見て下さい。労働組合が支持する政権ということで闘えず、自民党政権にはできない財界のための悪政が強行され、より危険な政治となることは必至です。こうしたことを経験し知っていながら、小沢民主党への幻想をあおる連合指導部は、まさに裏切り者です。
 労働者階級は幅広い国民運動の再構築を進め、その先頭に立って断固として闘ってこそ、政治を変えることができます。自分たち自身の力、ストライキで闘ってこそ要求も実現できるし、展望が開けます。今春闘でも、政府が法改悪で港湾の規制緩和を決めたにもかかわらず、全国港湾と港運同盟が二十四時間の全国統一ストライキで、実力で「新規参入」を跳ね返しました。多くの業界の労働者はもちろん、経営側も規制緩和で壊滅的打撃を受けていますが、大きな激励です。
 厳しい状況に直面した社民勢力ですが、広範な勢力を結集して、少数野党ではなく、強大な議会主義の新党をめざせば展望があります。国民的広がりを持つ新党であれば、安倍政権と闘う国民運動の発展に重要な貢献をすることが可能で、憲法改悪阻止の力ともなります。革命の党として、わが党は参加はしませんが、そうした勢力結集と闘いを支持し、国民運動発展のため密接に連携して闘います。
 また、労働運動は、安倍政権に苦しめられる国民各層の要求を支持しともに闘うことが重要で、そうしてこそ政治転換への大きな力を構築できます。中小・零細の企業や自営業者も、農民も、中小商店等々も、国民各層の困窮化が急速に進んで、一部では闘いも始まっています。北海道や鹿児島などでは農民が、自由貿易協定(FTA)によって自動車など多国籍企業の輸出拡大のために農畜産物輸入拡大で犠牲にされることに反対し、集会やデモで闘っています。消費者や企業家、自治体なども参加し、ところによっては地域の連合も参加するなど、各層の連携した闘いが進んでいます。
 こうして広範な国民のリーダーとなるとき、労働運動は支持を受け、活気に満ちて大前進が可能となります。労働者・労働組合が、わが国社会全体を視野に入れ、大きな戦略をもって闘えば、展望が開けます。

労働者は政権を握るため、自らの政党、日本労働党を強めよう!
 労働者が、国民の先頭で安倍政権、多国籍大企業のための政治支配を打ち破り、自らの手に政権を握るには、そのための武器、自らの政党を持たなければ勝利できません。
 日本労働党は、そのような革命的労働者階級の政党をめざしています。
 真剣に現状打開を望む先進的労働者の皆さん!
 わが党に結集し、ともに革命の党を強化し、偉大な歴史的事業を担われんことを心から呼びかけます。労働者階級の解放をめざして前進しよう!
 第七十八回メーデー万歳! 万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!


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