20011015

自衛隊の参戦を許すな
共産党の武力制裁提案糾弾

米国はアフガン攻撃をやめよ


 米国は十月七日、アフガニスタンへの武力攻撃に踏み切り、英国軍とともに首都カブールなどを連日爆撃した。 米帝国主義の野蛮な侵略戦争に対し、アフガン人民はもとより、全世界で反対の声と運動が高まっている。米国や独、仏、イタリアなどでは連日のように数万人がデモを繰り広げている。
 また、パキスタン国民は、米国に協力するムシャラフ大統領に反対するデモを全国で繰り広げ、米帝国主義の侵略戦争に反対している。
 アフガン攻撃の長期化に伴い、全世界の反対行動はさらに激化するに違いない。南西アジア、中東の政治情勢はいっそう激動化しようとしている。
 米国テロ事件以降、資本主義経済の危機もいちだんと加速し、米国の戦争でさらに世界恐慌の縁の立たされている。
 ブッシュの侵略戦争に小泉政権は、真っ先に支持を表明し、米国のために参戦する「テロ対策特別法案」を何が何でも成立させようとしている。
 また、小泉政権は、すでにパキスタンに救援物資の輸送を口実に自衛隊機を派遣した。米軍への戦争協力は、自衛隊を世界中に派兵するものであり、集団的自衛権行使の実績づくりにほかならない。

 民主党は、法案に対して国会承認という条件は付けてはいるが、真っ先に賛成しており、財界政治を支える正体をまたもやさらけだした。
 こうした中、日本共産党は十月十一日、タリバンへの国連による武力行使を求める提案を行い、各国政府に送っている。
 共産党は、テロ事件の背景である米帝国主義の世界中での侵略、干渉などについて一切言及していない。そして、テロ事件の犯人をビンラディン氏と「アル・カイーダ」と決めつけ身柄引き渡しを要求し、応じなければ国連による経済制裁、武力制裁を行うよう求めている。まさにブッシュのお先棒かつぎにほかならない。

 今回の米帝国主義のアフガン侵略にわが国が加担することに対し、中国などアジア諸国からは反対の声が強く出ている。小泉首相は、中国を訪問し、過去の侵略戦争の反省を述べた。さらに韓国を訪問し、同様の発言を行うという。いくらか過去の戦争を謝罪して見せることで、アジアからの批判を乗り切ろうとする姑息(こそく)な手段である。

 労働者は、小泉政権に同調する民主党や武力行使を求める共産党にだまされてはならない。米帝国主義の侵略の歴史をきちんと見なくてはならない。
 そして、米帝国主義のアフガン攻撃とそれに参戦する小泉政権に反対して国民世論と国民運動をつくりあげよう。とりわけ労働組合は、そうした運動の先頭に立って闘うことが求められている。


米国こそ「テロ国家」だ
そのテロ(侵略)の罪状(2次大戦後)


50?53年
 朝鮮戦争。「国連軍」の名で米軍が介入、人民100万人以上が殺され、南北に分断された
54年
 グアテマラに対し、ホンジュラス、ニカラグア軍を使って空爆、クーデターで政府転覆
58年
 レバノン内戦に海兵隊を上陸させ、軍事介入。英国は米軍に呼応し、ヨルダンに派兵
61年
 キューバ革命に対し、傭(よう)兵軍を送り込み革命政府を転覆させようと試みるが失敗 
62?75年
 ベトナム戦争。米国は50万人を超える米軍を派兵し、330万人以上を殺害した
62年
 キューバを海上封鎖。ソ連のミサイル基地建設に対して介入
65年
 ドミニカ内戦に海兵隊を派兵し、革命政権樹立阻止を狙った
70年
 カンボジア侵略。南ベトナム軍とともにホーチミンルートを破壊するために侵略
73年
 チリのアジェンデ左翼政権に対し、反革命クーデターを操り、政権を転覆させる
79年
 ニカラグアで解放戦線が臨時政府樹立。右翼組織コントラを支援し、政権転覆をはかる
79年
 イラン革命に対し、あらゆる手段で政権転覆を画策。88年にはイランの旅客機を撃墜し290人を殺害
81年
 エルサルバドルの内戦激化。軍事政権に軍事援助を行う
83年
 グレナダに米軍が侵略し、左翼政権を倒し、親米のかいらい政権を樹立
86年
 リビアに対し、西独での爆発事件を口実に空爆
89年
 パナマに侵略。ノリエガ将軍を打倒しようと米軍24500人を派兵し、2000人以上を殺害
91年?
 イラクに対し、湾岸戦争。劣化ウラン弾などを使用し、20万人以上を殺害。その後も経済制裁を続けながら、爆撃を続けている
92年
 ソマリアに侵略。内戦と干ばつで苦しむ難民を救うなどを口実に強行した
94年
 ボスニア紛争に介入し、北大西洋条約機構(NATO)軍としてセルビア人勢力に空爆を強行
98年
 スーダンとアフガニスタン対し、ケニアの米大使館爆破事件を口実に巡航ミサイルなどで爆撃
99年
 ユーゴスラビアに対し、米軍を主力としたNATO軍が空爆。

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